免疫力の低下が筋肉の量につながっているとは、知らなかった!

筋肉が減ると免疫機能が低下し、肺炎などにかかる人が多いことも報告されています。厚生労働省研究班の報告(2015年2月)では、筋肉量の少ない高齢の男性は、多い男性に比べて死亡率が約2倍になるとの調査結果がまとめられています。(引用先 NHK健康チャンネル

私の義父94歳はまだ一人で自宅生活をしている。掃除や洗濯、買い物などは週に1回私達夫婦が訪問して介護支援をしている。彼の足は、歩くのがやっと。杖や歩行器がないと外出もままならない状態である。先程、家内から連絡があった。今朝、義父が新聞を取りに新聞受けがある外に出たら、急に脱力して起き上がれなくなり通りがかりの人に助けてもらったという。サルコペニアになってしまったのかもしれない。

高齢者はサルコペニア状態になりやすい(筋トレをしていない老人)

私が50歳代の頃、なぜ老人は歩くのが遅くなるのか理解できなかった。60歳を過ぎた頃、自分の体に老化現象が出てきて色々と調べてみたら筋肉量が60歳代から急激に減少するという事実を知った。特に足の筋肉がその影響を受けて歩くのが遅くなったり、杖や歩行器無しで歩けなくなったりする。

94歳の義父は椅子から立ち上がることも苦労している。その姿を見るといつ立ち上がれなくなるか時間の問題で心配している。

サルコペニアとは

65歳以上の高齢者が対象で「筋肉量の低下、筋力の衰え、身体的な機能障害などが加齢や生活習慣などの影響によって起きてしまう状態」である。

94歳の義父は明らかにサルコペニア状態にあると私は思っている。本来ならば、老人ホームで生活していても良い年齢なのだが、彼の希望で自宅で一人生活を続けている。88歳の義母は老健施設でリハビリ生活を送っている。彼女もサルコペニア状態になっている。歩行器がないと移動が出来ない。

サルコペニアは65歳以上の高齢者に多く、特に75歳以上になると急に増えてきます。サルコペニアになると、「歩く速度が低下する」「転倒・骨折のリスクが増加する」「着替えや入浴などの日常生活の動作が困難になる」「死亡率が上昇する」など、さまざまな影響が出てきます。(引用先 NHK健康チャンネル

筋肉量の減少が免疫力を弱める

老人になると体がやせ細ってくる人が多くなる。太っていても筋肉ではなく脂肪で太っている。筋肉が減って脂肪が増えると自分の体を自由に動かすことが難しくなる。高齢者ほど筋肉がないと老後の生活を問題なく過ごすことが出来なくなる。

病気になると私達の体は筋肉を分解してアミノ酸「グルタミン」を排出する。グルタミンは、免疫細胞の一種であるリンパ球を増やす。その結果、体の免疫力が高まり病原菌を退治することが出来る。筋肉の量が少ないと免疫細胞を増やすことが弱まり、病原菌を抑えることが出来なくなる。

筋肉の量が60歳を過ぎると急激に減少する。筋肉の量が少ないシニアであると病気になった時に免疫細胞を増やすことが難しくなる。筋肉を増やす運動をしていないシニアは年齢とともに筋力の低下で歩行が難しくなる。同時に体の免疫力も弱まる。

筋肉は健康寿命に強く関連している。普通の生活を続けるには、自由に体を動かす筋力を維持する必要がある。

自宅で普通の生活を続けたい高齢者は何をすべきか!

高齢者は定期的に筋トレをする必要がある。体の筋肉の量を増やす運動は免疫力を強めるので重要である。スポーツセンターで多くのシニアを見かけるのはこんな理由ではないか。老いても普通の生活が出来る体を維持したいという願望である。

歩くのが面倒、体を動かすのが苦痛、食欲が減った、歩くとすぐに疲れるなどの症状があるシニアは、毎日10分でも1時間でも良いので筋トレをすることである。自分一人で始めることが出来ない人は、スポーツジムに入会してパーソナルトレーナーの指導を受けることをお勧めする。

筋肉が脂肪に取って代わったと思っているシニアは、定期的な運動で脂肪を筋肉に変える努力をする。筋肉の量が増えると健康寿命が伸び、免疫力も強化される。

結論:

筋肉が減ると免疫機能が低下して肺炎や感染症、糖尿病などさまざまな病気になる危険性が高まる。加齢から来る老人の筋肉量の減少はそのまま免疫力の低下につながる。筋肉の低下を防ぐには、筋トレを定期的に行うしかない。60歳を過ぎたら筋トレは必須になる。長生きをしたい人、老後に不自由な生活をしたくない高齢者は筋トレを生活の一部にする必要がある。