横浜駅周辺にある定食屋でランチを食べていると時々4、5人のシニア男性たちが昼間からビールを飲みながら食事をしている。お酒が入るとどうしても声が大きくなる。聞きたくない話もこちらに聞こえてくる。彼らのおしゃべりは元いた会社組織や同僚の話である。過去を思い出して話のネタにしていた。現在、未来に関係する話題はなかった。

定年退職して暇つぶしに近くにいる元会社同僚たちと「たまには会おうじゃないか!」と言ってランチをしている。定年退職して老後の生活を楽しめていますか?と聞いてみたかった。私の感じでは彼らは明らかに暇な時間を有効に使っていないような雰囲気であった。

周りにいる高齢者を観察していると意欲的に自分の余生を楽しもうとしている老人が少ない。過去の自分の世界を懐かしむ生活よりも今と未来の世界を探求してみるほうが刺激がある老後を暮らせると私は思っている。毎日、新しいことが社会で生まれている。新しいことは刺激を多くの人に与える。

老後の生活は意識して脳を刺激し、体を動かす必要性がある。健康寿命を伸ばすには肉体と精神の両面を刺激する活動が必須になる。暇は健康寿命を短くする。暇ほど苦しく、つまらないものはない。体が不自由になってから、あれをやっておけば良かったとか、例えば足腰の筋トレ運動、を思うシニアがいる。

老後の生活は暇な時間を如何にして有効に使うかという命題を解くためにある。老人ホームの生活になったら益々住む世界が狭くなり、変化が少なくなる。

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