仕事をする意欲、他人の下で働くストレス、退職したシニアは耐えられるか? - 定年退職後の高齢者の仕事、雇用、健康

私は、12年前に会社組織を離れて起業した。もし、何らかの事情で会社組織に再就職して給与をもらう状況になったら、本当に働き続けられるか100%自信がない!一度自由という空間を味わったカナリアは、もう一度3食付きのかごの中に戻って鳴くことをするだろうか。これは、個人差がある。私は、できない。

他人の下で働く意欲が生まれない。自分の力でお金を稼ぎ始めると「なぜ、他人の会社を儲けさせる労働をしなければいけないの?」という問いかけが降ってくる。

一度自由な時間を楽しむと時間が束縛される会社では?

一度起業してお金を稼ぎ始めると事業が失敗しない限り他人の会社で給与をいただく労働環境に戻らなくなる。自分がボスで時間を自由にできる労働環境と生活は快適である。

ただ、

事業が失敗したら、こんな贅沢なことを言っていられない。言っていられないのだが、果たして自分の自由を束縛される会社で真剣に働く意欲を維持できるだろうか。一度会社経営をすると会社の表と裏を知ることになる。うまい汁は決して自分の懐に入ってこないことも知っている。自分の時間をお金に交換しているだけだ。

自分のやり方が通らない仕事の運び方と気心がしれない同僚たちとストレスを感じながら我慢して働くことになる。若い人とシニアでは、再就職の目的が違う。起業で失敗して再就職した若者は、もう起業は懲り懲りと思って再就職する人と再起を図るためのお金を貯めるために再就職をする人に分かれるのだが、シニアの場合は老後のお金が心配になり背に腹は変えられないという心情が動機付けになる。

定年退職後、1年ぐらい好きな事に時間を使うと・・・

定年退職後に再就職を目指して就活をしていたシニアがいた。半年経過しても再就職先が見つからないため、残りの半年を遊んでしまった。遊んでいるうちに段々と手持ちのお金が少なくなっていく様子を見て再度就職活動をした。自分が探している仕事から自分を雇用してくれる仕事に視点を変えてやっと中小企業に再就職ができた。

そんなシニアの知人だが、どうも、相当再就職先の労働環境に慣れるのに苦労をしていた。定年退職後1年間を自由に過ごしていたため組織で働くという現場感覚が失われていたのだ。自由にしていた事で制約される労働環境になかなか慣れなくなってしまった。大企業を定年退職した知人は、中小企業の労働環境の違いに驚き、自分なりの考えも上手く伝わらなかった。

その会社での仕事に生きがいを感じていないため精神的なストレスが労働意欲にも影響してしまった。 

再就職先の会社組織で働く意欲が・・・

シニアが再就職した会社は、決して自分が求めている会社ではない場合が多い。新しい職場を選ぶという選択がないため、就職できる会社であればそれで十分だという考えになってしまう。当然、そんな感じで働き始めると労働意欲は下がったままになる。シニアという年齢による職場の違和感もある。

大企業時代の働き方と社員の質の違いが目立ち始め、一人で空回りする状況に置かれた。働く意欲は、お金を頂くためというだけになった。言われたことを言われたようにやれば、給与がいただける。そんな生活が続いた。毎日会社に通勤するのが精神的に苦しくなってきたと言う。

彼は優秀な人間なのだが、その優秀な能力を発揮できないまま会社で時間を潰す労働をしていた。中小企業の労働環境に適応するのが彼にとって一番の難関のようだった。こうやれば、ああなると伝えてもそれが実現できない環境が中小企業の経営にある。

新しい職場に適応するストレスで・・・

私も転職経験がある。若い時は、我慢して1年、2年働けば自然とその職場の環境に慣れていく。嫌になったらまた転職先を探して辞めれば良いという考えがあった。若者は、シニア以上の忍耐力と適応力がある。個人差があるが、若ければ人生の選択で多くの可能性を見つけられる。

シニアは、辛抱して異次元の世界で仕事をする感じで職場環境に適応しようと努力する。その努力は、時として精神的な躁うつ病を生み出す。65歳で再就職しても年次契約更新になるので毎年覚悟を決めて仕事をする必要がある。それが見えないストレスとなって積もりだす。

シニアの肉体も精神も老いて来るともろくなる。ストレスを発散するために飲酒が多くなる。健康状態が悪くなれば、その時点で解雇に成りうる。シニアほど解雇しやすい労働者はいない。不安定な雇用とストレスが多い労働環境は、将来の老後の生活を暗くする。

「背に腹は代えられない」再就職をするシニアならば、万が一の時の生活設計を事前に考えて置く事が必須だ。シニアの再就職はバラ色の世界ではない。

知人のシニアは、再就職を諦めて自分の時間が自由になるNPO団体で暇を有効に使いながら自分の老後の生活を考えている。

この記事「仕事をする意欲、他人の下で働くストレス、退職したシニアは耐えられるか?」のポイントは、

  • もし、何らかの事情で会社組織に再就職して給与をもらう状況になったら、本当に働き続けられるか自信が100%ない
  • シニアの再就職は、自分のやり方が通らない仕事の運び方と気心がしれない同僚たちとストレスを感じながら我慢して働くことになる。
  • 「背に腹は代えられない」再就職をするシニアならば、万が一の時の生活設計を事前に考えて置く事が必須だ。