お金はついて回る。昨日の新聞で80歳以上の老人の金融資産の減り方が1割から2割という調査結果が出た。シニアは節約生活を続ける。69歳の私は仕事で使うパソコン以外に高価な物品を買うことがない。消耗品は数千円単位で済む。そのため、貯蓄はあまり減らないで少しづつ増えていく。

ある程度の経済力があるシニアならば、生活をしていく上でお金で困ることはない。衣食住のうち、生きていく上で必要な「食」しかお金は使わない。衣類は長持ちするし、たくさんストックがある。女性と男性では衣類に対する欲求が違うが、男性はストックした衣類を使い潰すだけ。

「住」は購入したマンションのローンが終わり、管理費や駐車場の料金ぐらいの月額出費で済む。あとはリフォームをするときに大きなお金が出る。それさえ用意しておけば何もお金で心配することはない。老いてくれば、活動頻度も制限され交際範囲も狭まる。消費に使うお金は減る。

受け取っている年金の金額範囲で毎月の生計が維持出来ていればシニアは生きていく上で困らない。困るのは自分の身の回りの世話が出来なくなったときである。病気、フレイルなど対策で健康維持費用が増えてくる。60歳代で働いているシニアは健康維持対策のための貯蓄をすべきである。老人ホームへ入居する年齢をできるだけ遅くすることで大きな出費を抑えられる。

普通の生活を自宅で続けるために健康と体力を維持する対策をしていれば、多額の老人ホーム用資金を貯める必要はない。不自由な体で老後の時間を老人ホームで費やすのはつまらない。普通の生活ができる体と健康があれば、余生を楽しむ範囲と自由度が広がる。

肉体が老いてくると

  • 医療費は老化が進むに従って増えて行く。同時に医療施設で時間を潰すことも増えてくる。健康であれば、これらのムダをなくせる。
  • 体力が落ちると外に出る意欲が落ちて自宅での生活が中心になる。外で何かを楽しむチャンスがなくなる。

57歳のシニアは肉体を鍛えてこんな変貌を遂げた。

big change

長生きをして余生を楽しみたいならば

今の生活を続けられるならば長生きをしたいと思っているシニアはいる。ただ、老いからは逃げられないが、普通の生活ができる体力と健康を維持できる期間を伸ばせる。自宅で自分のお世話ができる体力と健康さえあれば、普通の生活を楽しめる。

老人ホームでの生活は介護スタッフのお世話に頼る生活である。自分一人の力では普通の生活が出来ない。長生きをしても普通の生活が出来ない健康と体では意味がない。お金があり、使い道が定かでなく貯めるだけならば、これからやってくる体力の低下と健康障害の予防にお金を使うべきである。

お金を体力強化に使う

60歳を過ぎたシニアの体は普通の生活で年1%の筋肉量を失う。75歳前後で筋肉量の低下で歩行困難を体験し始める。筋肉が一番多くある下半身の筋肉量が減って足を快適に動かせなくなる。この現象は誰もが時間の差があれ経験する。体の筋肉量を維持、強化してきたシニアだけは歩行困難を予防できる。

毎年健康診断や人間ドックを受けると医者から必ず言われることがある。定期的な運動(毎日外出して歩いて)をしてくださいと。体を積極的に動かさないと体が硬くなったり、関節の可動域が狭くなったり、耐久力が低下したり、重たいものを持てなくなったりする。筋肉を使わないと筋肉を維持できない。

一度、何かの病気で1週間ぐらい病院に入院したことがあるシニアならば、このことが十分理解しているはず。入院生活が長いと足の筋肉を使わなくなる。人間の体は生活環境に適応するので使わなくなった筋肉を環境に合うように減らしてくる。病院を退院するときに歩くためのリハビリが必要になる。

老後の生活も同じである。体の筋肉を活発に使わない、体にとって楽な生活を続けると体は筋肉量を減らしていく。自分の足で歩かない生活をしていると歩けなくなる。シニアの体は若者と違って意識して体を鍛えないと筋肉を失いやすい。

困ったことは毎日散歩して歩いていればそれで大丈夫!ではないという事である。シニアの筋肉を増やすには筋トレが必須になる。特に下半身の筋肉を鍛えないと歩行障害を予防できない。筋肉を維持強化するには継続して筋トレをする必要がある。3ヶ月やればそれで終了とはならない。筋肉維持と強化は終わり無い。それがシニアの宿命である。

加齢による身体機能の衰えを感じたら何も考えずに筋トレを始めること

お金を健康維持に使う

健康を保つために何をしていますか?

  1. 朝夕の散歩を欠かさない
  2. 睡眠を十分取る
  3. 栄養バランスに注意しながら食事をする
  4. 健康体操を毎日する
  5. 水分補給を意識してする
  6. アルバイトやパートの仕事をして社会との接点を持つ
  7. 趣味に没頭する
  8. 生活に刺激を求めて毎日外出する
  9. 友人・知人・家族とお喋りをする
  10. 毎年健康診断を受ける

健康には肉体的と精神的の両面がある。上記のリストはあくまでも参考までであるが、もし、一つも実践していないシニアならば、今からやってみることである。そのためにお金が発生するならば、そのためにお金を使うべきである。

私はお金をこんな健康維持に使っている。

  • 地区のスポーツセンターにある筋トレジム利用料300円(3時間)、週2回
  • 食事で取り難い亜鉛を健康食品で取る(男性ホルモンのテストステロンを増やす)
  • 毎年健康診断や人間ドックのどちらかを受ける(早期発見、早期治療)
  • 腸内環境を良くするため朝と夕方必ずヨーグルトを食べる
  • タンパク質の多い料理を意識して食べる(筋肉を作る材料を用意する)

食欲は死ぬまでついて回る

私の義父が今年2月に96歳で他界した。酸素濃度低下を治療した病院から老人ホームに帰る介護タクシーの中で彼が必死になって伝えようとしたことがあった。ただ、声が出ていないので私達には聞き取れなかった。老人ホームに帰宅したときに介護担当の施設スタッフが義父が何を言いたかったかを突き止めてくれた。

彼が介護タクシーの中で訴えたことは「お寿司はどうなったのか?」であった。毎週、老人ホームでは特別食を有料で注文ができる。彼が入院した週にお寿司の特別食が用意されていた。そのお寿司を彼は食べたかったのである。私達はもっと大事な事を期待していたのだが、食べたいお寿司のことを心配していたことに驚きの笑いが出てしまった。

数日後、彼は他界した。死ぬまで食べたいものに意識が行っていたことに驚く。96歳になっても老人ホームで出される食事はいつも完食していた。この老人ホームの食事は美味しいといつも言っていたのを覚えている。

余生を楽しむならば、食欲に従う生活が良いかもしれない。食べたい物を食べる。老人は今食べないと後で食べられない。月1回ぐらいは食べたい料理を外食する楽しみがあっても良い。

 

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結論:

お金は健康と体力維持のために使う。そして、食べたいものを今食べる。シニアには美味しい物をあとに残して楽しむだけの時間がない。お金は使うタイミングが大事。お金を貯めることが趣味になってはいけない。死への不安はお金を貯めてもなくならない。それよりも生きている間に楽しめる体力と健康にお金を使うほうが理に適っている。