ドキュメント72時間が取り扱う内容は、色々な人の人生を垣間見させてくる内容が多い。昨日見た「路面電車に揺られて」は、広島の路面電車を定点観測している。緩やかに時間が流れるように広島の住民は路面電車を楽しんでいる。生活の一部になっている路面電車が人生の一部のように感じた。
路面電車の中は見知らぬ人との人生の交流の場
夫婦で広島を訪問した。原爆ドーム、広島のお好み焼き、厳島神社などを楽しんだ。当然、路面電車なしには移動できない。本当に古い路面電車から最新鋭の路面電車が入り乱れていた。東京や横浜と違ってローカル色が至る所に見えた。路面電車に乗車している人たちも和やかで気さくであった。
路面電車なしの広島はないと言うほど路面電車が広島を象徴している。
人生の降り口が、路面電車で降りる場所のように思えた。人それぞれ違った降り口を持っている。若い人も高齢者もいつ人生の降り口が訪れるか分からないが、その時が来るまで路面電車を乗り降りしていく。その過程で色々な経験と出会いを経験する。路面電車に乗り降りする人は、電車に乗ると言うことを楽しんでいる。あたかも自分の人生を楽しむかのように。
路面電車の中は、時間が緩やかに流れている。見知らぬ人が出たり入ったりしながら自分の行き先まで乗車の中で交わされる会話を楽しむ。大都市の慌ただしさはない。
ドキュメント72時間の番組は、定期的に録画してみている。老いてくると色々な人生の世界があると言うことに気づく。「路面電車で揺られて」の番組に出てくる人たちは、確かに私の人生の世界の人たちとは違う。そこには、その人たちの人生がそのまま映し描かれていた。
年齢が60歳、65歳を過ぎると仕事中心の生活から自分の人生をどう過ごすかの生活に移る。夕方、自宅に帰る途中にある立ち飲み焼き鳥店に立ち寄るとシニアたちで賑わっていた。そこで交わされる会話を聞いていると私の人生とは全く違う、知らない世界があることに驚く。
シニア一人一人に違う人生があることに気付く。大都会と地方都市では、そこに住む人たちが違ってくる。大都会は、全国から人が移り住む。雑多な人たちが多い。地方都市は、ローカルな人たち中心に生活が回る。路面電車が走る広島市内は、ローカルな人たちが生活の足として使っているため乗車する人たちに庶民性がある。
人生の交流の場所は、老いて来れば来るほど少なくなる。私が住む横浜市内にも気楽に話しかけられる路面電車が走っていれば良いのになあと思わざるを得ない。