義父が老人ホームから最寄りの病院に入院し何度か面会に行った。年齢が97歳でもう長く生き過ぎたといつも言っていた。病院には肺気腫の影響で酸素濃度が低くなったために3週間ほど治療を受けていた。

老いて体が衰え死に向かっている義父を見ていると私の老後の姿が想像できる。どのような死に方をするのかは分からないが、老人ホームや病院で死にたくない。ピンピンコロリの死に方が理想である。

誰もが死に向かって生きている。年齢が増えれば自然に死が近づいてくる。いつ死ぬかは神のみぞ知るのだが、誰もが望むのは苦しみながら死にたくないということである。義父は私達に延命処置をしないように依頼している。

その理由がわかる。私も自分の体が思うように動かせなくなって病院生活をするようになったら、延命処置をしないように妻に言う。年齢が80歳を過ぎたら長く生きる意味があるのだろうかと疑う。

普通の生活が問題なくできる健康と体力があるうちは老後の人生を出来るだけ楽しみたい。今69歳だが、10年後79歳になった時点で健康と体力がどうなっているのだろうか。シニアの悩み事は健康。困り事は自由に動かせなくなる体ではないか。

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