社会の縮図が手に取るように見える24時間営業のファミリーレストラン。食を取る場所に色々な人たちが集まる。その人たちの顔や行動を観察すると人生の喜怒哀楽が見える。

24時間営業のファミリーレストランは人生の行き場を失った人たちにとっての場所として社会の役割を果たしている。仮眠の場所として若い人たちが使っている。シニアは朝食をファミレスで取り、新聞や雑誌を読みながら午前中をそこで過ごす。毎日が日曜日の午前中をファミレスで時間を潰す。

私はファミリーレストランを仕事場として使ったことがないが、朝早くファミレスで朝食を取りながら昼まで仕事をする環境としてみれば、使えるという感覚がある。ただ、カフェのように居座る雰囲気は感じない。

24時間営業しているレストランは、食事をする場所として色々な人間が立ち寄る。自家用車でドライブ旅行をしているときに時間を気にせず気軽に立ち寄れるレストランである。それ故に食と休憩を求める人たちの人生の一部を垣間見ることが出来る。

24時間営業のファミリーレストランで何を見るのか?

都心から電車で1時間ほどのベッドタウン、埼玉県上尾市。その片隅にある24時間営業のファミリーレストランには朝から深夜まで客足が途絶えることがな い。毎日独りで食事をするため通うお年寄り。不況のためか資格取得に熱心なサラリーマン。少しでも子どもに楽しい思い出を作ってやりたいと願うシングルマ ザー。背中合わせのテーブルで様々な人生が交錯する不思議な空間、ファミレスの魅力を掘り下げていく。72時間の傑作選。(引用先:https://www4.nhk.or.jp/72hours/40/

ファミレスは子供が大きくなった今あまり行かない。行く時は、夫婦で自動車にのって小旅行に行った時である。食べる場所を見つける時にファミレスは、都合が良い。ロイヤルホスト、ガスト、ジョナサンなどチェーン店が多い。価格は割高で味は普通。食事が美味しくてファミレスに行くという理由は見当たらない。

家族連れが多い。特に小さな子供を連れてきている家族だ。多分、時間帯によって色々なタイプの人が見受けられるだろう。今回のドキュメント72時間は、24時間営業のファミリーレストランである。私のように普通の時間帯にファミレスを利用する人以外の人たちが観察できる。

ファミレスを利用する人たち

番組でインタービューを受けていた若者グループの一人が印象的であった。高校を中退して解体業の会社で働いている18歳。父親との二人暮らし。半年前から通信教育を始めた。警察官になりたいという目標が出来たからだという。新しい目標に向かっている息子に父親は大喜び。息子の目が変ったという。この気持ちは分かる。

ファミレスの午前中は、シニアの男性が多い。その理由は明白だ。行く場所がないから。家にいたら奥さんから邪魔者扱いされる。独り者(シニア離婚者、又は、ある事情で離婚)は朝食をファミレスで取る。

高校生はテスト週間に勉強場所として使う。大学生は、就活の一休みや準備の場として使う。それぞれの用途でファミレスは使われている。

不景気で自営業者は、副業をはじめたり、お店を閉店にしたりで大変な苦労をしている。そんな人たちの休息の場として人のぬくもりを求めてファミレスにやって来る。郊外のファミレスは、人々の遊び場になっているのかもしれない。ファミレス以外に人が集まる場所がない。

少子高齢化で高齢者が時間を持て余したり、行き場を失ったり、寂しさを紛らわしたり、交流の場所の探しでファミレスに集まってくる。田舎であればあるほど気楽に人と会える場所がない。ファミレスはそんなニーズを満たしている。

郊外のファミレスと都会のファミレス

郊外のファミレスは自動車やバイクなどでしか行けない。都会のファミレスは駅から近い場所にある場合が多いので歩いていける。郊外と都会では夜にファミレスにやってくる人たちの理由に違いがある。

都会のファミレスは、最終電車やバスに乗り遅れて仮の宿泊場所として使う会社員や若者が目立つ。郊外は、夜の寂しさを紛らわすために一人住まいの住民が人の温もりを求めてやってくる。

郊外で生活をする一人暮らしの高齢者が24時間営業しているレストランに出かける理由は孤独から逃れることにある。都会には暇を潰す場所が色々ある。郊外は夜になるとほとんどの活動が停止する。24時間営業のファミリーレストランのみが光を放っている。その光に誘われて集まってくるガや昆虫のよう色々な人がやってくる。

郊外のファミレスは、社会の縮図になっている。