高齢者人口の統計(2020年総務省)で年齢階級別に見ると、

▼70歳以上人口は2791万人で、総人口の22.2%(前年推計に比べて78万人増・0.7ポイント上昇)

▼75歳以上人口は1871万人で、総人口の14.9%(同24万人増・0.2ポイント上昇)

▼80歳以上人口は1160万人で、総人口の9.2%(同36万人増・0.3ポイント上昇)

▼85歳以上人口は618万人で、総人口の4.9%(同27万人・0.2ポイント上昇)

▼90歳以上人口は244万人で、総人口の1.9%(同13万人増・0.1ポイント上昇)

▼95歳以上人口は60万人で、総人口の0.5%(同5万人増・0.1ポイント上昇)

▼100歳以上人口は8万人で、総人口の0.1%(同1万人増・0.0ポイント上昇)―となっています

(数値引用:GemMed

65歳以上の高齢者数は3617万人で、総人口に占める割合は28.7%になる。高齢化が進んでいるが全員が普通の生活が出来ているわけではない。自宅介護、老人ホームなどのお世話になっている場合が多い。元気な老人でも経済的に困っていたり、孤独な生活をしていたり、病気で苦しんでいたりする。

長生きが出来れば幸せであると単純に判断できない。シニアは貧困、孤立、健康面で問題を抱えている。年金で生活が出来ないために生活保護を受ける老人が多い。働きたくても80歳を過ぎた老人は雇用対象外である。病気で働けない体ならば一人寂しく自宅でじっとしているしかない。

「長生きすれば良い」という常識はもう成り立たない。長生きは人生のリスクになっている。

下流老人・シニアは貧困、孤立、健康で問題を抱えている

約1160万の人が80歳以上の高齢者になる日本。そのうち健康で普通の生活が出来ている人はどれぐらいになるのだろうか。健康で普通の生活が出来るか、出来ないかで社会負担は変る。

多くのシニアは裕福と言われているが、実態は分からない。分かるのは、厚生労働省『令和2年度被保護者調査』によると、生活保護を受けている被保護人員は202万6,730人で、そのうち65歳以上は105万4,581人。全体の52%が高齢者である。

裕福と言われている高齢者たちが赤字の生活を長くしているうちに金銭的に回らなくなってしまったと言うことではないか。長寿になる高齢者の生活は、基本的に赤字の家計である。貯蓄や資産を取り崩して生活が成り立っている。国民年金だけでは生活が出来ない高齢者が大勢いる。

長生きが美徳ではない時代

貧困からくる生活難民、親族、家族、知人や友人を失うことから来る孤立難民、老いから来る健康難民。高齢者は、貧困、孤立、そして、健康の問題に直面する。健康であれば、自分で何かが出来る。体が動かなくなってからでは死を待つのみだ。長生きが美徳と言われた時代が、長生きは社会負担と言われる時代に入り始めた。

これからのシニアの生活の優先順位は、

  1. 普通の生活が出来る健康
  2. 生活の足しになるお金作り
  3. 仲間作り

この3つを意識しながらこれからの生活設計を立てる必要がある。こんな事は、もう、分かっているという人がいるだろう。でも、何も出来ていない。

これが現実ではないか。生活の足しになるお金作りをするには、健康な体とお金を稼ぐという意識がないと始まらない。今までの年金生活だけで満足しない飽くなき欲望が必要になる。仕事を外に求めても80歳の老人を雇ってくれる会社はないに等しい。最初から外に求めるのは無理だ。

貧困にならないシニアになるには

まだ体が言うことをきく人であれば(別に80歳である必要は無い)、知的労働でお金を稼ぐという道を目指してはどうだろうか。インターネットで情報を探せば、面白い仕事が見つかる。クラウドソーシングで自分の過去の技術や知識を売り込んで小銭を稼ぐという方法がある。クラウドソーシングで検索をしてみればすぐにどんな仕事かが分かる。

高齢者には時間がある。時間を味方にするには頭で稼ぐ方法をまず探すことである。当然、色々な制約条件があるだろうが。少なくともインターネットを使えるぐらいの知識が必要になる。分からなければ、自分で学ぶしかない。時間がそれを可能にしてくれる。NPO団体でインターネットについて教えてくれるからまずそこから始めると良い。

高齢者になってもお金を稼げる能力を身に付けられれば、下流老人にならない!体力では若者たちに劣るが、知力や知恵で勝負ができる。自分に自信を持って他人に教えることや助言できる専門分野があれば、その線を追求すると良い。専門性は、どれだけその分野で知識や経験を積んできたかだ。

自分が所有する知的財産(知識、経験、知恵など)を活用できるビジネスを考え、そのサービスに商品価値があるかどうかを実験する。

金融資産を取り崩さない生活

貯めた金融資産を取り崩す生活は、確実に下流老人の世界に入っていく。年寄りでも知恵を使えば、お金を1円でも稼げる。頭を鍛えよう。色々な試行錯誤をやろう。最初から上手く行かない。失敗は当たり前。追い続けているといつか成功する。老人は時間を味方にしている。

年金収入では足りない出費を如何にして稼ぐか。普通の生活ができる体力と元気があるならばこんな小遣い稼ぎができる。生活費の足しになることは確かである。

  1. チラシ広告の投げ込みアルバイト
  2. ファストフード店舗の清掃
  3. 保育園、幼稚園の送迎バスの添乗員

自分が住んでいる地域独特のニーズが有る。地域住民でないと出来ない仕事もある。近くのスーパーマーケットの掲示板に張り出された求人を見てみる。

結論

下流老人にならないためには何をすれば良いのか。健康とお金稼ぎがキーワードになる。普通の生活ができる健康と体力があれば、小遣い稼ぎのアルバイトができる。年金収入で足りない生活費をアルバイトで稼げる。貯蓄を切り崩して暮らすシニアは貧困への入り口に立つ。十分な金融資産があれば別であるが、多くは資産がない。

健康とお金がないと自由な活動が出来なくなる。孤立した生活になりがちなシニアは自分でアクションを起こす活動をしていない。健康であれば、お金稼ぎも孤立もなんとかなる。