一般的に65歳前後になると、リスク回避の意識が高まり、金融資産をより安全な現金や預貯金に移す傾向が見られる。これは、以下のような理由が考えられる。

  • 残り少ないと考えられる時間: 人生の終末期が近づくにつれて、資産を運用して増やすよりも、すぐに使える流動性の高い現金を手元に置いておきたいというニーズが高まる。
  • 健康上の不安: 病気や介護など、予期せぬ支出に備えて、すぐに引き出せる現金を持っておきたいという心理が働く。
  • 認知機能の低下: 年齢とともに判断能力が低下する可能性も考慮し、複雑な金融商品よりも理解しやすい現金を選好する傾向がある。
  • 相続への意識: 相続の手続きを簡便にするため、現金で資産を残したいと考える。

これらの理由から考えると、非課税保有期間が無期限になったとはいえ、株式投資が中心となるシニアNISAは、65歳前後の方にとっては必ずしも魅力的とは言えない。

70歳である私は自分の命がいつまでか分からないがこの先10年から20年ぐらいではないかと思っている。そんな推測の中で積極的にお金を投資する気持ちになれない。投資は余裕のあるお金で行うのが基本。年金生活の老人に投資を勧誘する仕組みは多くの貧乏人シニア層に向いていない。

むしろ、お金を失わないで確実に増やす仕組みが求められる。投資はリスクが伴う。投資信託のリスクは毎月発生する信託銀行への手数料と元本割れである。一度損をするとその金額を取り戻すのに時間がかかる。老人にはその時間がない。

金融庁が検討している高齢者向けプラチナNISAの目的

朝日新聞2025年4月15日付記事の一部

金融庁は、高齢者向けのNISA(少額投資非課税制度)を創設する方向で検討に入った。高齢者に限り、運用益を分配金として毎月払う投資信託などを組み込めるようにする方向だ。現在は18歳以上に限定する「つみたて投資枠」の年齢制限の引き下げも検討する。

昨年1月に始まった新NISAは長期分散積み立て投資を趣旨としているため、運用益の一部を再投資に回さずに分配金として契約者に支払う「毎月分配型」の投信は運用資産の対象に加えていなかった。<<<ここまで

政府はこの運用益を年金にプラスに成ると宣伝するが、実際はリスクが大きい。元本割れと毎月の手数料、そして、不安定な経済状況。働いて稼げない老人にとってお金は最後の頼みの綱。それを投資信託に投入することを勧誘する政府は投資信託を知らない素人高齢者を餌にしている。

運用益を分配金として毎月支払う

プラチナNISAの特徴は65歳以上のシニア向け商品で毎月分配金を支払うという点と非課税商品である。「高齢者向けの「新NISA」なんて、「とんでもない」…荻原博子が政府に憤慨するワケ」という現代ビジネスのYahoo記事を一読してほしい。

運用益は毎月必ず分配される保証はない。それが投資信託のリスクである。元本割れというリスクが必ず伴う。安心して投資するならば、ゆうちょ銀行の定額定期に預けたほうが良い。利息は必ず生まれていただける。私はNISAを使って株を運用しているが、投資信託はやっていない。投資信託は運用益が出なくても毎月手数料が発生する。運用益がなければ無い期間だけの手数料が元本から引かれていく。株であれば、売らなければ何もマイナスにならない。株価が上がったら売ればその分だけ確実に利益が発生する。

プラチナNISAは高齢者をターゲットしたギャンブルである。高齢者は投資信託に手を出さないほうが得策である。元本割れがない定額預金が安心である。老いて必要なものは自分がコントロールできるお金である。投資信託は投資の専門家に委託する投資である。そうまでしてお金を稼ぐ必要があるのだろうか。リスクのほうが大きい。他人にお金を老後に託すことが本当に良いのだろうか。

私は基本的に自分のコントロール下に金融資産をおいている。人生経験から他人にお金を託せない。石橋を叩いて渡る生活習慣が老後の生活を安定させる。高齢者は政府のギャンブル政策に乗らないことである。政府を必要以上信用しないこと。

「貯蓄から投資へ」シニアが溜め込んでいる資金を動かす

政府はシニアが溜め込んで使っていない大金を投資に向かわせようとしている。その呼び水としてプラチナNISAを餌にしようとしている。シニアをターゲットにした詐欺が増えている。現実ではありえない利率で運用できる投資があるから、投資しないかという話に乗る高齢者がいる。欲があるシニアは騙されやすい

慣れていない投資は手を出さないのが鉄則。働いて稼げないシニアはリスクが有る投資はすべきではない。それが政府が宣伝するプラチナNISAであっても。銀行や投資信託企業がおすすめする投資信託商品はシニアのお金を増やすよりも取扱手数料を稼ぐためにある。リスクはお客持ち。彼らのリスクはゼロ。取扱手数料が確実に利益に結びつく。それを知っておくことである。

お金が少ないシニアほど、儲け話に乗りやすい。老後の一攫千金はない。それを分かっていないシニアだけが騙される。政府がなぜ今プラチナNISAを検討しているのか。その理由と背景を探ってみてはどうか。本当にシニアの生活を助けるためにやっているのかどうか。

政府はなぜリスクが有る投資信託をシニアに勧めるのか。運用益が出なかったら、確実に元本割れで損する投資信託である。 

年金に頼る高齢者の「毎月の生活費に充てたい」というニーズ

政府は高齢者の年金を補填する方法でプラチナNISAを推し進めようとしている。でも、お金を溜め込んでいるシニアはそんなニーズは無いのではないか。むしろ、貯蓄が少ないシニアが対象になる。そんなシニアが多額なお金をプラチナNISAに投資ができるだろうか。

金銭欲が強いシニアだけが政府の餌に引っかかるだけである。多くのシニアの心情は下記の言葉が表している。

残り少ないと考えられる時間: 人生の終末期が近づくにつれて、資産を運用して増やすよりも、すぐに使える流動性の高い現金を手元に置いておきたいというニーズが高まる。

 

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結論:

高齢者向けプラチナNISAはリスクが有る投資信託である。政府はそのリスクを隠すように甘い呼び水文句でシニアのお金を投資させよとしている。人生の終末期が近づくにつれて、資産を運用して増やすよりも、すぐに使える流動性の高い現金を手元に置いておきたいというニーズが高まる。私の心情はこの通りである。