介護されない体を作るには、日頃から体の筋肉を鍛える生活をする必要がある。筋肉は、普通以上の負荷を与え続けると成長する。その時に必要なのがタンパク質だ。老人は、タンパク質の肉、魚、豆類を意識して毎日食べると良い。筋肉を成長させる栄養素であるタンパク質がないと体を鍛えても筋肉はあまり成長しないからだ。
特に足の筋肉は使っていないと急激に衰える!
シニアが病気で床に3日以上寝ていると健康寿命を縮める
3日以上体をあまり動かさないで寝ていると体の筋肉が一時的に衰える。4日目に起き始めて動き始める時に感じる事は、体が重い、歩く時に力が入らない。長期間病院生活をしていると病気が治った時に筋肉をもとに戻すためのリハビリ運動が必要になる。体は、自動的に楽になった環境に適応しようとする。
シニアの筋肉
若者の体と老人の体では、筋肉の衰えと回復力の速度が違う。老人の筋肉は、使わないと急激に衰え、回復させるには必要以上の時間が要求される。私の知人(68歳の男性)が、スポーツセンターでベンチプレス運動を始めた。35Kgから始めて55kgまで上げられるようになった。
2週間ほど腰痛でスポーツセンターでの筋肉トレーニングを休んでいたら、55kg上げていたのが35kgまで下がってしまったという。筋肉は馬鹿正直で負荷がなくなった生活を一定期間続けていると生活で必要としない筋肉を落としてしまう。
彼は、この経験から毎週1回スポーツセンターに通っている。筋肉に負荷を定期的に与え続けないと筋肉を維持できないからだ。
老人は、家に閉じ困り始めると急激に足を使う生活から遠ざかる。この生活をしていると数ヶ月もしないうちに歩く事が辛くなるほど足の筋肉が衰える。一度足の筋肉が衰えるとその筋肉を取り戻すのに長い時間を要する。ある種の筋肉のリハビリ運動をすることになる。この状態になると精神的に辛くなる。
足の筋肉が衰えると自分で動き回ることが大変になる。これがトリガーとなって体を使う動きが減少する。自分で動けなくなった時点で介護施設のお世話になる。健康寿命はマイナスの方向に向かう。
健康寿命を伸ばすには
- 毎日外出して足を使う生活をする
- 定期的に体の筋肉に負荷を与えて筋肉量を維持、増加させる運動を行う
- 足の筋肉や上半身の広背筋などの大きな筋肉を最初に鍛える
- 1日1食は肉、魚、豆類などのタンパク質を意識的に多く取る
体を定期的に鍛えている老人は、食欲があり、若くみえるようになる。体の動きで不自然さがなくなる。筋肉を鍛え始めて6ヶ月が過ぎると体の調子が良い方向に変わって来ている事を自覚できるようになる。筋肉運動を継続している老人と何もしていない老人では、健康度に相当の違いが出る。
新陳代謝が増えて食欲が出て夜熟睡できる。血圧も血糖値も改善される。定期的な運動は万病予防になる。今、健康問題で家族に負担をかけさせたくないと思っているならば、近くのスポーツセンターに出掛けてシニア向け筋肉トレーニング教室に参加申し込みをすべきである。
筋肉の衰えは健康寿命に直接影響する。若い頃からスポーツで筋肉を鍛え続けているシニアは筋肉貯金が出来ている。鍛え続けられた筋肉はシニアになっても直ぐに失われていかない。失われても筋トレをすればもとの筋肉量に回復しやすい。
農業や酪農に従事している人は長年体を使う仕事をしている。自然と筋肉は鍛えられる。その恩恵として老人になっても筋肉は急激に衰えないため自分の体を動かす上で支障が老後の生活で生まれ難い。筋肉貯金が溜まっているからである。
結論
自宅での生活を続けたいシニアならば、定期的に筋トレや運動をして習慣化する必要がある。体を使わないで楽な生活を続けると自然と体の筋肉が失われていく。その兆候は歩行に出る。足の筋肉量があるポイントを越すと筋力が足りなくなり歩行で支障が生じ始める。筋肉の量が減ると普通の生活が出来なくなる。健康寿命を伸ばしたければ体の筋肉を鍛える生活をするしか無い。