社会との接点を持ちたいために仕事をするシニアが増えている。どのような仕事で社会との接点を持とうとしているかは個人差がある。今日、日曜日の朝日新聞のシニア人材募集ページを見るとマンション管理関連の募集が多い。その次にビル清掃、警備、介護と続いていた。
65歳から70歳までの5年間を働きたいと思い、好きでもないマンション管理の仕事をしているシニアが多いのではないか。少しでも老後資金を増やたい、生活費の足しにしたいという理由でお金を稼げるだけ稼ぐという思考が見える。
第三者に依存する働き方では必ず年齢制限がある。好きなだけ働ける会社は非常に少ない。その意味合いで65歳を迎えるシニアは70歳以降の生活のリズムを今から考えて準備すると良い。
年金生活に入った高齢者は自分で生活のリズムを作る必要がある。昼間の8時間を有効に使えるかが勝負である。頭と体を活発に使う生活であれば問題がない。困るのは自宅でゴロゴロと何もしないで暇をつぶす生活習慣を作ることである。
脳と体を活発に使わない生活は認知症の引き金になり、体の筋肉を衰えさせる。70歳を境にして体を怠けさせると歩行障害が生まれてくる。この時期に体の筋肉を一生懸命に鍛える運動習慣を身につけないと自分の足で歩けなくなる。
認知症予防と筋肉作りは高齢者の健康寿命を伸ばす上で重要な要素になる。脳を使う活動をやめない。体の筋肉に楽をさせない。そんな生活を自分なりに作り出す必要がある。経済的に余裕がある年金生活であればあるほど体を楽にさせる。何もしなくても生きていける。
老後を健康的に過ごしたいシニアは積極的に新しい生活習慣を作り出す。高齢者が一番気にすることは健康である。加齢で今まで出来たことが出来なくなるという現象を体験する。以前は10キロぐらい平気に歩けたのに70歳を過ぎたら5キロ歩くと足が重く感じて休むことになる。体は確実に衰えて行く。
新しい事をやる気力と意欲が薄れ始める。一般的に新しい事に挑戦して習慣づけるには70歳になる前までに助走をする必要がある。新しい習慣の種を見つけて始めねばならない。60歳代は気力と意欲がまだエネルギーとして残っている。
日本人は毎日果物を食べる機会が少ない。特に、若者とシニアは果物を食べようという意識がおろそかだ。生の果物を食べるよりも健康食品やビタミン剤を取ってしまう。栄養は、ビタミン剤や健康補助食品よりも口から入る果物から取る栄養素が良いに決まっている。高齢者は1日に果物をどれだけ食べているのだろうか。
どうせ果物を食べるならば胃腸に良いヨーグルトも一緒にして食べると健康に良い。私達夫婦はいつもそうしている。朝と食後にヨーグルトを果物と一緒に食べる習慣が身についている。果物は食後の健康的なデザートになる。お菓子を食べるならば、果物を食べる。果物はお菓子よりも健康的である。
旬な果物を意識して食べると栄養バランスが自然と良くなり健康にプラスである。
杖をついて歩いている老人が目立っている。老人になると個人差が健康面で目立ち始める。若い時には思ってもいないことだが。初めて老人になった時に気がつく。動物は、杖をついて歩けない。人間だけだ。その分だけ長生きが出来る。
83歳の義母をAUショップまで連れて行った。歩きながら話をしたのだが、途中から義母が歩きながら足がぎこちなく感じると言い始めた。年末から正月まで自宅の中で動いていただけで外を歩くことがなかったという。始めて歩いたという感覚だったという。
70歳を過ぎた老人が外出して歩くことを止めたら、必ず足の筋肉量が減っていく。筋肉量が減っていくと自分の体を動かす時に違和感を覚える。それが出やすいのが歩行である。足の筋肉は大きい。その筋肉が衰えると自分の体を支えたり、動かしたりする上で支障が出る。
83歳の義母の足は足のぎこちなさで筋力の低下を表していた。自分の体を不自由なく動かせなくなったら、暗い余生が待っている。自分で自由な行動が出来なくなるという状態を想像してほしい。動物は歩けなくなったら死ぬ。人間は賢いから衰えていった筋肉を鍛えて増やすことができる。生活のリズムの中に足腰の筋肉を鍛える習慣を取り込めば良い。
88 / 194