自分が生活する世界は、隣の人が生活する世界と違う。シニアは各自それぞれの世界で生きている。生活水準も違う。人生の価値観も違う。子供がいる、いないで人生も変わる。100人いれば100通りの世界があり、その人だけの老後の生活がある。老後の人生は、決してお隣さんと同じではない。
本屋に行けば著名人による老後の過ごし方、考え方について書かれた本がたくさん出版されている。自分が住む世界は、著名人が描く老後の世界と同じではない。他人の老後の世界を垣間見るという点では面白いが、決して自分の老後の生活では役に立たない。
65歳でノマド生活をしている自営業者の世界は、著名人が本で描くシニアの老後の生活スタイルとかけ離れている。
著名人による老後の過ごし方や考え方は自分とは違う
他人は他人。シニアは自分独自の老後の過ごし方を組み立てて行くしかない。老後を楽しむには何に価値観を置いているかである。。各自の生活はその人が持つ価値観で作られて行く。還暦になった時に中学の同窓会に参加して人それぞれの人生がある事を改めて知る。老後の生活に何を求めるかでその人の人生が形付けられて行く。
老後は何を中心に考えて過ごすのか?
私の老後は、家内と一緒にいる時間を楽しむためにあると思っている。夫婦の生活が楽しくなければ、老後の生活はつまらない。65歳を過ぎれば、もう、会社のために自分の時間を犠牲にする必要はなくなる。もう一度新婚時代に戻って二人だけの生活が楽しめる。
自分の運命は誰も分からないから、健康で元気なうちに二人でいられる時間を楽しみたい。子供たちも大人になり、自分たちの人生を歩み出している。親は、ただ、見守るだけだ。人間としてやるべき義務は一応終えた。もう一度自由になった時間を楽しむ機会が与えられる。
仕事は家内と一緒にいる時間を楽しむ生活資金を作ると同時に自分の生活のリズムを維持するためにある。一緒に旅行する機会を増やして毎日家内が炊事、掃除、洗濯をする苦労を旅行で癒やす。65歳になれば、健康で元気に生活できる時間が限られてくる。お互いに元気で生活が出来る健康がある時に一緒にいる時間を旅行で楽しみたい。
お金を貯めると同時に使うタイミングを間違わない
お金には賞味期間がある。60歳、70歳で使うお金と80歳以降に使うお金では、お金がもたらす価値が違う。お金を使う事で感動と充実感を得るのだが、肉体が衰えるとその感受性が低下して楽しめなくなる。お金は普通の生活が出来ている間に使うのが一番価値がある。
多くのシニアは老後の生活のためにお金を貯める。お金を貯めるだけの生活に陥るとお金を使う楽しみの機会を見失う。年金収入プラスの収入があるならば、月に1度は夫婦で貯めたお金の一部を使う楽しみを味わうべきである。いつまでも一緒にいられるという時間は限られている。
夫婦で一緒に使うお金と一人で使うお金では、楽しみを味わえる程度が相当違う。人生は一人で楽しむよりも夫婦二人で楽しむほうが2倍良い。美味しい食べ物、旅行、趣味を夫婦で楽しめればそれが最高である。楽しい時間を過ごすに大金は要らないがちょっとばかりのお金がいる。
老後の生活のために貯めたお金を老人ホーム入居資金や病気になった時の治療費だけに使うのは後ろ向きの老後対策である。前向きに残りの人生を楽しむために働いて溜め込んだお金の一部をタイミング良く使うべきである。お金をためて使うタイミングが何故か一緒の時期に位置している。
60歳から70歳の10年間に老後の生活を楽しむために働く。お金を貯めて使うという時期である。この時期にお金を貯める事だけに固守するとお金が溜まってもお金を有効に、人生を楽しむために使えない。
本や雑誌に登場する有名人の老後の指針はその人の価値観を表す
著名人が書く老後の生活はその人の老後のあり方を描いているだけである。読んで参考になるが、直ぐにそのスタイルの一部を自分の老後生活に使えない。理想と現実がある。老後のライフスタイルは、各自が決めることである。他人のライフスタイルはあくまでも参考程度にして我が道を行くのが自然であると思う。
貧乏な生活を送っている著名人による老後の生活を描いた本は出版されていない。著名人は一般のシニア以上の裕福な生活環境で理想論を描いている。こう有りたい、ああ有りたいと。その理想に踊らされないことである。自分の老後は、現実の沿った老後でしか無い。自分が置かれている現実の環境で老後の生活指針を作るしか無い。
結論
- 自分が生活する世界は、隣の人が生活する世界と違う。人それぞれの世界で生きている。生活水準も違う。人生の価値観も違う。
- 他人は他人。自分は自分で老後の過ごし方を組み立てて行くしか老後は楽しめない。
- 私の老後は、家内と一緒にいる時間を楽しむために時間を使いたい。