自宅から出て友を作る場所に行く

65歳まで継続雇用されたとしてもその後はどうなるのか。60歳定年の時に悩んだ事が再来する。年齢だけが加算されて直面する問題は変らない。多くのシニアは雇用され続ける事を望むため再就職先を探し続ける。だが、年齢の壁が高いため派遣社員、アルバイト、パートの職に留まる。これらの仕事は決して好きな仕事にはならないかもしれない。

多くの定年退職者や再雇用を終えたシニアは、必ず、この問題に直面する。65歳以降に好きな仕事で働くにはどうしたら良いか?

こんな仕事をやりたい、やってみたいと思っているシニアは他人に雇用されて好きな職を探すのではなく自分で好きな仕事を作る出すという選択肢を考える必要がある。

年金の額を見て老後の生活に不安を感じる65歳シニア、まだ働ける

60歳代の年金平均額が月額20万から22万円だという。これよりも低い額の年金受給者も大勢いる。今の生活が月額20万で収まっているならば、何とか生活が出来るかもしれない。

だが、毎年、年金額が下がっていく事は予想できる。生活予防策として働けるうちは働くという選択をする65歳過ぎの高齢者が増えている。仕事を探す時、好き嫌いをしなければ介護の仕事が沢山ある。介護の仕事は3K以上に苦しい仕事である。多くの人が挑戦し辞めて行っている。残って介護の仕事を続けているシニアは情熱と信念がある人たちである。介護の仕事環境が改善されれば、多くの65歳過ぎのシニアがその介護の分野で働ける。

仕事を探すシニアが一度読んでおくと良い人気本

  1. マンション管理員オロオロ日記 当年72歳、夫婦で住み込み、24時間苦情承ります 南野苑生/著 三五館シンシャ
  2. 非正規介護職員ヨボヨボ日記 当年60歳、排泄も入浴もお世話させていただきます 真山剛/著 三五館シンシャ
  3. メーター検針員テゲテゲ日記 1件40円、本日250件、10年勤めてクビになりました 川島徹/著 三五館シンシャ
  4. バスドライバーのろのろ日記 本日で12連勤、深夜0時まで時間厳守で運転します 須畑寅夫/著 三五館シンシャ
  5. タクシードライバーぐるぐる日記 朝7時から都内を周回中、営収5万円まで帰庫できません 内田正治/著 三五館シンシャ
  6. コールセンターもしもし日記 ご意見ご要望、クレーム、恫喝…反論せずにお聞きします 吉川徹/著 三五館シンシャ
  7. 住宅営業マンぺこぺこ日記 「今月2件5000万!」死にもの狂いでノルマこなします 屋敷康蔵/著 三五館シンシャ
  8. 保育士よちよち日記 お散歩、お昼寝、おむつ替え…ぜんぜん人手が足りません 大原綾希子/著 三五館シンシャ
  9. 派遣添乗員ヘトヘト日記 当年66歳、本日も“日雇い派遣”で旅に出ます 梅村達/著 三五館シンシャ

経験者は語る。色々な職業がある。未経験の仕事に携わる時にその分野の予備知識があると不安は和らぐ。好きな仕事、やってみたい仕事で老後の生活を形作りたいシニアは色々と事前調査が必要になる。一番手っ取り早い方法が、関係書籍を読むことである。

上記の職業はシニアの就労者が多い。やってみたいと思っているシニアもいる。再就職先を探すときに役に立つ。

嫌な仕事ではなく自分が望む仕事を作るという選択

体力を使う仕事は定年退職者にとって無理がある。高齢者の強みを生かす仕事を選びその分野で目立つ必要がある。シニアが起業するのは自分に何らかの強みと専門性がないと始まらない。普通のシニアが起業しても誰もがやっているビジネスでは勝ち目がない。

どうせ起業するならば、レッドオーシャンよりもブルーオーシャン市場で始めた方がお金を稼ぎやすい。少なくとも競合他社がいない。必要なのは自分で市場を開拓する努力である。

営業職経験者で人脈があるシニアは自分の得意分野の営業支援サービスを中小企業相手にビジネス展開が出来る。機械やシステムの保守経験があるシニアは特定分野の市場が見えていれば専門の保守サービスを展開できる。

自分の能力の棚卸しをしてその中から好きな事をリストしてみる。好きな事が見つかればそれをビジネスにするための前提条件を調べてみる。その前提条件がクリアーできる見通しができれば好きな事でビジネスを展開できるようになる。誰もが残りの人生を好きな事だけをやって生きて行きたいと願っている。

生活費を稼ぐために望まない仕事するという選択

好きな事でビジネスが出来なければ、自分の意志にそぐわない仕事をして生活費を稼ぐ事になる。65歳過ぎのシニアのほとんどは背に腹は代えられないという状況で仕事を探す。それでも見つからない場合が多い。そんな時はアルバイトやパートの仕事をしながらやりたい仕事を探すことになる。ただ、現実は見つからない場合がほとんどである。

老後の生活で何を最優先すべきかを決めることになる。人によってニーズが違う。経済的に余裕があるが生きがいとして仕事をやりたいというシニアもいるが見つからないために仕方なく社会とつながる生活のために望まない仕事に携わる。

生活費を稼ぐことを最優先にしているシニアならば人が嫌がる分野の仕事を探すことである。日雇い派遣の仕事で交通誘導員がある。私の息子がアルバイトでやっていた。日給が1万円前後で仕事によって半日で終わる場合があるという。3Kで肉体労働であるが、期間を区切って自分の体力を考慮して働けばお金を稼げる。

ファストフード店の松のやの厨房を観察していると年配の男性が若者と一緒に配膳や皿洗いをしていた。要領を学んでしまえば単純な作業を続けるだけになる。スーパーマーケットの仕事も自動化されて行く過程でシニアでも出来るようになる。

好きなことで仕事を始めるには好きなことの分野でお金になりそうなビジネスの種を見つける必要がある。そんな種はすぐには見つからないが、探し続ける必要がある。ビジネスの種を探す時は自分自身をビジネス環境の中に置かないとビジネスの種や情報が見つからない。

65歳過ぎのシニアへの助言

とにかく自宅に綴じ込まっていないで外に出て何かをするという習慣を身につける必要がある。そのためには、最初だけであるが、いやな仕事でもやってみる。アルバイトでもパートでも良い。社会とのつながりを維持しながら自分が出来る仕事を作り出すビジネスの種を探す。

自宅に常駐し始めると社会から隔離されてしまう。自分の檻に入ってしまう。精神的に不安定になりポジティブな人生を送る事が出来なくなる。

子会社の顧問をやっている元重役などがこのジレンマに陥る。会社に行かなくても顧問料金が入ってくる。でも、社会とは切れてしまう。1,2年後に顧問契約も切れて何をしたら良いかが分からなくなる。

ビジネスの分野で自分の経験や知識を生かしたい人は、同じような問題を抱えた人たちが大勢いる経営支援NPOクラブに問い合わせをしてみると良い。悩みを共有でき、自分が出来る仕事が見つかる場合が多い。NPOでの活動で中小企業の経営者と接する機会がある。彼らのビジネスを学びながら自分ができるビジネスの種を発見できる。

結論

65歳以降に好きな仕事で働くには自分は何をしたいのか、何が自分で出来るのかなどの棚卸が必要になる。再就職で好きな仕事を探すのは難しい。自分の人脈で紹介された仕事であればその可能性はあるが、正攻法での職探しでは年齢が壁になる。

最終的に自分がやりたい仕事を自分で作り出すしか方法はない。シニア起業になるが、大きなビジネスを求めるのではなく老後の生活を充実させる程度の市場規模でビジネスを展開する。会社を設立するよりも個人事業主として始められるビジネスがお勧めである。

雇われるにしても自分で始めるビジネスにしても自宅に籠る生活ではなく、積極的に社会とつながる姿勢が重要になる。時代の変化に付いて行きながら時代のニーズを自分で見つける。それがビジネスの種になり、社会で働く上での羅針盤になる。