老人向け介護支援ロボットは今期待できるのか? - 定年退職後の高齢者の仕事、雇用、健康

2017年国際ロボット展(東京ビックサイト)に行ってきた。日本はロボット技術で進んでいると言われるのでどれほど進んでいるのか確認するために行った。海外からの訪問者も多かった。半日国際ロボット展のブースを歩き回った。すごい人だかりであった。

私が期待したロボットは、孤独なシニアの話し相手になってくれるロボット、身の回りを支援してくるロボット、シニアの健康状態を管理してくれるロボットである。

期待に反して、・・・

民生ロボットよりも産業ロボット

国際ロボット展で民生ロボットブーススペースが6分の1しかなかった!

殆どの展示スペースは、産業用ロボットの展示になっていた。2017年のロボット技術は、まだ、生産ラインの自動化でロボットを多目的に使えるかどうかに絞り込まれている。サイエンスフィクションに登場するロボットとはイメージが違う。人間型のロボットは、産業用ロボットとして生まれていなかった。

産業用ロボットは、生産ラインに適した形状で生産するものに都合の良い形で移動ができない。プログラムで決まった動きを繰り返す。とても知能を感じるロボットと言えない物である。

産業用ロボットに展示製品が集中するのは、人手不足、人件費の高騰、労働の生産性向上という点で工場での自動化がまだ進んでいないからだ。日本の工場で使われているロボットは、高価である。大手企業しか導入が難しい。大量生産が前提であるため少量生産に向いていない。

本来は、中小企業が導入できる産業用ロボットが求められるのだが、それでも投資対効果が良くない。応用が利かないロボットで少量生産に向いていない。多目的用途に使える産業用ロボットが今の時代に一番求められている。

民生用ロボットのブースを見たのだが、AIスピーカーの音声認識技術を応用したおもちゃロボット程度のレベルだ。孤独な老人に話し相手を提供するような民生ロボットは生まれていない。自然な会話でお喋りが弾むような人工知能も搭載されていない。特に目立ったロボット技術応用製品は、重い物を持ち上げるロボットスーツ製品であった。重い荷物の持ち上げや介護の作業を支援する用途であった。

老人を支援するロボットは、現時点で生まれてきていない。歩行支援機器分野でハイブリット自転車のような電氣モーターを使った歩行支援機器があった。上り坂、下り坂の時にモーターを使って老人の歩行を助ける仕組みだ。電動車いすも展示されていたが、駆動時間が4時間と短い。とても、実用レベルではない。

移動できるロボットの問題は、動力エネルギーとセンサー、そして、人工知能にある。センサーの分野は進んでいるがバッテリー技術が遅れているため動く時間が短すぎる。人工知能技術もまだ赤ちゃん程度の能力しかない感じだ。ロボットを老人支援に使う時代は、この10年から20年のうちに遣ってくるかもしれないが私が生きている時間内には無理だろう。私たちの子供が老人になる時代に花が咲くと思っている。

少なくとも私が80歳代になった頃に健康管理支援ロボットが家庭に入っていれば最高だと思う。国際ロボット展の展示スペースのほとんどが民生用ロボットブースに占められ始めたらロボット全盛の時代がやって来る。

今の老人は、残念ながらロボット技術による恩恵を享受するのは難しいというのが今回の印象だ。

 

この記事「老人とロボット」のポイントは、

  • 民生用ロボットよりも産業用ロボットに集中している
  • 多目的用途ロボット技術に関心が集中している
  • 老人を支援するロボット技術はまだ生まれていない