20代から50代は、社会での競争で明け暮れる。相手は、その年代の人たちだ。会社ならば出世で競争。事業ならば、売り上げと利益で競争だ。絶えず、競争する相手がいる。それは、自分ではなく他人の場合が多い。他人との比較で強い、弱い、偉い、偉くない、金持ち、貧乏といった感じになる。
これが、60歳を過ぎると一変する!!
自分の寿命が見えてくると・・・お金の価値が変わる
誰もが自分の寿命を意識する時が来る。私の場合は、60歳になった時である。ビジネスで売り上げを伸ばすだけが人生の生きがいではない。どんなにビジネスで成功しても儲けたお金を置いて他界したら今までの競争は何だったのだろうかと思うはず。
それが、60歳を過ぎて体の不調を経験すると自分の寿命を意識し始める。何の前触れもなく、体に不具合が生じる。今までこんな事はなかったはずなのに、なぜなんだと!その不調が老いから来る物である事に気がつき、自分の寿命を考え始める。
68歳の知人ともこの話をした。お金を沢山稼いでも使える年齢は60歳から70歳ぐらいではないかと。お金を使って楽しむという意味合いである。体がまだ健康で体力がある時は多少の無理も耐えられるので長期の海外旅行も出来る。胃の調子も良いので美味しいものを沢山食べられる。足の筋肉も衰えていないので足で動くと言うことに不自由を感じない。
つまり、自分の体を不自由なく使える年齢を過ぎると生活が普通でなくなると言うことである。こうなると他人との競争ではなく、自分との競争になる。自分に与えられた体を不自由なく使える年齢をどうしたら伸ばせるかが命題になる。
普通の生活を誰よりも長く維持できた人が人生を楽しむ上での勝者になる!!
健康を害して病院生活から離れられなくなればどんなに大資産家でも人生を楽しめない。お金が物を言わなくなる。貧乏な老人でも健康で普通の生活が出来るならば、その人が人生の勝利者になる。ただ、長生きをしていれば人生の勝利者になれるというのではない。普通の生活が出来る体であることが前提条件になる。
普通の生活を自分で維持できる体を所有しているかどうかで余生の楽しみ方が変わる。
体が丈夫で仕事があれば、生活の面であまり問題は無い。お金がなくても自分の人生を楽しませることはできる。若い頃の貧乏生活の中で好きな彼女と一緒にいるだけで幸せ感を味わったことを思い出して欲しい。幸せ感はお金では買えないもの。
シニアになると自分との競争になる。若い頃は普通の生活は当たり前。シニアは普通の生活が当たり前でなくなる。そんな時が必ず来る。その時期を出来るだけ遅くする事が出来るシニアか、出来ないシニアかで余生の楽しさが変わる。家族や介護ヘルパーの手を借りる余生では面白くない。自分の力で楽しめる余生にするには健康寿命を伸ばすしか無い。
普通の生活を維持できる時間(健康寿)を延ばすにはどうしたら良いのか?
定年退職をしたシニアは、生活のリズムが崩れる。自分で自分に合った生活のリズムを作り、習慣付けをする必要がある。それを簡単に作るには、新しい仕事を見つけて働くことだ。これが一番簡単。生活のリズムは、新しい仕事場が作ってくれる。
仕事が出来ない、探せないシニアは、新しい習慣を作るしかない。出来れば、週に何回か同じ年代のシニアと顔を合わす地域の活動に参加するのが良い。定期的に顔を合わして何らかの社会活動をすることで新しい生活のリズムが生まれる。自分が自宅で一人になる時間をできるだけ少なくして外で何らかの活動をする時間を増やす。
健康な体を維持するには、体を動かし続ける事である。マグロが泳ぐことを止めたら死ぬと言うことと同じ。老いてくると筋肉が衰えてくる。筋肉を刺激し続けて筋力を維持しないといけない。そのためには、定期的な筋肉運動や体を動かす野外活動が必要になる。
週に1度か2度近くのスポーツセンターに通うことをお勧めする。スポーツセンターで筋力トレーニングをする習慣を作る。特に足と上半身の筋肉を鍛える事が大切。翌日筋肉痛を感じるほど筋力トレーニングをする。筋肉痛を起こすと言うことは、痛んだ筋肉繊維を回復する過程にあると言う意味である。この時、成長ホルモンの分泌がある。成長ホルモンは、体の免疫力を強化する。免疫力の強化は、体の健康を増進させる。
結論
新しい生活のリズムに筋力トレーニングを追加することで普通の生活を持続する健康と体力を維持できる。余生を楽しむには自由に動き回れる体が必要。お金を稼ぐよりも健康を維持する時間に投資すべきである。