60歳はシニアの入り口だ。60歳の声を聞くと周りの目が変わってくる。社会での取り扱いも老人として分類され始める。会社で働くことも出来なくなる場合が多い。第二のキャリアを準備しろと会社は言い続けてきたが、何を職業にしたら良いか定まらない。そんな60歳代が大勢いる。

シニアの関心ごとは、定年退職後の生活設計である。60歳から65歳まで再雇用で働けてもその先は自分たちでどの様な老後の生活を送るかを考えねばならない。

老後の生活は頭で考えた絵のようには行かない。義父は昨日介護付き有料老人ホームに入居した。自分から老人ホームで生活したいと言い出したからだ。それにはそれなりの理由があった。

老後の生活は人それぞれ違う世界

65歳まで会社で雇用が確保されるならば、老後の生活を計画する時間が5年間ある。この5年間に65歳以降の身の振り方を決めなければならない!生きられる寿命が延びているので生き延びるための対策を準備する必要がある。

老後の生活は違う

長年会社勤めをしてくると組織に縛られる生活が嫌になる。自由な時間を持ちたいと夢見る。国民年金と厚生年金で日々の生活が十分出来るならば、働き続ける必要は無いと思う。一方で、年金だけではとても生活が回らないと判断したシニアは年金プラス月額10万円以上の所得を得る新しい仕事を探す。二者選択で老後の生活は変わる。

老後の生活は自分で決めるしかない。会社はもうあなたの人生を導いてくれない。老人の世界は、知らない世界である。多くの老人にどのような老後を送っているか聞く機会があった。返答は人それぞれ違うため自分の老後生活に参考になる物ではなかった。

正解が無い老後の世界

自分の老後の生活は自分で考えて決める。誰も正解を持っていない。若いときのように世間が路線を引いて置いてくれない。本や雑誌では著名な方々が老後の生活について持論を述べている。読んでいて的外れな感じがする時も只ある。自分が住んでいる世界とは違う世界で生活をしている人達だからだ。

私は自営業者として他界するまで働くという決断をしている。好きな仕事をしてお金を自分で稼ぐ喜びを味わいたい。稼いだお金で余裕がある老後の生活を楽しみたいと思っている。沢山のお金は要らない。老後の生活に余裕をもたらす程度で良い。

老人が働くには体力勝負の仕事を選ばないことである。専門的な知識、技術、経験値で頭脳を使ったサービスを提供する仕事が一番良い。今は、その延長線で自営業を営んでいる。好きな専門分野の仕事を生活のコアにする。コアを中心に生活のリズムを作って行く。

これが老後の生活であるという指南書はない。人生は自分で決めて楽しむためにある。65歳を過ぎると会社の縛りから開放される。自分は何をして人生を楽しみたいのかを定めて余生をそれに投入する。何に価値を置くかを考えて生活をすることになる。

一人よりも二人、夫婦で老後を楽しむ!

老後の生活は夫婦で一緒にいる時間を最優先する生活を描いてみる。いつまで一緒に生活が出来るか分からないからだ。いつ、あの世からお呼びがかかるか分からない。生活スタイルは、会社で仕事をする段階から家庭で妻と一緒にシニアの新生活を送る段階に移る。

老人になると新しい友達が作りにくい。古い友達は一人一人この世を去って行く。最後は、どうしても一人だ。家内がいれば、家内が良き友人であり愛人である。自分のことを一番理解している。空気のような存在だ。あうんの呼吸で何事も事が進む。

二人で楽しむことを考えれば老後の生活は面白くなる。一人でいる時間と夫婦でいる時間をお互いに了解していれば、窮屈な生活にならない。一番いけない事は夫が妻の生活に入り込もうとすることである。妻の生活ルーチンを侵害しない自分の老後生活を考える。

私達夫婦は一緒に楽しむ時間を週末に設定している。土日のどちらかをドライブ休日にしている。お弁当やお菓子を持参して訪問したことがない公園に出かける。歩き回りながら足腰を鍛え、疲れたら公園のベンチに座り、お菓子を食べながら自然を楽しむ。

ベンチに座っていると色々な話題が飛び出してくる。夫婦でおしゃべりしながらお互いを理解し合う。自宅ではあまり話さなくても公園のベンチに座りお菓子を食べながらいると自然とおしゃべりの花が咲く。

義両親のどちらかが介護される状態になった時点で老後の生活が変わる

妻の母親は85歳の時に自宅で転倒して入院し、その後、老健施設でリハビリの生活が続いている。自宅では義父が一人生活を始める。その時点から私達夫婦の義父への介護支援が始まる。妻の両親なのだが、妻だけに介護をさせるのは無理がある。一人で介護するよりも二人のほうが負担を2分できる。

夫婦の間でかわされる話題は義両親の介護が多くなる。義母は老健施設にお任せで安心だが、義父は自宅で一人生活なので何かと心配ことが多くなる。そんな義父が自宅での一人生活に耐えきれなくなった。一人で生活するための体力に自信を持てなくなったからだ。

私達夫婦は家内の両親の介護で4年間費やした。義父が老人ホームに入りたいと言ってくれたので私達夫婦による介護支援生活は昨日終わった。今までは週に一度1泊2日で義父の家に泊まり込みで介護支援をしていた。私の仕事はインターネットでできるのだが、義父の介護支援中は仕事ができない。

義母が老健施設生活、義父が老人ホーム生活になった今、やっと夫婦二人で長期の旅行ができる時間を持てたのだが、コロナ禍で旅行もできない。義両親の介護問題が解決したら、今度は家内の実家が空き家になるのでその問題を解決しなければならない。

実家はこれから私達夫婦の別荘、子どもたちのリモートオフィスとして活用されることになる。

結論

老後の生活を楽しむには、2つのことが満たされないと楽しめない!

  1. 健康で普通の生活が維持出来ていること
  2. 一緒に残りの人生を楽しむ相手がいること
  3. お金は頭と専門分野で稼げれば生活に余裕が生まれる

両親の介護支援が始まると老後の生活は一変する。自分たちの生活が両親の介護支援で犠牲になる。老健施設や老人ホームに入れば、介護負担は面会訪問だけになり楽になる。夫婦二人で老後の人生を自由に楽しめる時間は限られる。