若者は老人について知識がない、関心もない。老人は若者の状態がわかるが、若者は老人の状態が分からない。老人はむかし若者であったから若いときのことを思い出せる。若者は老人にならないと老人であることがどのような意味を成すか分からない。

最初に身体の変化を老化で感じ始めるのは還暦を過ぎた年齢になった時である。自分の体がこんな事を言い始める。

  • 朝起きた時に両手の指にこわばりを覚える
  • 階段の上り下りで息が切れ始める
  • 夜中に足に痙攣を起こす

今まで経験したことがない体の変化に気付き始める。今まで当たり前出来たことが何故か出来なくなる。60歳になったら身体にこんな現象が起きる、70歳を過ぎたらこんな事に気をつけろと言う情報が伝えられていない。身体が老化すると当たり前のことが出来なくなる。老人になってみないとその意味を体感できない。

誰も教えてくれなかった体の変化

シニアは年齢とともに病院通いが日課になる。突然、今まで経験したことがない病気で病院に行き始める。人間ドックを受ければ、糖尿病予備軍であると伝えられる。検便で大腸内視鏡検査を受けて下さいと知らされる。今まで経験したことがない病気や現象が還暦を過ぎると起きる。

帯状疱疹ヘルペス

頭の髪の毛を触ると何故かピリピリして痛い。1週間ほど様子を見ても治らない。痛みはますますひどくなる。医療クリニックに行って「帯状疱疹ヘルペス」に成っている事が分かる。60歳代が一番帯状疱疹ヘルペスウイルスに感染されやすいと医者から聞いた。

こんな事は事前に知らされていなかった。事前にこの知識があれば、酷くなる前に治せたはず。私の場合は、完治するまでに1か月ぐらいかかった。原因は、体の免疫力の低下で体内に住んでいる水疱瘡のウイルスが暴れだしたためである。体の免疫力が急激に低下し始めるのが老人になった証拠と言える。

朝、腰痛で目が覚める

朝起きた時になぜか腰痛がある。今までは朝起きた時に腰痛などなかった。こんな事は初めてだった。色々と調べた。老化が原因で腰の周りの血液循環が悪くなっているということである。治すには、寝る前の腰痛防止運動をすること。5~6分、腰回りの運動をして寝ると朝起きた時に腰痛を防げるようになる。こんな事、誰も教えてくれなかった。

忍耐力が落ちて子供の声に耐えられない

カフェで仕事をしていると子供連れの若い母親たちがやってくる。子供たちの声がカフェ内に鳴り響く。以前は、子供の声にそれほど敏感に反応しなかった。60歳を過ぎるとなぜか体が耐え切れなくなる。直ぐに手元にあったイヤホンを耳に差し込む。体の忍耐力が落ちて来たのだ何故、忍耐力が落ちてきたのだろうか。

忍耐力が落ちてくると気が短くなり、感情が荒れはじめる。老人が良く切れるということが頭に過ぎった。ちょっとした事で過剰反応してしまう。これも老化現象なのか。こんな事、誰も教えてくれなかった

握力の低下で懸垂が出来ない

スポーツセンターに行って懸垂をした。握力が弱くなって長く鉄棒にぶら下がっていられないため懸垂する腕の力があるのに回数を増やせなかった。知らないうちに握力が弱まってしまった。体重に握力が負けてしまった事実に驚く。若い頃は、握力が50キロぐらいあった。今は、握力が35から40キロぐらいしかない。握力は体全体の筋力を示すバロメーターだと言われる。

私の筋肉が知らないうちに減ってきた。75歳以上の老人が杖を使って歩いている理由がわかる。足の筋肉が老化で減ったためである。年寄りになると楽をしようとする。体を動かす機会が少なくなり、自然と筋肉を使わなくなる生活になる。足は特に顕著で外を歩かなくなる。足を活発に使わない生活が足の筋肉を急激に減らす。誰もそんなことを教えてくれない。

60歳を過ぎた頃から意識的にスポーツセンターで筋力トレーニングを週1回から2回に増やしている。60歳代のうちに筋力トレーニングをして筋肉貯金を貯めて80歳を過ぎても普通の生活が出来る体力と筋力を維持するためである。

結論

若者たちは、私と同様に老人になるとこんなことが発生することを知らない。目に見えない体の変化、精神的な変化が老人の体に起きている。66歳の私だが、70歳の声を聞く前に教えてもらってないことがいくつも経験することになる。年配の人達は、インターネットで情報共有が出来ない。私はできるだけ自分の老化体験をこのブログに書いてこれから還暦を迎える人たちに注意を呼びかけたい。