東京で生活をしている息子がこの夏に近くの公園で毎朝ラジオ体操に出ていた。主催は近くに住む老人会の人達。誰でもが自由に参加できる。毎回ラジオ体操に息子が参加しているうちに顔見知りになり、色々とお喋りをするようになったという。その老人たちとの会話の中で聞いたことの一つが、老いてくると体が何故か痛くなるということらしい。
それで70歳の私に「老化が原因で体が痛くなるの?」と息子が聞いたのだ。私の返答は、体には何も起きていない。
老化による体の炎症をインフラマエイジングと呼ばれる。これは「炎症(inflammation)」と「老化(aging)」を組み合わせた言葉。医学や生物学の分野でよく使われる言葉で、老化に伴って体内で起きる軽度で慢性的な炎症状態を指す。
スポーツセンターのロッカールームでも老人たちが体の痛みを話していた。いつも、サロンパスなどの湿布を持参して貼っていた。
体が痛いと老人が良く言う理由
亡き義父も自宅で生活をしていたときも近くの内科クリニックから湿布薬を頂いていた。義父も義母も湿布薬を頂いていたので湿布の在庫がたくさん残っていた。当初、その理由が良く分からなかった。なぜ、そんなに湿布薬が必要なのか。体が痛いと言ってクリニックに行き、そのたびに湿布薬を渡されてくる。それが2人分であるので湿布薬は積み重ねられる。
老化が原因で体が痛くなる
老化によって、体のさまざまな部分で変化が起こり、それが痛みの原因となる。主な要因は以下のとおり。
- 軟骨のすり減り: 関節の骨の表面を覆っている軟骨は、衝撃を吸収する役割を担っている。しかし、長年の使用によって軟骨がすり減ったり、弾力がなくなったりすると、骨と骨が直接ぶつかり合うようになり、痛みや炎症を引き起こす。特に、ひざや股関節、腰、肩などの関節に「変形性関節症」という形で現れやすい。
- 筋肉量の低下: 筋肉は骨や関節を支える大切な役割を持っているが、加齢とともに減少する。筋肉が衰えると、関節にかかる負担が増え、痛みにつながる。
- 骨の変形やもろさ: 骨密度が低下して骨がもろくなる「骨粗しょう症」になると、骨折しやすくなったり、背骨が体の重みを支えきれずに変形したりして、痛みが生じる。
- 炎症が起きやすくなる: 老化が進むと、体の中で慢性的な炎症が起きやすくなることも、痛みを引き起こす一因と考えられる。
老化によってインフラマエイジングになりやすい70歳代の特徴
主な特徴は以下のとおり。
- 肥満や内臓脂肪が多い
脂肪細胞、特に内臓脂肪からは炎症を引き起こす物質が分泌されるため、肥満体型の方は慢性炎症のリスクが高まります。 - 食生活が乱れている
糖質や脂質の多い食事、加工食品の過剰摂取は、体内で炎症を促進する可能性があります。 - 運動不足
定期的な運動を行わないと、内臓脂肪がたまりやすくなるだけでなく、血行が悪化して炎症物質の排出が滞ることがあります。 - 睡眠不足やストレス
十分な睡眠がとれていないと免疫機能が低下し、炎症を調整する機能がうまく働かなくなります。また、慢性的なストレスも炎症を悪化させる一因です。 - 喫煙や過度な飲酒
たばこに含まれる有害物質は体内の炎症反応を高め、過剰な飲酒は肝臓に負担をかけ、全身の慢性炎症を促進します。
これらの生活習慣や体の状態は、免疫機能が低下し始める70歳代において、インフラマエイジングを加速させる要因となる。逆に、バランスの取れた食事、適度な運動、質の良い睡眠といった健康的な生活習慣を心がけることで、炎症を抑え、体の老化スピードを遅らせることが期待できる。
私の同じように筋トレを定期的やっている米国人シニアが言っていた。タンパク質を摂取するために牛肉や豚肉を習慣的に食べていたが、それを鶏肉や大豆、そして、魚に変えたという。それは牛肉や豚肉は老人の体に炎症を起こしやすいという理由であった。
私は牛肉や豚肉をたくさん食べる食生活になっていないので体に炎症は起きていない。意識の中ではできるだけ鶏肉、卵、大豆類を食べることにしている。
なぜ、私の体には炎症が起きていないのか?
こんな理由が考えられる。
- 筋肉の強化: 筋力トレーニングによって筋肉を鍛えると、関節を支える力が強くなり、関節への負担が軽くなる。特に、ひざや腰の痛みの予防には、太ももやお尻の筋肉を鍛えることが大切。
- 関節の安定: 筋肉がつくことで、関節が安定する。これにより、動きが滑らかになり、軟骨のすり減りを抑える効果が期待できる。
- 柔軟性の維持: 筋力トレーニングとあわせてストレッチを行うことで、筋肉や関節の柔軟性が保たれ、体の動く範囲(可動域)が広がる。
- 血行の促進: 運動によって血行が良くなると、筋肉の疲労回復が早まり、慢性的な痛みの緩和にもつながる。
筋トレはたしかに健康的な体を作り出す。筋トレ=若返りという人もいる。それは筋トレで分泌される成長ホルモンが若返りを促進している。老化で体に炎症を起こすのも成長ホルモンの影響で抑えられると聞く。1から4までの効果は私自身も感じている。週2回筋トレをしているため、腰痛や肩こりは一切ない。指圧マッサージに年に4回ぐらい通っていたときもあったが、この5年ぐらいは一度も行っていない。
知らないうちに体は成長ホルモンのおかげで若返ってきているのではないかと思っている。
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結論:
老化による体の炎症は誰もが経験する運命にある。ただ、いつそれが自分の体に起きるのかは分からない。でも、老化による体の炎症を予防したり、和らげる対策はある。それをやるか、やらないかで体で発症する炎症による痛みが変わってくる。
老化は防げないが、体を活発に動かす習慣が身についていれば体はその習慣に合わすように動いてくれる。老人の体は筋肉の損失で免疫力が落ち、体の炎症を押さえ込む力がなくなってくる。免疫力を高めるには筋肉量を増やす運動をする必要がある。それを意識して生活することである。