相鉄線横浜駅のプラットホームを歩いている人達を見ていると「足の元気度」が分かる。若者、中高年、高齢者で違いが見て取れる。若者は元気良く歩く。中高年も歩く上で何も困らない歩き方をする。問題は高齢者である。60歳代、70歳代、80歳代で足の元気度の個人差が大きい。

歩く速度、歩幅、姿勢、膝の曲がり具合などで足の健康度が見えてくる。自宅から最寄りの駅まで徒歩で歩く毎日であるが、時々、歩道で左足がつまずく時がある。少しガニ股で歩く私であるためか左足がつまずきやすい。60歳代になってつまずくことが増えてきた感覚がある。

筋トレを定期的にやっているが、下半身の筋トレを特に意識してやってこなかった。この3年間ぐらいはスクワット運動やレンジ、レッグプレスなどの運動に時間を使っている。足の筋力を増やすのは時間がかかる。スクワットで上げる重量を見ればその進捗度が分かる。40キロから始めて50キロをフルスクワットで挙げれるまで1年から2年ほど時間がかかった。

脚力はスクワットで挙げれる重量の数値でしか明確に分からない。ただ、歩行においては階段の上がり下りでの耐久力で違いが分かる。100段ぐらいの階段を上がっても太ももは疲れない。スクワットの効果である。

横浜駅に到着した電車から降りると多くの乗客が改札口を目指して歩きだす。その時、多くの人が足早に歩く。遅い人は100%高齢者である。前かがみで猫背の姿勢で歩くシニア男性、歩幅が狭くちょこちょこと歩くシニア女性、膝が上がっていない70歳過ぎの男性など。歩き方に特徴が出る。

他人の歩き方を観察すると自分の歩き方が今のままで良いのかを考えさせられる。

階段を降りる老人

自分の歩き方と他人の歩き方を比較する

普通の人は自分の歩き方を意識しない。歩く上で何も問題がないからである。年齢が60歳、70歳になると自分の足が気になり始める。歩くのが辛くなるからである。エスカレーターやエレベーターがあれば、階段を使わずに乗る。駅のホームから改札口に出る時、階段とエスカレーターがある。エスカレーターには長蛇の列。階段には人がまばら。階段を上る人を見ると脚力を鍛えたい人が多い。シニアが階段を使うのは確実に足腰を鍛えるためである。 

 脚力を鍛えたいシニアの歩き方は歩く速度が速い。

歩く速さが遅くなる

普通の人は歩く速度が遅くなる時、何か考え事をしているときとか、友人とおしゃべりをして歩いているときとか、悩み事を思いながら歩いているときとか、歩くこと以外に何かしていることが多い。高齢者の場合は何も考えなくても歩く速度が遅くなる。

歩行速度が横断歩道の青信号を渡りきれない(秒速1メートル未満)状態なる高齢者が増える。これは加齢による下半身の筋力低下が原因である。大腿四頭筋やハムストリングスなどの下半身の筋力が弱ると足を素早く上げて歩き出せない。通勤時に見る「電車から降りるお客」の中のシニアは周りの乗客の歩行速度に追いつけていない。

人が大勢歩く場所で老人がいるとその場所だけが滞る。高速道路で自動車を運転する時は周りの自動車の速度に合わせるように運転する。老人は加齢で脚力を失い周りの人の歩行スピードに合わせることができなくなる。

歩行速度を速くするには歩幅を広くして歩く方法がある。ただ、それをするにはそれが出来る足腰の筋力が必要になる。

歩幅が狭くなる

大腿四頭筋やハムストリングスなどの下半身の筋力が弱ると同時に膝や股関節の関節が硬くなると、足を十分に前に出すことができなくなり、歩幅が狭くなる。歩いている老人の歩き方を見ると歩くのが遅い人ほど膝を曲げて歩幅を広げていない。

歩いている人の膝を観察してみると良い。膝を曲げて勢いよく足を出して歩いている人は歩くのが速い。膝をあまり曲げずに足を前に出して歩いている人は歩幅が狭く、速度も遅い。歩幅が狭くなると最終的に足を引きずるような状態で歩くことになる。足を上げて前に出す筋力が失われてしまった状態である。

歩く速度と歩幅は歩行能力に影響する。 

歩行距離が減少する

定期的な筋トレで脚力を鍛えていない普通のシニアは加齢とともに歩く距離も減少してくる。70歳を過ぎて10キロをひどく疲れずに歩くことが出来れば日頃から歩くことが多い生活をしているシニアになる。足を積極的に使う生活習慣があれば、歩行距離はひどく減少していかない。

シニアの歩行距離が減少するのは脚力と体力の低下である。スクワット運動を続けていると下半身に筋肉がついてくる。特に太腿の筋肉は大きくなる。そうなると耐久力も強化される。長距離を歩いてもあまり疲れを足が感じなくなる。歩行距離を増やすには足の筋トレをしながら毎日少しづつ歩く距離を増やしていくことである。

歩行距離が少なくなると自分で歩く活動範囲も狭くなり活動自体も減少する。外出を頻繁にしないで自宅にこもる生活になる。足を使わない悪循環がここから始まる。

前のめりになる

高齢者は腰が曲がってきて、猫背で歩く。姿勢が悪い歩き方になる。体全体の筋力のバランスが崩れてくると猫背になったり腰が曲がったりしてくる。その影響が歩行にも出てくる。腰を曲げて杖をついて歩いている老人を見れば、歩行困難になっているのが分かる。

姿勢の悪い歩き方をしている高齢者を見れば、将来の自分の歩き方かもしれないと気付く。姿勢を良くして歩くには体全体の筋肉を維持、強化する必要がある。歩くだけでは失われていく筋肉量を補うことは出来ない。どうしても筋肉に刺激を与える筋トレが必要になる。

足が上がりにくくなる

足を上に持ち上げる筋肉である「腸腰筋」が衰えることで、ちょっとした段差でつまずいたり、踏ん張りがきかないためによろけてしまうことがある。足を上に上げる筋肉を鍛えるには足上げ運動が良い。ただ、毎日少しづつ続けないと効果は出ない。

 誰もが老化で足を上に持ち上げる筋肉である「腸腰筋」が衰える。衰えを是正するには足を上に上げる機会を増やすことである。筋肉は使えば使うほど環境に適用しようとする。足を上に持ち上げる筋肉を使う生活になれば、自然と「腸腰筋」の衰えが止む。

歩く上で足を上に上げる動作は必須である。これが出来なくなると歩けなくなる。実際にそのような状態になった老人を知っている。クライアントの一人が80歳に近い方であった。一緒に歩いていて気が付いたら、その方の歩き方が異常であった。小刻みに足を前に出しながら歩いていた。足が上がっていない。膝も曲がっていない。

私が50歳代のときであったので足の老化現象を知らなかった。一瞬何かの病気かなと思った。自分で歩けなくなった老人は普通の世界から消えていく。老人専用の老人ホームの世界に移って行く。

老いても普通に歩ける脚力を維持、強化するには

理想はスポーツジムに通いながら体全体の筋肉を鍛えることである。誰もが出来ることではないので、誰もが出来ることを助言したい。毎日散歩をする習慣が身についている方ならば、これをしてください。

stepup

  • 階段がある散歩道を歩くこと

階段を上がったり降りたりすることで足を上げて足の筋肉を使う動作が起きる。筋肉は負荷が大きければ大きいほどその負荷に適応するために筋肉量を増やす。つまり、階段を何度も上がったり降りたりする頻度が多いほど足腰の筋肉が鍛えられる。

生活習慣の中に階段を上がったり降りたりする動作を入れ込むことで足腰の筋肉を鍛える。それが続けば続くほど老いても普通に歩ける生活を続けられる。

 

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結論:

シニアの健康、体力、老化を観察する方法の一つとして「歩き方」がある。脚力を失うと普通の生活が困難になる。それは生命力が徐々に失われて行く証拠になる。自分の足で自由に動けなくなると他人や家族の助けがないと生きていけない。足の健康は大切である。60歳代、70歳代から自分の足の健康に注意を払う必要がある。

他人の歩き方を注意してみると自分の歩き方の状態を分析できる。歩く速度、歩幅、姿勢、膝の曲がり具合を他人と比較してみる。