60歳を過ぎると加齢と共に筋肉量が急激に落ちる。運動不足と老化が原因である。食べる物も量も老化で草食小食になっていく傾向が強い。若い頃から運動をやり続けているシニアでタンパク質を多く食べている高齢者は別である。使わなくなった筋肉が老化で筋肉の量を調整し始める。その上、筋肉を作るタンパク質の量が少なくなるためにますます筋肉が減少する。

落ちていく体重を改善するには、失われていく筋肉を増やすしか方法がない。脂肪を増やすよりも筋肉を増やすほうが健康的である。シニアの健康を向上する上でも体の筋肉量を増やすことはプラスに働く。暑い夏の日は熱中症になりやすい。体内に水分が十分にないと体に熱がこもりやすくなり熱中症になる。

筋肉は水分を最も多く貯める。人間の体は60〜70%が水分と言われる。筋肉は75%水分を蓄えられる。そのため、血液中の水分が足りなくなると筋肉にためてある水分が使われる。熱中症を防ぐには筋肉にある水分を多く貯めることで熱中症を防ぐ手段になる。

老人の体は筋肉量の損失で骨、脂肪、皮膚が目立ち始める。筋肉があれば、健康的な体型を維持できる。

やせ細って行く高齢者は筋肉を増やせば健康的な体になる

年齢に関係なく自分の健康を気遣うならば、筋肉を増やす定期的な筋肉トレーニングをする事である。同時に少なくとも1日に1回タンパク質が多い肉や魚を食べる習慣を身に付ける事である。生命エネルギーは、口から取り入れる食べ物によって生まれる。この量が少なくなると体重が減って力が出なくなる。

体重が減る高齢者、体重が増える高齢者

体重が減る時は、食事の量が減っていく生活をしている時である。筋肉を鍛えていないと脂肪ではなく筋肉が先に減少して行く。筋肉を失い始めると体型が痩せ型になっていく。特に足の筋肉が急激に減少する。その結果、歩行障害が発症する。

体重が増える時は、体のカロリー消費量が減少して余分なカロリーが脂肪となって体に累積する。筋肉量が維持されていれば、余分なカロリーを消費してくれるため脂肪があまり増えていかない。高齢者は筋肉量が減っているため、普通の食事をしても自然と体重が増えて行く。

シニアの筋肉量が減るとどうなるのか?

高齢者は、70歳から80歳の間に足を動かす筋肉に異変を覚え始める。足が重く感じ始める。長く歩く事が負担に感じ始める。今まで普通に歩いていたのになぜかある日ある時自分の足が思うように動かせなくなる現象を体験する。

私が知っている高齢者(76歳ぐらい)は誰が見ても肥満体の方である。体重が重いので体を動かす足の筋肉が耐えきれない。そのため、長く歩いたり、立っていたりするのが辛くなる。自分の体重に足の筋肉がついて行っていない。1年前にその方を見ていた時は、普通の生活が出来ていた。

1年後に突然自分の体重に耐えられなくなった。重すぎる体重に体の筋肉が悲鳴を上げ始めたからである。筋肉が加齢で失われ、自分の体重に耐えられない筋肉量になってしまった。

別の知人(75歳)は、つまずいて倒れた。足を上げる力が衰えて靴の先を引っかけてつまずいたのだ。倒れた時に手で支えようとするのだが腕の筋力も衰えているため倒れていく体を支えきれず地面に顔をぶつけてしまった。その傷で2,3日寝込む事になったという。

知らないうちに高齢者の筋肉は、確実に衰えて行く。この事実を自覚できる時には時既に遅しである。筋肉が減少する前に筋肉トレーニングをして筋肉の減少を防ぐしかない。

体の筋肉が減ると体型も変わる

高齢者の筋肉は大きな筋肉から減少していく。背中の広背筋、足の筋肉などが代表的である。筋肉の減少は、体の姿勢まで影響する。背骨が曲がって来るのは、体の筋肉が弱まってきているため。広背筋が弱体化して背筋をまっすぐに出来なくなる。意識して体の筋肉を鍛えないと使っていない筋肉から先に衰えて行ってしまう。 

筋肉は負荷をかける筋トレをする事で失われた筋肉を回復できる。ただし、若者よりも高齢者の方が時間がかかる。筋肉の再生能力も落ちてきているため。80歳代から筋肉トレーニングを始めるよりも60歳代から始めた方が失われた筋肉を回復しやすい。

体の筋肉量が減ることで皮膚が垂れ始める。体のサイズが小さくなる。街を歩いている老人の後ろ姿を見てほしい。半袖のワイシャツがカカシが着ているように見える。体のやせ細りは筋肉の損失から来ているのが分かる。

やせ細り始めたシニアは意識してタンパク質を多く取り、筋トレをすること

筋肉の再生で必要な栄養素がタンパク質である。筋肉を維持し、増やすためには意識してタンパク質を体に多く取り入れる必要がある。意識しないで食事をしていると草食傾向になる。タンパク質が少ない食事をしていると筋トレをしても筋肉の量は増えていかない

私は、今、66歳。筋肉トレーニングは、数十年前から継続的にスポーツセンターでやっている。若い頃はタンパク質を意識的取ると言う事はしなかった。自然と肉や魚を沢山食べているからである。50歳から60歳になる頃からなぜか食事が草食系になってきた。さっぱりした物が食べたくなってくる。

知らないうちに食べる肉や魚の量が少なくなっていた。60歳の還暦を迎えた時からタンパク質を意識的に取る食事に変えた。出来るだけ筋トレをした後は肉や魚を沢山食べる事にしている。筋肉を再生する時に必要十分なタンパク質を体に与えるためである。

結論

横浜の駅地下街を歩いている老人たちを眺めているとやせ細っている老人が多い。その体から力強さを感じ取れない。体がやせ細っている。体重を増やすには、たくさん食べて寝れば体重は増えるのだが脂肪だけが増えるため動きが悪くなる。

筋トレをしながら食欲を増やし、筋肉を作るタンパク質を多く取れば時間の問題で体格は改善され筋肉が体に戻ってくる。最近、老人の体に筋肉を作りやすくするプロティンのサプリメントが販売された。効果的に筋肉の材料を体に取り入れるためにプロティンサプリメントを飲むシニアが増えている。筋トレをしてタンパク質の多い食事を取らないと老人の体はやせ細って普通の生活ができなくなる。