会社から給与を頂いて生きて来た会社員。リストラや定年退職で会社員生活を終わるとどのような人生が待っているのだろうか最終的に出来ることをするしかないのは分かっているのだが、頭の中は真っ白状態になる。

定年後、リストラ後の生活でやるべき事

自営業の生活を続けている人たちにとって自活は当たり前の生活。給与が自動的に会社から銀行口座に振り込まれる生活をしてきた元会社員にとっては大変な変化になる。早く自活が出来るようマインドを前向きにする必要がある。

失業手当を当てにして遊んでしまうとビジネス感覚が薄れて行く。次の仕事に就くまでのブランク期間を出来るだけ短くすることが再就職の可能性を高める。多くの定年退職者は直ぐに仕事を探さないで1年間ぐらい好きなことをして遊ぶ。これはこれで意味があるのだが、再就職先を探す上ではマイナスである。

以前の会社での人脈やつながりが時間の経過とともに古くなっていくからだ。元同僚や部下の支援を頼み難くなる。再就職先探しでは「鉄は熱いうちに打て」が鉄則になる。

仕事探しと年齢別老後の生活

最初に思うことは別の会社に再就職するという考え方である。失業手当が退職後六ヶ月後に支給され、1年間は再就職先探しに時間を投入できるのだが、世の中は60歳以上の人材に手厳しい。直ぐに見つかる会社はブラック企業か、3K企業か、誰にでもできる肉体労働者を求める会社である。決して、求めている仕事ではないという最初の洗礼になる。

友人、知人の紹介が一番

知人がリストラをされて上記のような体験を味わっている。再就職は難しい。正攻法での就職アプローチでは決して上手く行かない。一番確実なのは知人を経由して受け入れてくれそうな会社を紹介していただくことである。この時点でどれだけ人的なネットワークを有しているか問われる。

多くの人は再就職を諦めて自分で何が出来るかを考え始め、起業の道を探り始める。これが自営業の道である。誰にでもできるというものではない。多くの人が何をビジネスにすれば良いかを探し求める。安易な人は他人が作ったビジネスの仕組みに乗ってしまう。フランチャイズのビジネスで先行投資をして上手く行かないという失敗体験をする。

他人が作ったビジネスアイデアを当てにしない

安易なビジネスの道(他人が考え出したビジネスに乗る道)は99%以上の失敗をもたらす。ビジネスは簡単ではないということだ。できるだけ、自分の得意が生きるビジネスモデルで起業をすることが一番である

シニアの人にとって起業しか選択は残っていないのが現実。誰もが最終的にこの道に押し込まれる。それが早いか、遅いかの違いだけである。60歳、65歳前に自営業を開始した方々の話を聞くことが第一歩になる。「経験者は語る」である。

起業できても成功するという保証はないし、成功しても突然失敗する場合が多い。時間と運命と世の中の動きで色々と老後の人生が変わる。起業すると一寸先は闇の世界で仕事をすることになる。将来への不安はいつも身近な友になる。そんな覚悟がないと60歳以後の老後は安心できない。

ビジネスチャンスは今自分の生活で困っていることを解決する方法を見つけることで見つかる。自営を始めた方の多くは自分が困っていたことを解決するサービスでチャンスを得ている。

私の事例:どのようにしてビジネスチャンスを見つけたのか!

私は51歳の時にゴヤット合同会社を設立して独立した。独立した時のビジネスモデルは法人向けポータルサイト構築サービスである。その当時、法人向けポータルサイト構築はウエブデザイナーが出来るようなホームページではなかったためシステム構築になる。そのため、時間と工数がかかり高価になる。最低でも300万円から始まる。

私はポータルサイト構築サービスを100万円前後の価格で始めた。システムはJoomlaという世界的に広まっていたオープンソースCMSである。オープンソースであるためライセンス費用が発生しない。その分だけコストを下げられた。Joomlaを独学で学んで独立のための準備をした。

Joomla CMSの出会いは自分のホームページをIBMホームページビルダーで作っていた時である。1ページ作成するのに1時間から2時間かかっていた。ホームページ制作は簡単ではなかった。Joomla CMSを使うと嘘のように簡単にページ作成が出来たのがビジネスのヒントになった。

自社のホームページ制作で困っていた法人がたくさんあったのでJoomla CMSを使えばそのニーズを満たせると感じたのだ。自分が困っていた事を解決することでビジネスチャンスが生まれたのである。

経済的理由でやりたくない仕事を再就職先の会社で始める人は忍耐力との勝負になる

職に有り付ける事を最優先するシニアは仕事内容に文句を言えない。また会社員になれば自動的に給与が支払われる。自分で苦労せずにお金が会社から支払わされる環境に入れる。安心と安定が得られる。問題はやりたくない仕事であればあるほどストレスがある。仕事と人間関係、会社風土に慣れるまで精神的な負担は大きい。

60歳で再就職できても65歳でまた会社を卒業することになる。また振出しに戻る。再就職は決して安住の地を保証しない。時間を先延ばししただけである。65歳以降も再就職先を探そうとするが、見つかるのはパートやアルバイトの仕事ぐらいである。それで我慢するしかないのが現実。

老後の生活を年齢別にイメージしておくと助かる

60歳、65歳、70歳で仕事内容や生活環境が変わって行く。いつまで働くかをまず決めることである。働くことを辞めた後の生活リズムを今から考えておくと精神的な安心感が生まれる。色々と準備が出来るからだ。

<60歳から65歳まで>

再就職先の会社が見つかる可能性は高い。年金支給の年齢まで会社の庇護の下で生活が保障される。会社から給与が支給されているうちに65歳以降の仕事をどうするか真剣に計画し、基盤を作る必要がある。再就職先で新しいスキルを学べるならば幸い。学べなければ週末に副業をやってみる。インターネットビジネスは夜と週末で展開が可能である。

再就職できたからと言って気を緩めてはいけない。再就職が出来なかったシニアは65歳以降でお金を稼ぐためのスキルをパートやアルバイト先で身に付けることである。新しい仕事環境から何か学べるはずである。働きながらビジネスチャンスを見つける努力をする。

<65歳から70歳まで>

65歳は年金支給年齢である。会社側は強制的に卒業させることになる。再々雇用になるチャンスは特別なスキルや専門知識がないと難しい。65歳は自活の道しか残らない。パートやアルバイトの生活で新しい生活のリズムを作ることになる。シニア起業が出来れば、そのチャンスを生かす。60歳代はまだ若いので働く意欲さえあればお金が稼げる。

ポイントは70歳以降の生活をどのようにしたいかである。働きながら70歳以降のライフスタイルを考える必要がある。イメージさえできればそれが働く目標になる。70歳以降も仕事をしたいならば、その方法と準備をすることになる。仕事を辞めて好きなことで老後を過ごしたいならば、日中8時間を埋める活動を決めて準備することである。

<70歳以降>

70歳の声を聞くと多くのシニアは暇な時間を多く持つようになる。老化で体力の衰えを肌で感じ、免疫力が落ちるため病気にかかるリスクが増える。健康維持を強く意識し始め、運動と食生活に注意し始める。働くにしても好きなことをやるにしても健康を維持できていないと始まらない。

定期的に体を動かす活動があれば体力の衰えを防ぐ効果がある。自宅にこもってテレビを見ている時間が増えれば確実に足の筋肉が失われる。使わない筋肉は自然に失われていく年齢であるからだ。70歳から80歳の10年間は健康との戦いになる。健康寿命を延ばし長生きをしたいならば、体の筋肉を失わない活動を続けることである。

70歳以降もパートやアルバイトが続けられるならばそれが一番良い。体を使いながら精神的に社会とのつながりが維持できる。暇な時間で苦しむ必要がなくなる。働く機会がないならば、NPO団体、ボランティア団体などでやれることをやることである。外出して何らかの活動を定期的に行う習慣が健康寿命を延ばす。

結論

60歳以降の生活は年齢別に変化して行く。60歳から65歳までは再就職できる機会が多い。働きながら65歳以降の仕事をどうするかを計画する。新しいスキルを身に付けるか、副業の準備をすることである。65歳以降は年金支給で生活を安定させてパートやアルバイトで社会とのつながりを維持する。70歳以降は体を定期的に動かす活動をする。老化で体の筋肉量を失いや免疫力が落ちる。健康維持を優先しながら新しい生活のリズムを築く。