日本の労働者の働き方改革が始まろうとしている。従来型の働き方、午前9時から午後5時30分、会社に通勤して残業。そんな働き方からリモートワーク、自由な仕事場、労働時間よりも労働生産性。さらに、副業解禁、他社での兼業や社内での兼業が出来る労働環境が生まれてきている。

政府は、シニアの労働力をもっと活用したいと思っている。定年を60歳から65歳に延長させたり、定年を廃止したりする選択が企業側で実行できるようになった。

しかし、シニアの働き方で何か新しい動きがあるかはまだ分からない。65歳までは再雇用契約で働き続けられるがその後は自分で自活して下さいというのが現状である。65歳以上のシニアを労働力として活用する新しい労働環境を提供する会社が生まれてきているのだろうか。

シニアが働きたいと思わせる労働条件と環境とは

既に定年退職、または、早期退職をしたシニアは、新しい生活スタイルを見つけられていない場合が多い。会社組織を一旦離れると生活のリズムを自分で作らないと精神的に苦痛を味わう余生になる。

会社での生活が長いシニアは、今までの仕事の延長線で働くことを望んでいるかもしれない。一旦離職したシニアは、自分にあった再就職先を見つけ難い。シニアの募集職種が、自分の過去の経験やスキルを活かす分野でない場合が多いからだ。

シニアが働きたいと思わせるモデル企業の創出

シニアの働き方改革を推し進めるには、シニアが働きたいと思わせるモデル企業を新しく作り出す事が一番良い。そんなモデル企業を沢山作り出して色々なシニアのニーズを満たせる労働環境を作り出す。

例えば、下記のようなニーズのシニアに対してモデル企業を創出する。

ニーズ(1)生活費を稼ぎたいシニア

・定年退職がない仕事で定年は自分で決められる会社組織で年金+10万円から20万円ぐらいの給与を頂ける会社

ニーズ(2)社会との接点を持ちたいシニア

給与の金額ではなく社会貢献事業を通して自分の存在を仲間と一緒に認識できる仕事と組織

ニーズ(3)自分のスキルや知識、そして、経験を活かしたいシニア

・過去の経験、スキル、知識を活かしてシニア同士が創業できるインキュベーション組織

シニアのためのシニア起業」でシニアが働ける場所を作る

シニアが求める労働環境を満たす会社組織は、シニアしか作り出せないと私は思っている。シニアによる起業がこれから増加してくるが「シニアのためのシニア起業」を後押ししてくれる政府、民間組織を増やすべきだ。上記以外のシニアのニーズがきっとあるはず。そのニーズを意識しているシニアがイニシアチブを取らない限りシニアの働き方改革は生まれない。

シニアによるシニアのための会社創業で有名な株式会社高齢社がある。こんな会社がいろいろな分野で増えていくことがシニアの働き方改革の一歩ではないか。

60歳代のシニアはまだ若い。働く上での体力と気力はまだ残っている。これが70歳を過ぎると身体的に苦しくなる。できれば、60歳前半のシニアがシニアが働きやすいビジネスモデルを作り、シニアによるベンチャー企業を増やす。コロナ禍で物理的なオフィスを保つ必要がなく、全てテレワークとリモートワークでできればオフィスで発生する固定費を削減できる。

専門分野を持つシニアが大勢集まれば、コンサルティングサービス会社が作れる。または、オンラインストアで販売できる小物製品を作れれば、それで各自が稼げる。そのためのオンラインストアの開設と運営をシニアベンチャーがやれば良いだけである。

結論

少子高齢化で若い労働者の数が減少している。足りない労働力を補うためにシニアの労働者を活用したいと政府は思って働き方改革を打ち出している。会社は喜んで60歳以降のシニアを労働力として活用しようとはしていない。シニアが出来る仕事と出来ない仕事がある。

コロナ禍で社会人の働き方が変わってきた。テレワークやリモートワークで必ずしもオフィスで働く必要がなくなってきている。在宅ワークやリモートオフィスでの労働が選択肢として浮上している。だが、シニアが快適に働ける新しい形態の組織は増えていない。

結局、シニアが働ける労働環境はシニア自身が創出するしか無い。