60歳になってから自分の忍耐力に変化が起きてきていることに気がついた。自分の前に歩いている歩行者が邪魔に感じ始める。周りの雑談や大きな声で話している女性に絶えられなくなる。我慢できる許容範囲が狭まってきている。子供の声の響きに驚く。
良く聞く話は、老夫婦の周りを駆けずり回り大声を出して遊ぶ孫たちを喜ばしく思わなくなると言う。最初の20分ぐらいは賑やかで雰囲気を楽しんでいる老夫婦も次第に孫の声がやかましく感じ始める。最後には、馬子の声が聞こえない別室に逃げてしまう。
刺激が強いと受け取るストレスも大きくなる。老いてくるとストレスに耐えられなくなる。
なぜなんだろうか?
体の一部機能が低下して上手く機能しない。こんな事で忍耐力が低下するのではと思うこともある。私の場合は、緑内障を20年以上患っている。そのため、右目の上二分の一以上が白く見えて視界が確保できない。これって、忍耐力に影響があるのではと思う。
若い頃までは見えていた。歳をとったら病気で見えるべきものが見えなくなった。この不便さを我慢できないとストレスが生まれる。ストレスに耐える力が低下しているために精神的な余裕が無くなる。
60歳を越えたら、いつ神様に呼ばれて他界しても良い感覚を覚える。もう、若くない。あと生きても20年あまり。平均男性の寿命が80歳としてだが。あと20年の間に加齢が進んでいく。加齢が進むと今まで出来ていたことが出来なくなる。これは誰もが経験する。避けようもない。そこに老化から生まれるストレスがある。
NPOのメンバーが年配の人たちであるため自分の体調が悪い人たちが大勢いる。いつも、医者と相談する状態にあるという。目の病気、足の筋力の衰え、持病、ガンなどで健康を気遣う人たちともうどうにでもなれと好きな事をやっているシニアがいる。どちらが良いかは個人的な価値観だから何とも言えないが。
ストレスから来る忍耐力の低下は、加齢から来る不自由さが原因と私は思っている。
今まで出来ていたことが出来なくなるという現実を自然に受け入れられる心構えが求められる。受け入れられればそれから来るストレスは軽減できる。歳を取ってきたという事実を受け入れてその結果も受け入れる。もう、若くない!
シニアが生きて行くには、歳を取っていく自分を上手く受け入れて時の流れに漂うように摩擦をなくして生きるライフスタイルが必要だ。