95歳の義父は足の筋力を失い、歩行障害で自立した生活が自宅で出来なくなったため自分から介護付き有料老人ホームに入居したいと私達夫婦に頼んできた。一軒家の一人生活が我慢できなくなって快適な生活を介護付き老人ホームに求めた。認知症は全然なく、頭脳は普通の人以上に明快である。足腰の不自由がなければ、ずっと一人生活を続けられるくらいである。

私達の住居から20分ぐらいかかる横浜の介護付き有料老人ホームに入居して1ヶ月が過ぎた。入居したての1周間は快適な生活に非常に満足していた。食事を一人で作る必要がないことやお風呂に週3回入れること。快適な気温に設定された部屋でお酒を飲みながらテレビを楽しんでいる。

1ヶ月が過ぎた頃の面会時にこんな小言を言ってきた。認知症の入居者がいて普通の会話が成り立たない。男性の数よりも女性の数のほうが多い。提供される食事の味が薄い。一つだけ喜んでいたことは若い女性スタッフがお風呂で体を洗ってくれるということ。

彼にとって介護付き有料老人ホームの生活は思い描いていた生活とは違っていた。

160 / 212