変化が激しい時代は会社の浮き沈みも激しくなる。それに連なって社員のリストラや転職が激しくなる。今までのリストラは中高年が中心であったが、最近では年齢に関係なくリストラして行く。救いは多くの会社が副業を許し始めていることである。
会社員が生きて行くためには一つの会社だけでしか使われないスキルや経験ではなく、他の会社や業界でも応用できるスキルや経験が物を言う。突然のリストラ宣告があっても自分が持っているスキルが他の会社や業界で生きるという自信さえあれば救われる。
会社員の自己防衛は自分のスキルや経験を応用して他の分野や業界で仕事が出来るようにすることである。そのためには今のスキルと知識で他の環境で仕事をする経験が必要になる。副業が許される会社で働いているならば、副業に挑戦すべきである。
定年退職を迎えるシニア会社員は会社に頼らない生活の手段を今から準備する必要がある。会社の都合で継続雇用が出来ても70歳まで。70歳以降は完全に会社から去ることになる。年金収入以外にお金を稼ぐ手段を持たないと不安になる。
リストラされた会社員と同様にお金を稼ぐ手段を自分で用意しないと何事も始まらない。転職ができる年齢や業界も限られる。制約された世界で仕事を探すよりも自分がやりたい世界で仕事を始めたほうが良い。生活の自己防衛は他人に頼るよりも自分に頼ったほうが安心である。
問題は会社員は会社に頼って生活をしてきたので自分に頼って生活する経験がない。そのため、雇用されるという選択肢の中だけで物事を考えてしまう。この世の中は雇用する経営者と雇用される従業員がいる。一度、雇用する経営者になってみることだ。副業で自分のビジネスを始めてみればどのような世界かを垣間見れる。
一人で仕事をしている日が続くと、ある時、「今日は一言も喋っていなかったなあ!」と気がつくことがある。仕事が忙しかったり、何かに打ち込んでいる時は集中しているので他のことが頭にない。暇な時に、今日は人との会話がなかったなあと気がつく。
私の仕事は、時間と場所に制約されない。そのため、仕事がしやすいCafe(Starbucks)でインターネットビジネスをしている。周りには同じような感じの人たちがインターネットにつなげて何やらやっている。パソコンと睨めっこの人たちは、私と同様静かに仕事をしている。会話はほとんど無い。一人だからだ。
一人で仕事をしていると孤独感を味わう。孤独感を味わい始めたらどうすれば良いか。孤独を感じて自宅にこもっているシニアがたくさんいる。1日に1回会話が誰かとあるだけで気分が変わる。孤独を感じ始めたら、あなたはどうする?
私が住む集合マンションは560世帯ある。建築されてもう30年が経過する。昨年から今月まで管理組合の監査をやっていた。理事のメンバーを見て、皆歳老いてきていると感じた。私がマンションを購入した年齢は38歳だった。マンションの価格が下げ止まりと言われていたが下げ続いた。
でも、タイミング的にその時しかなかった。多くのマンション購入者は30代後半から40代前半であった。今、私を含めて住民の年齢が60歳を越えている。これから住民の老齢化による問題が集合マンションで増えてくる。老化は住民だけでなく集合マンションにも発生する。具体的にどんな問題が発生するのか?
昨夜は夏野菜カレーを家内が作ってくれた。すごく美味しかった。明日の朝もそのカレーが食べれるのが更に嬉しかった。夏のカレーは腐りやすい。そのことを家内に言ったら、腐らないように冷蔵庫で保存していますという答えが返って来た。
私の知識では、温かいカレーをゆっくりと室温で冷ますとウェルシュ菌が増殖しやすい。温かいカレーが入った鍋を水道で冷やすことでウエルシュ菌が増殖する最適温度30~40度前後を急激に下げることが出来る。カレーの温度が室温より下がり、冷蔵庫に入れても温度が上昇しない状態にする。
この知識を家内に話したら、「あなたは神経質過ぎる!!」とカンカンになって怒られた。料理を作る妻がいると旦那は食べるのに困らない。ただ、あまり苦言は言えない。
NPOクラブで活動しているシニア男性がいる。妻が先に他界してひとり暮らしをしているシニア男性も多い。彼らが生活で困ることは料理である。私のように妻の料理に依存しているシニア男性は妻が他界すると料理で困る。出来るならば、妻が元気なうちに料理を学ぶ必要がある。朝食やランチなどは簡単に済ませることが出来るが、夕食はちゃんとしたおかずを作らないと食生活が楽しくない。
自分の人生が定年退職で一区切りする。子供頃から一般的な戦後の出世街道の線路:良い小学校、中学校、高校、大学を出て一流大企業に就職という路線を走らせられた。これが一般的な人生だとは思わない。これは一つの人生である。このような路線を走らないで自分独自の人生を送っているシニアは多い。
定年退職を迎えたシニアは、今までの人生をリセットする機会を得る。今までと類似の人生を送ることは年齢的に難しい。シニアは、年齢にあった老後の生活を自分で作らねばならない。誰かが事前に線路を引いてそこを走りなさいと言ってくれない。
65歳まで再雇用されてもその先には今と同じ問題が待っている。第二の人生は自分で作らねばならない。(故)松下幸之助氏が人生は90%の運命と10%の努力であると言っている。
定年退職がある人生を送ってきたシニアはそれが運命であり、その後は10%の努力で自分の老後を開拓するしかない。余生を攻めの人生にするか、守りの人生にするかは自分次第である。この世で生きる時間は限られている。この世を去る前に悔いがないことをやっておくべきである。
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