既存の会社でシニアを雇用している分野に「顧問サービス」がある。対象は、会社役員、管理職、専門職などのバックランドがあるシニア人材が対象になる。顧問の仕事を見つけるには、顧問人材を紹介する、派遣する人材登録会社に問い合わせする必要がある。
シニア向け人材登録会社への登録で顧問の仕事を得るまで時間がかかる。待たされるし、顧問の仕事が見つかるという保証もない。できるだけ多くの顧問サービスを紹介してくれる人材登録会社に登録すべきである。
一つだけ注意することは、顧問として仕事が出来る期間は短いということだ。長期の顧問の仕事はその会社のニーズと相性による。
Washington D.CにあるThomas Jefferson Memorial (U.S. National Park Service)に夫婦で訪れた。スミソニアン博物館あたりにある。ちょうど、Cherry Blossom Festivalの開催中であった。米国中から多くの観光客がやってきていた。
米国は広い。スミソニアン博物館の一つ、アメリカンヒストリー博物館に入ったが全てを見て出てくるまでに半日はかかる。その間中、ずっと歩きだ。足が疲れる。海外旅行は体力がいる。
円高であった17年前に夫婦で米国に観光旅行に行ってきた。最初の訪問地がWashington D.C.である。海外旅行は体力がいる。足腰が弱くなる70歳代では海外旅行をゆっくりと楽しめない。
シニアには年齢にあった生活と生き方がある。
60歳代は過去に縛られず自分がやりたい事で生きる。これが70歳代になると体力の衰えで新しい事への挑戦に気力がついていけなくなる。80歳代になれば、不自由な生活環境内で喜びを見つける生活になるのではないか。
67歳である私は、まだ、生活費を稼ぐという生活を続けている。体力も健康も気力もまだ衰えていない。60歳代は筋肉貯蓄ができる年代である。筋肉量が急激に減る70歳代に突入する前に筋肉が落ちにくい体と運動習慣を身につける。筋肉量の減少はそのまま体力の衰えに直結する。体を自由に動かせる体力は筋肉の量に依存する。
体力、筋力、健康は老後の生活でキーになる。年代毎にこの3つの要素が老化で影響を受ける。シニアが普通の生活を維持するには体力、筋力、健康を維持する必要がある。それが維持できなければ、その制約下で生活をするしか選択がなくなる。
老化は個人差がある。足腰が弱って歩けなくなっている70歳代のシニアがいる一方で80歳代で野良仕事を毎日している高齢者もいる。老後の生活は老化の生活をどのように楽しむかにある。
会社組織から独立して働き始めるとこんな気持になる。「会社組織の一員になって働いている自分を想像するだけで生きがいと気力を失いそうだ!」
13年間、一人でビジネスを展開していると時間と場所を自由に決められる自由を手放せなくなる。20歳代、30歳代の若者ならば、会社組織の中で色々知らないことを学べるので組織の中で働くことに抵抗感はないだろう。
何十年もの間、会社組織の理不尽を味わってきた60歳を過ぎた元会社員がまた会社で働くことに魅力を感じるだろうか。忍耐力が低下しているシニアは精神的なストレスに耐えられない。やりたくもない仕事、使い捨ての労働力と分かっているのに他人の組織に頼るのは苦痛である。
年齢という壁は思っている以上に高い。もう、会社に頼る生活は期待薄である。指向を変えて自分に頼る挑戦を考えるべきである。起業は誰にでも挑戦できる。やってみなければ分からない世界である。事前準備をする時間は十分ある。シニアの味方は暇な時間である。それをうまく活用すること。
銀行や証券会社、そして、保険会社がシニアが蓄えている資産を狙っている。節税効果、孫への支援、運用、相続問題などで人間の欲を上手く利用する宣伝や広告を行っている。年配になると老後の不安や生活が気になるため欲が出る。その欲をビジネスにする仕組みが多い。
お金は、1)作る、2)貯める、3)運用する、4)賢く使うことで生きるお金になる。お金はただの紙だから何かに変えないと意味がない。
お金は大切であるが、それより大切なのは健康である。健康であれば、働いてお金を稼げる。お金があっても健康でなければ、お金を使って余生を楽しめない。老後の健康が最優先でその後に生活資金をどうするかが来る。還暦を過ぎると自然に健康に意識が行くようになる。老化現象が少しずつ体に出てくるからだ。
70歳を過ぎる頃になると仕事が見つからなくなる。年金だけが収入源になる。生活は経済的にも精神的にも制約され始める。老後の生活は1に健康、2にお金で完結する。お金を稼ぐ仕事がなく持病を抱えているシニアは生きる目的を持たないと余生はつまらなく、苦しくなる。
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