高級なカフェや食事処に多くの老人客を見かけるのはなぜ? - 定年退職後の高齢者の仕事、雇用、健康

50歳代の頃、高級なカフェや食事処で雑談や食事をしている老人たち(多くは女性)を見かけて疑問を持った。お金持ちの老人が多いのかなあ?とずっと思っていた。

62歳になってこの「なぜ?」の回答が見え始めた。

色々な人生経験をして来て衣食住も満たされ始めると日常生活でお金をたくさん使うことが少なくなる。個人差はあるが、若者たちと比較して高齢者たちには、アレもこれも欲しいという欲求が生まれない。お金の使い方の問題かもしれないが、歳を取るに従ってお金を使うタイミングと価値が失われる。

お金を気にするよりも今の時間を楽しむ!

先日、そごうデパートにある資生堂パーラーでランチをした。店内で食事をしている客層を見て高齢者の女性たちが多かった。資生堂パーラーのメニューは比較的高い。気楽に若者たちがランチをする場所ではない。店の雰囲気も若者層よりもシニア層をターゲットにしている。落ち着いた雰囲気のお店だ。

私がなぜ資生堂パーラーでランチをしたのか?

メニューの価格ではなく、精神的な欲求からであった。落ち着いた雰囲気でゆったりと食事をしたいという欲求だ。老人の入り口に立つとお金よりも自分の時間に価値を見出すようになる。この世に生きて普通の生活が出来るうちにお金を使わないとお金の価値は見い出せない。

高齢者の女性たちが高級なカフェや食事処でおしゃべりを楽しんでいる理由がだんだんと分かってきた。彼女たちにとってゆっくりと美味しい食事が出来る場所であれば、料理の価格はさほど気にしないのだ。若い人たちはこの心理に気が付かない。単純にお金持ちの老人だからそんな高級なお店で食事やお茶をしていると思っている。

現実は、単純ではない人生の背景がある。

歳を取るに連れて高齢者の社会的活動が減少する。食事の量も少なくなり体は枯れていく。昨日出来たことが今日できないという老化現象に悩まされる。忍耐力も低下する。元気良く歩き回ることも出来なくなる。騒がしい場所よりも静かで心を落ち着かせる場所を好むようになる。物よりも精神的な欲求を満たすことにお金を使い始める。

体が健康で普通の生活が出来ているうちでないとお金の価値を味わえない!お金は、老人にとって賞味期限があるものになる。

お金を使える時に使う!そんな感覚で自分の精神的な欲求や利便性を優先すると高級なカフェや食事処でお金を使うことが多くなる。62歳になって自分の命の時間を気にしながらこれからの余生を楽しむならばどうするかを考えると高級なカフェや食事処で雑談をしながら食事を楽しんでいる高齢者がいる理由を理解できるようになる。