子供たちの親として自分の人生に悔いが無いようにして人生を終わりたい。たぶん、誰もが同じ思いだろう。子供たちは自分が歩んできた人生を見ている。私には自分の後ろ姿が見えないが、子供たちはそれが見える。
そして、その後ろ姿を参考にしながら自分たちの人生を考えるようになる。父親は自分の子供たちの人生の比較対象なのである。私自身、時々、こんな時私の父親はどうしたのだろうか?と考える。楽しい時よりも精神的に迷っている時や苦しい時が多い。父親の人生は子供にとって身近な人生の比較データになる。
長男はもうすぐ二人目の子供を持つ父親になる。会社勤めで手堅く会社員キャリアを進んでいる。次男は独身で起業をしている。やりたいことをやっているがビジネスが立ち上がるまで時間がかかる。生活は苦しいが夢に向かって自分の人生に挑戦している。
変化が激しくて大きい今の時代は定年退職まで一つの会社に人生の大半を委ねることが出来ない。パナソニック、ソニー、東芝、シャープ、日立、JTB、JAL、電通などの大手企業でさえ大規模なリストラをやっている。「寄らば大樹の陰」という考え方が消えてしまった。頼れるのは自分自身。
そんな変化を子供たちは現実を見て感じている。父親は定年退職で子供たちと類似の境遇に入っている。会社におんぶにだっこの人生はもう得られない。60歳、65歳を過ぎた年齢が大きな壁となって自分の力で第二の人生を切り拓けと言っている。
父親として第二の人生:老後の姿勢と過ごし方
子供に誇れる人生とは、(私の考え)自分の人生に後悔しない人生である。これにつきるのでは無いかと思う。自分に負けないで足を一歩前に出して歯を食いしばりながら夢に向かって挑戦し続ける人生である。
貧乏でもお金持ちでも関係ない。自分の人生の評価は自分しか出来ない。他人の人生では無いからだ。自分の人生は、自分で決めて作り出す人生。納得のいく人生を自分で決めて過ごす。他人の意見に押されて不本意な人生を送ると後悔する。自分の人生を他人が作り出すことほどつまらない人生は無い。
後戻りが出来ないのが人生
人生には、必ず、始まりと終わりがある。私の人生は、100歳になるまでに終わる。ゲームのようにやり直しは出来ない。一度、始めれば後戻りが出来ないのが人生である。定年退職後の多くの元会社員がこのサイトにやって来る。会社を離れた自分の人生が、どうなって行くのか不安でならないからだ。
会社員のキャリアと人生は定年退職時までしかない。その先の人生の見取り図が無い。情報も無い。若い子供たちにとって定年退職の年齢は遠い。父親にとっては今である。人生の後半が始まって後戻りしたくても出来ない。大学を卒業した時にどんな事をしたいかを考えた時があったはず。今、まさにその時が再来している。
人生100年と言われるほど100歳を越えて生きている高齢者が7万人近くいる。自分の人生の第二ステージを見つけて挑戦しなければならない。それを子供たちは見ている。
第二の人生で何をするかを子供は見ている
誰もが定年退職後、何をしたら良いか迷う。この時点でもう自分で考えろという出発点に立つ。それ故、第二の人生だと言われる。第二の人生については、誰もがこうしろ、ああしろと強制指導しない。本人が決めることだからだ。
多くの定年退職者は、何をやったら良いか決められない。年金受給年齢が60歳から65歳に変更され、法律も65歳まで就業できるようにルールが変った。60歳から65歳までは何とかして働く仕事を探して食い繋ぎをしなければならない状況になっている。そんな父親を大人になった子供たちが後ろから見ている。父親がどのような第二の人生を歩むかを参考にしたいと思っている。
私の子供たちは私が51歳の時に会社を辞めて起業したことを知っている。定年退職後に起業するのと、51歳で起業するのではどこが違うのか。リスクは同じ。違うのは年齢が若く気力と体力が60歳代の人よりもあることぐらいである。起業したら後戻りができない。自動車にあるバックミラーを捨てて前を見てアクセルを踏みハンドルで方向を決めるしか無い。
起業した父親のビジネスがどんな感じになっているかを子供たちも不安そうに見ていた。私が起業した時は子供たちはまだ大学生であった。子供たちが大学を卒業するまでの学資資金は事前に用意してあるから安心しろと伝えた。独立して15年が経った。
子供たちは大人になって父親が会社員と起業家というキャリアを経験していることを知っている。長男は会社員、次男は起業家になっている。
お手本になる第二の人生
積極的に自分の人生に挑戦しようとする父親の姿は、子供たちにとって良い励みになる。 子供たちの人生は私の人生とは違う。父親の人生を見ながら自分の人生に取り入れたい部分だけを取って行く。父親は子供たちのためにリスクを先に取り、結果が出る前のプロセスと方向性を示す。長く生きるのは子供たちだからである。
挑戦する父親の姿は子供たちにも伝染病のように感染する。誰もがリスクを怖がるし、怖気づく。そんな状況で自分の父親がリスクに挑戦し、自分の新しい人生を切り開いて行く姿は子供たちにとって誇らしい姿になる。人生は困難の連続である。それに挑戦し続ける父親の姿は良いお手本になる。
66歳の個人事業主としてビジネスを継続しているが、絶えず新しいビジネスの種を探し、育てようとしている。それは大人になった子供たちにも見えている。父親は子供たちよりも先に人生のリスクを果敢に取るべきである。いづれ子供たちも私の年齢になれば、自分の子供達に挑戦者の姿を見せることになる。
結論
定年退職後の父親は子供たちから後ろ姿を見られている。その意識を頭にたたき込ませて第二の人生に挑戦する必要がある。人生は、そう簡単に休ませてくれない。次から次と頭を悩ますことが降ってくる。人間らしい人生を送るには、自分の人生に挑戦し続けるしか無い。その世界には、他人はいない。自分だけの世界である。自分に負けるな。