70歳を過ぎると、体の抵抗力は徐々に弱まっていく。若い頃には何でもなかった病気も、年齢を重ねるごとに重症化し、命に関わる事態に発展する可能性が高まる。その中でも特に注意が必要なのが、肺炎である。
肺炎は日本人の死亡原因の上位を占めており、特に高齢者にとっては深刻な脅威となる。そして、その肺炎の主な原因の一つが、肺炎球菌という細菌である。この肺炎球菌による感染症を予防するために、肺炎球菌ワクチンという有効な手段がある。70歳を過ぎた方がこのワクチンを受けるべき理由を、AIの力を借りて具体的に解説したい。
私は65歳の時に無料接種の23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(ニューモバックスNP)を受けた。このワクチンは有効期間が5年間。それ以降は任意接種で5年毎にワクチンを受ける必要がある。70歳になって、肺炎球菌ワクチンの事を思い出した。意識していないと忘れやすい。70歳以降は任意接種で有料自己負担になる。
今回、70歳以降に一度摂取すれば良い**20価肺炎球菌結合型ワクチン(プレベナー20)**を受けることにした。多分、これからの肺炎球菌ワクチンはこのタイプになっていく。すでに子供にはこのワクチンが必須接種になっている。このワクチンは全額自己負担で1万円以上する。でも、1度接種すればもう肺炎球菌予防のことは忘れられる。
目次
免疫力低下に対する予防対策として肺炎球菌ワクチン
多くのシニアは肺炎球菌ワクチンのことをあまり意識していない。
65歳で肺炎球菌ワクチンを定期接種した者の割合は、最新のデータで約40%前後である。
この接種率は、厚生労働省の統計や、各地の自治体、医療機関による調査から算出されたものである。しかし、この数字は必ずしも高いとは言えず、接種をためらう者が少なくない現状を示している。
定期接種の制度は、生涯に一度、特定の年齢(主に65歳)で公費助成が受けられるため、経済的な負担が少なくなる。それでも接種率が伸び悩んでいる背景には、ワクチンに対する知識不足や、副反応への懸念、また、65歳という年齢ではまだ自分は健康であるという認識があると考えられている。
高齢者肺炎球菌ワクチンの接種率は、諸外国と比較しても低い水準にあり、今後の課題の一つとされている。多くの医療関係者や専門家は、肺炎の重症化を防ぐため、65歳の定期接種の機会を逃さずに受けることを強く推奨している。
肺炎球菌感染症のリスクと高齢者の脆弱性
肺炎球菌は、肺炎だけでなく、髄膜炎や菌血症など、様々な重い病気を引き起こす可能性がある。これらの病気は、特に高齢者において重症化しやすい。高齢者の体は免疫機能が低下しており、感染症に対する防御力が弱まっている。この免疫力の衰えは、年齢を重ねるごとに顕著となる。
具体的に、70歳、75歳、80歳、85歳と年代を重ねるにつれ、体の免疫機能は段階的に衰退する。免疫細胞の司令塔であるT細胞の数が減少し、機能も低下していく。また、病原体を認識して抗体を作り出すB細胞の働きも鈍くなるため、ウイルスや細菌に対する防御態勢が弱まるのである。70代前半ではまだ抵抗力があると感じていても、80代、85歳と高齢になるにつれて、肺炎球菌のような病原体に対する抵抗力はさらに低下する。この結果、一度感染すると、若い頃には軽症で済んだはずの病気が重症化し、命に関わる事態に発展する可能性が格段に高まる。
実際に、肺炎による死亡者の9割以上が65歳以上であるというデータもあるが、その中でも特に80歳以上の死亡率が顕著に高い。これは、高齢者にとって肺炎がどれほど危険な病気であるかを示している。さらに、肺炎は一度かかると、回復に時間がかかり、日常生活の質を大きく低下させる。体力や筋力が著しく低下し、元の生活に戻れなくなるケースも少なくない。
肺炎球菌ワクチンの有効性と新しい選択肢
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による感染症の予防に非常に有効である。現在、日本で主に使われているワクチンには、23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(ニューモバックスNP)と、13価肺炎球菌結合型ワクチン(プレベナー13)があった。しかし、2024年8月に、新たに**20価肺炎球菌結合型ワクチン(プレベナー20)**が65歳以上の高齢者にも適用拡大された。従来のプレベナー13は今後市場から切り替わり、プレベナー20が主流となる見込みである。
プレベナー20は、これまでのプレベナー13に含まれていた13種類の血清型に加え、新たに7種類の血清型が追加されており、より広範囲な肺炎球菌による感染症の予防効果が期待できる。高齢者は、たとえ免疫力が衰えていても、ワクチンを接種することで、病原体に対抗する抗体を作り出すことができる。年齢を重ねるごとに免疫応答は鈍くなる傾向があるため、早めに接種して抗体を作っておくことが重要である。これにより、従来のワクチンでは対応できなかった型の肺炎球菌に対する防御力が向上し、高齢者の健康をより一層守ることが可能になった。また、肺炎球菌ワクチンには、肺炎の発症を約8割防ぐ効果があるとされており、感染症による入院や死亡のリスクを大幅に減らすことが期待できる。
予防接種のタイミングと助成制度、そして料金
日本においては、65歳以上の方を対象とした肺炎球菌ワクチンの定期予防接種制度が設けられている。この制度は、特に70歳、75歳、80歳、85歳といった免疫力が顕著に衰える年代に合わせて、国が費用の一部を負担してくれるものである。この制度を利用すれば、経済的な負担を抑えながら、重要な健康対策を行うことができる。これらの節目となる年齢で接種することは、身体の防御力が弱まり始める時期に合わせた賢明な選択といえる。
ただし、料金は自治体や医療機関によって大きく異なる。定期接種の自己負担額は、安いところで1,500円程度、高いところでは数千円程度が一般的である。また、定期接種の対象外の年齢で任意接種をする場合や、新しく承認されたプレベナー20を接種する場合、全額自己負担となるため、1万円を超える料金となることも多い。具体的な料金については、お住まいの市区町村の窓口や保健所、またはかかりつけの医療機関に直接確認することが最も確実である。
ワクチン接種の副反応について
ワクチンを接種する際には、副反応が起こる可能性もある。最も一般的なのは、注射した部分の痛み、赤み、腫れなどである。これらの症状は、通常数日で自然に治まることがほとんどである。また、稀に発熱や頭痛、倦怠感などが現れることもあるが、これらも一時的なものであることが多い。
ただし、ごく稀に重篤な副反応が起こる可能性もゼロではない。そのため、接種前には医師と十分に相談し、体調の良い時に接種を受けることが大切である。
肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種
肺炎球菌とインフルエンザは、どちらも高齢者にとって重症化しやすい感染症である。特に、インフルエンザにかかると、体の抵抗力が落ちて肺炎球菌による二次感染を引き起こしやすくなることが知られている。このため、インフルエンザの流行期に合わせて、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを同時に接種することが推奨されている。
両方のワクチンを接種することで、二つの感染症から体を守ることができ、より強力な予防効果が期待できる。同時接種が可能かどうかについても、医師に相談すると良い。
予防がもたらす安心感と生活の質の維持
肺炎球菌ワクチンを接種することは、単に病気を予防するだけではない。それは、病気に対する不安を軽減し、より安心して日常生活を送るための重要なステップである。もし肺炎にかかれば、入院が必要となり、家族に大きな心配をかけることになる。また、その後の生活にも影響を及ぼし、趣味や旅行など、楽しみにしていたことができなくなる可能性もある。
ワクチンを接種しておくことで、そのような事態を未然に防ぎ、自分自身の健康を守るだけでなく、家族にも安心感を与えることができる。それは、70歳を過ぎても活発で充実した生活を送るための基盤となる。
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結論:
70歳を過ぎると、肺炎球菌による感染症は、生命を脅かす深刻な病気となる。70歳、75歳、80歳、85歳と年齢を重ねるにつれ、免疫力は確実に衰えるため、肺炎が重症化するリスクは高まる一方である。しかし、幸いにも、そのリスクを大幅に軽減できる有効なワクチンが存在する。特に、新たに承認されたプレベナー20は、より多くの血清型に対応し、予防効果の向上が期待できる。
予防接種の料金は自治体や医療機関によって異なるが、定期予防接種制度を利用すれば、経済的な負担も抑えながら、安全に予防策を講じることが可能である。肺炎球菌ワクチンを接種することは、高齢期を健康で、活動的に過ごすための賢明な選択である。それは、自分自身と大切な家族を守るための、未来への投資に他ならない。今一度、この予防接種の重要性を認識し、かかりつけの医師や自治体に相談してみてはいかがだろうか。