老人ホームや老健施設を伺うと入居している老人の多くが女性である。男性と女性の比率が9:1ぐらいに見える。女性の平均寿命が長いから当然なのかもしれない。90歳以上になると生きている事自体が幸せなのか、不幸なのかが分からなくなると言う。永遠の命を求める私達人間だが、現在長生きをしている老人たちは、違った感覚を持っているのではないか。

80歳を過ぎれば、最愛の伴侶が他界してお一人様老人が増えてくる。健康で普通の生活を自分で送れる老人は、子どもたち家族と一緒に生活をしないでお一人様生活を続ける。子どもたちに負担をかける事や要らぬ気遣いをする事が返って負担に感じるからだ。頭がしっかりしていて健康な老人であればあるほど、子どもたち家族のことを気遣う。寂しさを我慢しながら、お一人様老後生活を楽しもうと試みる。

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