高齢者で身寄りが無いシニアたちは、心を休める場所を探している。普通の社会から忘れ去られたシニアたちが大勢いる。そんな高齢者の心の叫びを聞いてくれないため、孤独と孤立で悩むシニアが増える。

東京都内に“リトルマニラ”と呼ばれる街がある。約50軒のフィリピンパブが密集する足立区竹の塚の一角だ。そこに早朝から深夜まで19時間も営業する名物店がある。朝は夜勤明けの運転手などをサケ定食で迎える食堂、昼は店での会話を楽しみにする年金世代の憩いの場、夜は都心より安いと飲みに来る大人たちのパラダイスに。老若男女、さまざまな人が集まる不思議な店に密着。彼らが織りなす人間模様を3日間みつめてみた。(引用先

生涯の伴侶が他界したシニア、独身を続けているシニア、一人生活が長いシニアは孤独である。孤独がシニアたちの心を疲れさせる。一人ぼっちのシニアは心を休める休息場を求めている。今回のドキュメント72時間は約50軒のフィリピンパブが密集する足立区竹の塚に集まる寂しい中高年たちの人生を取り扱っている。

老いた自分が一人になったら同じ悩みを持ったシニアたちが集まる心の休息場に行く

足立区竹の塚にあるフィリピンパブをテレビで拝見して社会での役割が理解できた。寂しいシニア、仕事疲れの中高年、賑やかな街に無いものを求めてさまよい歩く若者たちが竹の塚のフィリピンパブにやって来る。私はフィリピンパブに行った経験が無い。テレビで初めてその存在理由の一つを理解した。

一人暮らしの老人たち、社会の弱者たち、一般常識からはみ出してしまった社会人たち、生きて行くために苦労をしている人たちが、心の休息場としてリトルマニラのフィリピンパブにやってくる。憩いの場を求める人は多い。ここに来る人たちは、自分たちを受け入れてくれる憩いの場所だからやって来る。

自分を受け入れてくれる場所を探しているシニアは多い。見つかれば、孤独から一時的に逃れられる。孤独で寂しいシニアは仲間を求めている。新しい出会いを求めている。同じ悩みを持つ人たちとの出会いだ。悩めば、酒を飲み自己逃避をする私たち。そんな状態で優しく話し相手をなってくれる人たちがフィリピンパブにいる。

結婚しないで、出来ないで寂しさを紛らわすため、心の渇きを満たすため、フィリピンパブに遠くからやって来るシニア男性を見て感じる。心の渇きを埋めてくれるのは、自分の相手をしてくれる人なんだと。会話を楽しめる人。自分の心の叫びを聞いてくれる人。人間は一人では生きられない。人恋しさは老いてきて仲間が消えて行く過程でますます強くなる。