病気や転倒で寢ったきりになる老人の世話は周りの人に迷惑をかけるだけでなく、介護や医療費の面でも負担が大きい。寝たっきりの生活になると今までの人生がウソのように幸せな人生に思えるようになる。誰もが寝たっきりの余生を送りたくないと望み、早く死にたいと思う。元気な老人ほど介護ベッド生活は苦痛になる。

元気で健康な年齢の人は自分の両親の介護を経験して寝たっきりの余生はとても辛いと感じているはず。自分の力で身動きができない生活、トイレにもいけない生活、ベッドの中でじっとしているだけの生活は牢獄生活よりも苦しい。

寝たっきりになる原因は、(1)脳卒中(全体の4分の1を占める)、(2)骨折、骨粗しょう症、(3)認知症である。脳卒中や認知症は防ぎようがないが、骨折や骨粗しょう症のような整形外科的な原因ならば、予防ができる。

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