会社組織から独立して働き始めるとこんな気持になる。「会社組織の一員になって働いている自分を想像するだけで生きがいと気力を失いそうだ!」
13年間、一人でビジネスを展開していると時間と場所を自由に決められる自由を手放せなくなる。20歳代、30歳代の若者ならば、会社組織の中で色々知らないことを学べるので組織の中で働くことに抵抗感はないだろう。
何十年もの間、会社組織の理不尽を味わってきた60歳を過ぎた元会社員がまた会社で働くことに魅力を感じるだろうか。忍耐力が低下しているシニアは精神的なストレスに耐えられない。やりたくもない仕事、使い捨ての労働力と分かっているのに他人の組織に頼るのは苦痛である。
年齢という壁は思っている以上に高い。もう、会社に頼る生活は期待薄である。指向を変えて自分に頼る挑戦を考えるべきである。起業は誰にでも挑戦できる。やってみなければ分からない世界である。事前準備をする時間は十分ある。シニアの味方は暇な時間である。それをうまく活用すること。
起業経験で他人の組織の内情が透けて見える
雇用する側、経営者としてビジネスを展開する側に立つと雇用される会社員が目にすることがない事実を知ることになる。経営者と従業員の心理は180度違うからだ。経営者は会社を生かし続ける責任とリスクを背負っている。従業員は会社が提供する仕事を言われた通りすることで給与と労働環境が与えられる。
会社を生かし続けるには経営者がリスクを取って新しい事に挑戦する必要がある。既存のビジネスは時間とともに競争が激化したり、市場が縮小したり、旨味がない市場に成ったりする。その舵取りが経営者である。雇用される従業員は経営者の分身と成ってビジネスを成功させる活動をしてくれれば最高に幸せなのだが、現実はその逆の場合が多い。
再就職先の経営者の心理が透けて見える
従業員は会社のことを思うよりも自分たちの生活が良くなることしか関心がない。給与が増える、休暇が取れやすくなる、昇進するなどだが。元起業家が会社に再就職して雇用される側になるとその会社の経営者の器が見えてしまう。これが中小企業の社長であるならば、100%その社長の本音が分かってしまう。
会社員経験と起業経験に60歳という人生経験を加えると再就職先の年下会社員と調子を合わせるのが苦痛になる。シニアが起業家に成ったら、もう、他人が作った会社に再就職するのは苦痛になると思う前に年齢で再就職が出来ない。
自営業者としての道を選択すべき
60歳を過ぎたシニアは、会社に再就職する道を取らないで自分の得意なスキルや知識でフリーランサーとして生きていったほうが精神衛生上良い。仮に再就職できても年齢で必ず雇い止めになる運命が待っている。
フリーランサーは個人事業主である。個人事業主として生計を立てるには、自分の知識、サービス、スキルにお金を支払ってくれるお客を見つける必要がある。お金を支払ってくれるお客を見つけるには、営業力と告知力がないと自分のビジネスを知らしめることが出来ない。
ある知人は中小企業診断士の資格を取った。その資格で中小企業向けのコンサルティングサービスをして生計を立てようとしたが、営業力と告知力がないために資格と知識が生きないでいる。
これから起業するシニアは自分の営業力と告知力を強化する必要がある。この2つの要素が強ければ強いほど、売上をもたらすお客さんを見つけられる。
来年68歳になる私だが他社から再就職のお誘いがあっても断るしかない。自分でビジネスが作れるとその魅力に囚われる。一度起業すると成功しても失敗しても企業の魅力から離れられなくなる。鳥かごから逃げた小鳥のような心理状態になる。
個人事業主になるのは簡単で無料
- 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)
- 都道府県税事務所へ提出する開業に関する書類
- 青色申告承認申請書
- マイナンバーカード(本人確認)
上記の書類が必要になる。書類は所轄の税務署にある。参考になる記事があるので一読してください。
結論
- 再就職できても年齢で必ず雇い止めになる運命が待っている。
- 起業するシニアは自分の営業力と告知力を強化する必要がある。