60歳代のシニアで健康を意識している人は、定期的な運動をしている。健康を頭の中で意識していても定期的な運動をしていないシニアは、70歳以降にその結果を体力の低下と脚力の衰えで体感する事になる。特に、足の筋力低下が酷くなる。60歳代と70歳代の体力の差は、歴然としてくる。定期的な運動をしている高齢者とそうでない高齢者では、体の動きに違いが生まれる。

スポーツジムで86歳のシニア男性とお喋りをした。彼は週2回朝早くから筋トレをするためにスポーツジムに通っている。スポーツジムは朝9時にオープンする。私はいつも9時20分頃にジムに来る。ジムに入ると彼が突然話しかけてきた。彼とは一度挨拶をした経験があるが、話らしい話はしていない。

「いつも見かけるけれど、計画だった筋トレメニューをやっているね。」と言ってきた。ええ、健康維持のためにやっているのですと答えた。年齢を聞いたら、86歳だという。その言葉に驚いた。とても86歳の老人男性には見えないほど普通のシニアに見えたからだ。彼の歩き方を見ても普通の老人の歩き方と変わらない。それ以上に力強い印象があった。

彼がいつもやっている筋トレメニューは

  1. レッグプレス(足と尻の筋肉を鍛える)
  2. ベンチプレス(上半身の胸筋と腕を鍛える)
  3. トレッドミル(負荷をかけたウォーキング)

彼が筋トレを始めたきっかけは30年ほど前に膝を痛めたのが原因。医者から筋トレを黙って続ければ治ると言われて始めたそうである。その結果、医者の言う通り、膝の痛みがなくなった。その頃には筋トレが習慣付いてしまったという。長期間筋トレを続けると86歳になっても普通の身体能力を維持できているという証明になっている。

足腰の筋肉は何もしないと自然と消えて行く。定期的な筋トレが足腰を鍛えて普通の生活を維持できる基盤を作る。老人の身体能力は歩き方に出る。

高齢者の歩き方を見れば、その人の足の筋力がどれほど低下しているかが分かる所以である。

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