脚力が衰えてくる老人は、第二の心臓の力も衰えていく。歩く事で第二の心臓が血液を体全体に行き渡らせる事が出来るからだ。長い間歩いたり、長距離を歩いたりするとふくらはぎが疲れてくる。このふくらはぎを鍛えると足の疲れを軽減する効果があり、同時に血液の循環をよくする。歩くことを積極的に医者は老人に勧める理由がここにある。
血液の流れを良くする活動は体に栄養と酸素を運びやすい。栄養と酸素はその人の生命エネルギーの源である。血液の流れが悪くなると体に不調が発症する。顔色が青白くなり、めまいが起きたりする。健康的な顔色をした老人は共通して体を鍛えている。定期的な運動をして血液の流れを良くしている。
ふくらはぎは第二の心臓であり、このポンプ機能が衰えると心臓に負担が来る。運動不足の老人は血液の流れが悪いため栄養と酸素が体中に行き渡らなくなり体が弱々しくなる。
シニアはふくらはぎを意識して鍛える必要がある!
歩き慣れない人が長時間歩くと就寝中に足がつる事がある。筋肉疲労である。ふくらはぎの筋肉がいつもと違う負担を受けて筋肉が無理をする。疲労が溜まり、血液の循環が滞る。そんな時に足がつりやすい。
エコノミー症候群にならないために!
血液の循環は心臓だけがその役割を担っていない。足の筋肉が足に来た血液を上半身に上げている。これがないと血系は滞る。エコノミークラス症候群は、まさにふくらはぎの運動を止めてしまうために発症する。私はいつもカフェで座って仕事をしている。午前と午後、違ったカフェで仕事をしている。ランチ時間帯に足を使うぐらいだ。
本来ならば、カフェで座っている間に意識的にふくらはぎ運動をやるべきなのだが忘れてしまう。仕事に集中すると自然と足は止まってしまう。息抜きの時に、トイレに行くときに、ふくらはぎの運動をするしかない。
体は新鮮な血液を必要とする。汚れた血液を新鮮な血液に換えるために循環させるポンプが必要になる。心臓と足がその役割を担っているのだが、ふくらはぎの筋肉を動かす運動が少ないと血液を足から上半身に上げる力も弱くなる。
高齢者が歩く事をやらなくなると健康を害する理由がここにある。ダブルパンチが体にやって来るのだ。筋肉の衰えでますます歩けなくなる。第二の心臓の力が衰えて血液の循環力が弱くなる。
如何にしてふくらはぎを鍛えるか?
わざわざスポーツジムに通う必要は無い。ふくらはぎの運動は、いつでもどこでも出来る。ポイントは、継続して習慣化する事。私はこれからこんなふくらはぎの運動を定期的にしようと思う。
駅で電車を待っている時間帯がある。この待ち時間に駅のプラットホームで「つま先立ち運動」を電車が来るまで行う。往復で1日2回、5分x2で10分ぐらい毎日出来る。これは私の生活リズムに即した運動である。自分の都合に合わせて時間を見つけてつま先立ち運動を行う。
自宅にいる事が多い女性ならば、1日5分間でも10分間でも良いからつま先だけで歩く時間を確保する。気分転換につま先歩きをしてバランス感覚を養い、ふくらはぎの筋肉を鍛える。これを意識して毎日5分でも継続できれば、健康状態を向上できる。
ほとんどの老人は、こんな運動をやっていない。簡単な運動でお金もかからないのだが、やらない高齢者が多いのはなぜなのか。
つま先立ち運動が自分の健康に効果があると言う事を知らない高齢者が多い
つま先立ち運動は、第二の心臓であるふくらはぎを鍛える。歩く能力を維持できる。やる、やらないで歳を追う毎に違いが出てくる。老人の健康寿命には個人差が相当ある。血液の循環が良い人は健康な人が多い。顔色を見ただけで血液の循環が良い、悪いが分かる。足の筋肉が鍛えられれば歩き方も力強くなる。
ちょっとした足の運動が体全体の健康向上に効果を表す。それを体感するには最低でも1年間は続ける必要がある。継続こそ力なり!これはどんなことでも言える真実である。3日間続けることができれば、1週間か続けられる。1週間できれば、1ヶ月間できるようになる。単純な運動だから「やる!」という強い意志さえあれば続けられる。
結論
私の義父は94歳。足で動く範囲は自宅内のみ。あるくというよりは足を引きずりながら動くと行ったほうが良い。時間の問題で自力で歩けなくなるのが見えている。本人もそれを理解しているが、足を鍛えようという意志がない。諦めている感じがする。今、70歳代、80歳代の高齢者ならば、今からでも遅くない。足の筋肉を鍛える運動を定期的に行うことである。ふくらはぎの運動は体全体の健康向上に役に立つ。
つま先立ち運動はいつでも、どこでもやる意志があればできる簡単な運動である。その運動を毎日続けるだけで血液の循環を良くする。失われていく足の筋肉の損失を軽減する。良い事ばかりである。