既存の会社でシニアを雇用している分野に「顧問サービス」がある。対象は、会社役員、管理職、専門職などのバックランドがあるシニア人材が対象になる。顧問の仕事を見つけるには、顧問人材を紹介する、派遣する人材登録会社に問い合わせする必要がある。
シニア向け人材登録会社への登録で顧問の仕事を得るまで時間がかかる。待たされるし、顧問の仕事が見つかるという保証もない。できるだけ多くの顧問サービスを紹介してくれる人材登録会社に登録すべきである。
一つだけ注意することは、顧問として仕事が出来る期間は短いということだ。長期の顧問の仕事はその会社のニーズと相性による。
70歳を越える年齢になると若さを維持する、若くなりたいという欲望が膨らんでくる。この年代の人は、人によって老いの程度が顕著に分かるようになる。顔を見るだけで分かる人、体を見るだけで分かる人、言動を聞くだけで分かる人、目を見るだけで分かる人、服装や活動を見るだけで分かる人など面白いほど違いが出てくる。
テレビの宣伝を見ると健康食品やサプリメントを常用すれば足の筋肉が付いてくるとか、膝の故障が改善されるとか、肥満が解消されるとかなどシニアの老化改善にアピールしている。健康食品やサプリメントを常用するだけで体が若返るはずがない!栄養バランスを改善する健康食品ならば、体の健康に貢献するが若返る効果はない。
知人や友人で運動を定期的に続けている人の顔や体を観察してほしい。自分と比較してどこが違うかを知るだけで運動習慣が身体の若返りに大きな影響を及ぼしているのが分かるはずである。
このシニア男性は筋トレを70歳の時に始めた。80歳になったら、こんな体になっていたという。
Washington D.CにあるThomas Jefferson Memorial (U.S. National Park Service)に夫婦で訪れた。スミソニアン博物館あたりにある。ちょうど、Cherry Blossom Festivalの開催中であった。米国中から多くの観光客がやってきていた。
米国は広い。スミソニアン博物館の一つ、アメリカンヒストリー博物館に入ったが全てを見て出てくるまでに半日はかかる。その間中、ずっと歩きだ。足が疲れる。海外旅行は体力がいる。
円高であった17年前に夫婦で米国に観光旅行に行ってきた。最初の訪問地がWashington D.C.である。海外旅行は体力がいる。足腰が弱くなる70歳代では海外旅行をゆっくりと楽しめない。
シニアには年齢にあった生活と生き方がある。
60歳代は過去に縛られず自分がやりたい事で生きる。これが70歳代になると体力の衰えで新しい事への挑戦に気力がついていけなくなる。80歳代になれば、不自由な生活環境内で喜びを見つける生活になるのではないか。
67歳である私は、まだ、生活費を稼ぐという生活を続けている。体力も健康も気力もまだ衰えていない。60歳代は筋肉貯蓄ができる年代である。筋肉量が急激に減る70歳代に突入する前に筋肉が落ちにくい体と運動習慣を身につける。筋肉量の減少はそのまま体力の衰えに直結する。体を自由に動かせる体力は筋肉の量に依存する。
体力、筋力、健康は老後の生活でキーになる。年代毎にこの3つの要素が老化で影響を受ける。シニアが普通の生活を維持するには体力、筋力、健康を維持する必要がある。それが維持できなければ、その制約下で生活をするしか選択がなくなる。
老化は個人差がある。足腰が弱って歩けなくなっている70歳代のシニアがいる一方で80歳代で野良仕事を毎日している高齢者もいる。老後の生活は老化の生活をどのように楽しむかにある。
会社組織から独立して働き始めるとこんな気持になる。「会社組織の一員になって働いている自分を想像するだけで生きがいと気力を失いそうだ!」
13年間、一人でビジネスを展開していると時間と場所を自由に決められる自由を手放せなくなる。20歳代、30歳代の若者ならば、会社組織の中で色々知らないことを学べるので組織の中で働くことに抵抗感はないだろう。
何十年もの間、会社組織の理不尽を味わってきた60歳を過ぎた元会社員がまた会社で働くことに魅力を感じるだろうか。忍耐力が低下しているシニアは精神的なストレスに耐えられない。やりたくもない仕事、使い捨ての労働力と分かっているのに他人の組織に頼るのは苦痛である。
年齢という壁は思っている以上に高い。もう、会社に頼る生活は期待薄である。指向を変えて自分に頼る挑戦を考えるべきである。起業は誰にでも挑戦できる。やってみなければ分からない世界である。事前準備をする時間は十分ある。シニアの味方は暇な時間である。それをうまく活用すること。
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