定年退職後は、自由になる時間がたくさん生まれる。再就職を試みても上手く行かない。今後の人生の見取り図があれば、そちらに時間を費やすのだが、見取り図が無い。そんなシニアであふれている。再就職先を探すのも良い選択だが、いづれ年齢の壁で職をまた失う運命にあるという事を認識すべきだ。
誰かに雇われる人生から自分を雇う人生にシフトする時期が今である。自由になる時間がたくさん生まれれば、その時間を使って「お金を作る方法」を探せる。これに挑戦できるのは、心身共に元気でないと「お金を作る方法」を探せない。試行錯誤が必須だからだ。多くの失敗の上で初めて「お金を作る方法」を探し当てられる。
2021年の社会はコロナ感染で大きな変化の真っただ中にある。会社社員にリモートワーク、在宅ワーク、副業、複業、兼業を勧める、または、義務付ける会社が増えている。政府も新しい働き方改革というキャンペーンを試行して大手企業に弾力性がある労働環境を再構築するようプレッシャーをかけている。リクルートは、30歳までを「新卒扱い」として採用する方針を決めている。
今までの常識が常識でなくなる時代を迎えている。シニアは今までの常識に囚われない発想でお金を稼ぐビジネスニーズを嗅ぎつける必要がある。
シニアしか気が付かない隙間市場を狙う
老人の心理とニーズは同じシニアが一番分かっている。元気なシニアは、他人の助けを必要とする弱くなったシニアを助ける仕組みを考えるべきだ。その仕組みを有料サービスにすれば、自分でお金を作り出す事が出来る。
介護保険制度が提供できないサービスを考える
介護ヘルパーサービスを利用した事が有る方ならば、介護保険で提供されるヘルパーサービスに限界があることに気が付くはずだ。痒い所に手が届くようなサービスが無い。その部分は、家族が提供すべきだという姿勢が政府にある。現実の話、家族がその部分を満たす事が出来ない。
これから政府は、「介護保険外サービス」を民間が提供する環境を整えて行く。どの様な保険外サービスが実際のニーズを満たすかどうかは、やってみなければ分からないという現状がある。若者たちが頭で想像してシニアのニーズを満たそうと思っても分からない部分が多過ぎる。これは、元気なシニアしか出来ない新しい仕事になる。
元気なシニアが困っているシニアのニーズを自分なりに解決できる方法を知っているならば、それを有料サービスに出来る。
元気なシニアが作り出す有料サービス
こんなサービスが生まれている。
- 直接的な「会話」そのものをサービスにする
- 人との触れ合いやコミュニケーションをサービスにする
- 会話が生まれる時間を作るサービス
- 家庭内労働力の代替えサービス
- ちょっとした日常の困りごと支援サービス
- 人と触れ合う「場」や参加できる「場」を提供するサービス
- 「自分らしい暮らし」をサポートするサービス
- 「行ける所に行くのではなく、行きたい所に行く」外出支援や旅行サービス
- 高齢者に笑顔を増やすレクレーションサービス
これらの有料サービスは、既に少数の事業者が挑戦をしているが、市場はこれから広がって行く。地域密着型のサービスが求められるのでその点で元気なシニアはチャンスがある。
一人で考えずに2,3人の有志が集まってシニア向け有料サービスを考えたほうが良い。自分自身のQuality of Lifeを求める上で何を求めるかを考えれば自ずとヒントが見えてくる。
参考文献:(保険外サービス活用ガイドブック)
70歳を過ぎたシニアならば、老化による体調の不具合や足腰の筋肉の衰えなどを経験しているはず。シニアが困ることを経験していれば、その問題を解決する方法をサービス化できる。シニアはちょっとしたことでも出来なくなる。一人で生活をしていた義父はゴミ出しが出来なかったのでゴミ出しだけをやってくれる地域福祉会サービスを利用していた。
足が不自由になると外出して行うこと全てが困難になる。葉書や封筒をポストに入れられないとか、ちょっとした買い物がコンビニで出来なくなるとか、常識で考えれば簡単にできることが出来ない現象が生まれてくる。
年配の老人の生活を観察して何が不自由でどうすれば助かると思ってくれるサービスを考えてみることである。
結論
- 元気なシニアは雇用される仕事を探すのではなく、自分を雇用してお金を作り出す方法を探すべき
- シニアのニーズを知っているのはシニア
- 介護保険外サービス分野が狙い目