「人生100年」という言葉が新聞記事、雑誌記事、ニュースで広く伝わっている。100歳まで生きている老人が現在6万6000人弱いる。全員が普通の生活を送っている老人たちではない。生きているという物差しでカウントした人数である。

本当に普通の生活が自分でできている100歳以上の老人は少ないと思う。多くの老人は、80歳を過ぎた頃から他人の手を借りないと普通の生活を維持できなくなってしまう。自分の人生を計画するときに人生100年ではなく、人生80年を念頭に置くべきではないか。

人生を楽しむには、普通の生活が送れる体が必要である。健康寿命をいかに伸ばせるかが問われる。健康寿命が維持できなければ長生きする意味が薄らいてくると私は思う。老人ホームで外出も出来ない体になっていたら、つまらない。何をやるにしても他人の手に頼る生活は面白くない。

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