60歳代のシニアで健康を意識している人は、定期的な運動をしている。健康を頭の中で意識していても定期的な運動をしていないシニアは、70歳以降にその結果を体力の低下と脚力の衰えで体感する事になる。特に、足の筋力低下が酷くなる。60歳代と70歳代の体力の差は、歴然としてくる。定期的な運動をしている高齢者とそうでない高齢者では、体の動きに違いが生まれる。
高齢者の歩き方を見れば、その人の足の筋力がどれほど低下しているかが分かる。
不自然な歩き方、普通の歩き方、一目見ればシニアの脚力が分かる
元気なシニアと弱々しいシニアとでは歩く時の姿勢と力強さに違いがある。定期的な運動を行っていないと使わない筋肉が体から消えて行く。その結果、体を動かす時に機敏性を失う。特に、足腰の筋力が失われ始めると歩く時のバランスが上手く取れなくなり、その影響が歩く時の姿に出る。
力強く歩く元気なシニアとバランスを失いながら歩くシニアでは、見た目が相当違う。
おかしな歩き方をするシニア
60歳代は定期的な運動をしなくてもまだ体の筋力を維持できているが、知らないうちに筋力を失い続けている。第二のキャリアを求め始める年齢の人は生活のリズムが不定期に成りやすい。毎日体を動かす活動がない場合が多い。以前のように通勤をせず、自宅でゴロゴロする、そんな生活が続くと60歳代のシニアの体は筋肉を今まで以上に使わなくなる。知らないうちに使われない筋肉が失われて行く。
筋肉を失い始めて行くシニアは70歳以上の高齢者が多い。筋力の衰えが体に出始める高齢者である。下記のような歩き方をしているシニアを街中で見たことがあると思う。
歩き方が不自然なシニア
- バランスが崩れた歩き方
- 足を引きずるような歩き方
- 歩く速度が遅い歩き方
- 背中が曲がった姿勢で下向きに歩く姿
- 歩く時に両手が動いていない歩き方
- 歩幅が狭い歩き方
横浜駅周辺で70歳以上のシニアが歩く姿を観察してみた。明らかに何らかの運動をしている高齢者は歩く速度が速い。両手もしっかり動いている。仕事をしている人もしていない人もこの2つの要素は共通している。歩く速度が速くなると自然に両手も動く。同時に体全体に力強さを感じる。
普通の歩き方をするシニア
歩くのを見て不自然さを感じないシニアの歩き方
- 膝が上がって足が前に出ている
- 前を見て歩く
- 姿勢が良い
- 両手が右左と歩くと同時動いている
- 歩く時に体がよろつかない
- 速度がある歩き方
普通の生活が出来ているシニアは歩行で何も違和感を感じていない。歩くのが遅い高齢者を見て不思議に感じている。自分を基準に考えるとあり得ないことであるからだ。74歳の兄がこんな事を言っていた。
「足を活発に使う生活から離れると足腰の筋肉量が減ってきて筋が硬直し始める。足を真っ直ぐ伸ばすことができなくなり、膝を少し曲げた歩き方になる。」
70歳を過ぎ足を使う活動量が減ったシニアは気が付かないうちに足腰の筋力が落ちてきているのが分からない。それに気付くのは歩いている時に他人に抜かれて行く自分の姿である。早く歩こうと努力しても直ぐに疲れて遅くなる。
脚力を回復させるには!
一度失った脚力を回復させるには時間と忍耐と習慣付けが必要になる。この5つを続けることである。
- 1日8キロぐらい(1万歩)歩く
- 毎日スクワット運動をする(10回3セット)
- 毎日外出して脚を使う習慣を作る
- タンパク質の多い食事を摂る
- 硬くなった筋を伸ばすために入浴後にストレッチ運動を毎日行う
ポイントは足を使う生活習慣を維持することである。足を楽にする生活から足を鍛える生活に舵を取る。外出時にはエスカレーターやエレベーターなどを極力使わないで階段を使う。歩ける距離の場所に行くときは自動車やバイクや自転車を使わない。足を鍛える生活にシフトすることである。
諦めた時点で脚力はどんどん失われて行く。足の自由を失うとどうなるかを想像してもらいたい。行きたい場所に行けない不自由な生活になる。
ノルディックウォーキングで歩行強化
ノルディックウォーキングの説明動画
ノルディックウォーキングのメリット
1.ロコモ予防
加齢や運動不足などにより移動機能の低下した状態を予防する
2.90%の筋肉を使う全身運動
1時間当たり約400kal(通常のウォーキング/280kal)を燃焼する全身運動で筋力強化
3.短時間でも効率よく有酸素運動ができる
ノルディックウォーキングは通常の歩行と比べ、効率良く有酸素運動ができる
結論
老いてくると自分の歩き方がおかしくなる。歩幅が狭く、足が上がらず、体のバランスが取れず、ヨロヨロとゆっくり歩く。足腰の筋力低下が原因である。70歳を過ぎる頃から脚力が衰えてきたことに気がつく人が多い。定期的な筋トレや運動を習慣化していないと体の筋肉が毎年1%ぐらい失われて行く。その影響が足腰の筋肉に出やすい。
足を楽にさせる老後の生活が足の筋力を駄目にする。足を鍛える生活習慣を身に着けないと時間の問題で歩行障害が酷くなる。対策は簡単だが時間と忍耐が要求される。足を活発に使う生活をすることである。毎日外出して脚を使う。脚力強化のスクワット運動をする。意識して足を鍛えるしか方法はない。