96歳になって老人ホームに入居した義父を訪問した。30分間の訪問で話題が歩行障害になった。彼は歩行器なしに歩けない状態にある。彼曰く、「今はもう足が動かしにくい状態になった。老人ホームで行われる足の運動はもっと若い頃にやるべきであった。歩行が難しくなってしまうと足の筋肉を鍛えるのに時間と忍耐力が必要になる。」

足が不自由な生活は彼にとって苦痛である。後悔先に立たずではないが、60歳頃から足の筋トレ運動を始めていれば今後悔せずに老後の生活を楽しんでいただろう。

昨日、横浜駅西口地下にある有隣堂書店の近くを通り過ぎようとしたら、目の前に80歳から90歳ぐらいのお爺さんが歩いていたというか、足を引きずりながら動いていた。その姿が異様な姿に見えた。足を引き上げる筋肉(腸腰筋)が衰えて足を前に引き出せないで引きずっている。膝を曲げることも出来ないため、昔のロボットのように足が棒のようになって足を引きずる。

もし、つまづいて倒れたら自分で立ち上がれないのではないかと心配した。

脚力を失う一歩手前の状態がこのお爺さんの歩き方ではないか。足を棒のように引きずりながら、ぎこちないロボット歩きである。この老人はまだ幸せかもしれない。自分の足で外出ができるからだ。できるだけ外出して歩く運動を心がけるお爺さんだから望みがある。これが出来なくなると車椅子生活が始まる。自分で動ける範囲が制限される生活になる。

歩行器無しで歩けない義父のような生活、脚力を失う前に足の筋トレをしていなかったことを後悔する生活になる。足を鍛える簡単な方法がある。「階段の上がり下り」運動が筋トレを意識せずに鍛える方法になる。もし、階段を降りることが難しければ、階段を上がるだけでも足腰の筋肉を鍛えられる。

足を引きずらないで普通に歩くためには?

腸腰筋は、大腰筋・小腰筋・腸骨筋の3つの筋肉で構成されている。脚を上げる時に使われる大腰筋を鍛えると足を上げて前方に足を移動させるのが楽になる。大腰筋が弱くなってくるとももを上げる動作が辛くなり、姿勢も自然と猫背になってくる。老人の姿勢を眺めて欲しい。猫背の老人がたくさんいることが分かるはずだ。この原因は、大腰筋が衰えて来ているためである。

歩く時に足を上げる役割を果たす大腰筋を鍛える運動がある

強い意志を持って継続すれば、衰えていく脚力を早く改善できる。日頃の生活で簡単に実行できる大腰筋の筋トレは階段を使う運動である。

駅やデパートなどで見かける階段。エスカレーターやエレベーターを使わないで階段を上がり下りする運動である。大腰筋を意識して鍛えたい方は、階段を使う生活習慣を身につけることに尽きる。脚力に自信を持て始めたら、階段一段飛ばしを試してほしい。確実に足腰の筋肉を鍛えられる。

毎日の生活に階段を上がる習慣を身に付けるだけで足の筋力を意識的に鍛えられる。階段を上がり下りする事ができる高齢者ならば、何歳になっても足腰の筋肉を鍛えられる。大事なことは無理をしないで継続することである。

今年の目標の一つに「階段マニア」になるがある。駅の階段、デパートの階段、地下街の階段など全ての階段を上がり下りしている。エスカレーターやエレベーターを使うことが無くなった。相当、体が疲れている時以外は階段があれば階段を使う。毎回、駅の上がり階段だけは1段飛ばしで上がっている。他の階段は、普通に上っている。

無理をせず、階段を使うという運動習慣を身につけることを意識している。階段を使うという習慣が身に付けば自然と脚力が鍛えられる。意識して運動をすることなく、足を鍛えられるようになる。これが一番楽にお金をかけずに足を鍛えられる方法になる。

私が80歳、90歳代になった時に横浜駅の地下街で見たお爺さんのような歩き方をしたくない。あの姿を見たら誰でもが異様な感じを受けるだろう。「一体、あのお爺さんはどうしたんだ?」と異様な目で見つめられる。

年老いてきたら、体を楽にする文明の利器に甘えない!

普通の人たちは、当たり前のように自分の足で走ったり、歩いたりしている。その動作に何も違和感を覚えていない。それが普通の人にとって当たり前であるからだ。老人は違う。足が言うことを聞かなくなるという現実に戸惑う。足を鍛えないで楽な生活をしてきた付けが老後にやってきた

60歳代、70歳代の時に歩かないでタクシー、バス、自家用車などを使う生活習慣を当たり前のようにしてきたシニアは足の筋力を失う。老いてくると自然と楽な生活を求めるようになる。歩いて行ける距離を自家用車で行ってしまう。駅のエスカレーターに乗るために列に並ぶ。エレベーターを待つ。誰も使っていない階段は足を鍛えたいと思っている人達が使う。

まだ、自分の足に筋力が残って不自由なく歩けるシニアは、一度、足を棒のように引きずって歩いている老人の姿を想像してほしい。足を鍛えなければ、将来の自分の姿が見える。シニアは日常生活の中で意識して足を鍛えるべきである。それが運動習慣となって身に付けられれば老後の生活は良い方向に向かう。 

階段の上り下り:脚力の鍛え方

階段に何らかの恐怖を感じているシニア、ちょっと自信がないと思うシニア、少し不安だと感じているならば、下記の方法を試して頂きたい。

  1. 始めのうちは階段の上りだけにして下りはエスカレーターやエレベーターを使う
  2. 階段の上りで少しずつ下半身の筋力がアップしたら、手すりに手を添えて安全を確保しながら、下りでも階段を利用する
  3. 階段運動が気兼ねなく出来る場所を見つけておくと自分のペースで鍛えられる(駅などは他の人たちがいる)
  4. 毎日の生活の中で階段を使う場所を探す

70歳代後半から階段が怖くなるシニアが増えてくる。なぜ、70歳を過ぎると階段の上がり下りが怖くなるのか?

ちょっとでも階段に不安を覚え始めたら、上記の方法で足の筋トレをしてほしい。

もし、階段を使う足の筋トレが難しい場合は下記の方法をやってみてください。続けることが重要です。

結論

  • 目の前に80歳から90歳ぐらいのお爺さんが歩いていたというか、足を引きずりながら動いていた。
  • 脚を上げる時に使われる大腰筋を鍛えると足を上げて前方に足を移動させるのが楽になる。
  • 毎日の生活に階段を使う習慣を身に付けるだけで足の筋力を鍛えられる。