Low Cost Carrier(LCC)の登場で空の旅が格安になった。東南アジアに旅行するときに驚くべき金額でいけてしまう。ただ、安さ=快適さと利便性が悪いと言うトレードオフが発生する。それでも安い空の旅を選ぶ人が多い。関西国際空港を定点観察して今回のドキュメント72時間は、空港を出入りする人たちの人間模様をドキュメントしている。

LCCを使うならば短時間の空の旅

米国で仕事をしていたとき、米国国内を出張するときは必ず飛行機になる。距離があるので自動車では行けない場所が多い。西部から東部への移動は飛行機しかない。飛行機=バスのような感覚だ。

日本は、高速鉄道網が完備されている。飛行機よりも鉄道の方が便利な場合が多い。LCCが登場する前までは、コスト的に鉄道の方が安かった。今ならば、LCCを使って国内旅行をすると時間とコストでプラス面が多い。

ただ、

LCCは色々な面で余裕を持った旅行計画をしないとかえって不便と余分なコストが発生してしまう。時間が厳守され置いてきぼりにされるリスクが高い。手荷物の重量制限が厳しい上に料金が発生する。大勢の人が殺到する。日ごとに価格が変わる。色々と気になる点が多い。

私自身は、LCCを使いたいとは思っていない。

その理由は、飛行機の安全性だ。頻繁に離発着する飛行機の整備はどうなんだろうか。一般の飛行機の離発着よりも多いと言うことは、それだけ機体の負担は大きくなる。それにあわした整備がなされているのか?それが疑問である。コストよりも安心と安全を選べるならば、私は安心と安全を選ぶ。

ドキュメント72時間「格安航空 眠らない空港で」で登場した人たちは、それぞれの事情を抱えて利用している。共通していることは、格安であると言うことだ。今までは時間とコストの面で仙台にいけなかった女性が大阪から短時間に格安で実家の両親に会いに行けるようになった。

飛行料金が安くなることで会えない人に会える機会が増える、行けなかった場所に家族で行けるようになる、良い面が沢山生まれる。一方で、安くなった分だけ快適さを失う。それさえ我慢できれば、今後も利用する人は増えるだろう。

鉄道にしても飛行機にしても人の行き交いには、人生ドラマが伴う。色々な目的で遠方に行く。短時間で低コストで遠方に行ける交通手段が生まれる度に出来なかったことが出来るようになる。

関西国際空港からオーストラリアのケアンズ、ゴールドコースト、シドニーなどに行けるが長時間かかる。LCCで長時間の空の旅は、しんどい。安さのコストを体で耐えなければならない。とは言え、どうしても安くないと行けないという人たちもいるだろう。こればかりは、個人の判断だ。

シンガポールやクアランプールを中心に近隣諸国に短時間に格安に行けるのがLCCの最大のメリットだ。東南アジアには、快適な鉄道網はない。ゆっくり鉄道の旅を楽しみたい人は良いのだが単純に早く行きたい人は空の旅が最適だ。

LCCの最大のディメリットは、機体の整備不良による事故だ。利益薄な運行が多い。乗せる人を多くして頻繁に飛行しないとビジネスとして成り立たない。いたる箇所でコスト削減をしている。機体整備でもコスト削減がされていると危ない。私はそのリスクを取りたくない。

飛行機事故は、自動車事故よりも発生する確率は低い。だから、安全だという人がいる。そうかもしれないが、命は一つしかない。