最近の銀行は利便性が悪くなった。店舗とATMの数を減らしている。その上、ATMの利用時間帯で制約を増やし、手数料を取っている。窓口に行ってもすぐに相談に乗ってくれない。事前予約をしないとすごく待たされる。

今、シニアが新しい銀行口座を開設しようとするとウエブ通帳になる。紙の通帳を使うには月々、または、年間使用料を支払うことになる。スマホアプリで口座を開設させることを勧誘している。シニアにはそれが出来ない場合が多い。スマホを持っていないシニアもいる。持っていてもアプリのインストールから設定まで自分では出来ない。

オールドテクノロジーで生きて来たシニアにとって、今の銀行サービスは問題が多い。私の義父が利用している昭和信用金庫のATMは1日の引き出し限度額10万円である。ゆうちょ銀行や大手銀行のATMでは50万円が標準である。

シニアは通帳の無料発行、ATM数の増加、利用時間の拡大、手数料なしを求める

シニアは手で触れる、目で見える通帳が手元にあると安心する。気楽に現金を引き出せるATMはシニアでも取り扱いができる。銀行の窓口を使うのは面倒であると思っているシニアが多い。

自分のお金の出し入れで手数料を取られることに違和感を覚えている。銀行の支店数やATMの数が少ない銀行に口座を持つと利便性にかける。お金が必要な時に必要なだけ引き出せたり、振り込めたりする銀行を求めている。

銀行側は人件費の削減、店舗の維持費削減、ATM維持費の削減で利益を出そうとしている。手間暇や経費がかかる窓口業務や通帳は銀行側の都合でコストカットしている。利用者の利便性が失われている。その利便性をスマホアプリで代替えようとするが、シニアには無理がある。シニアが一番お金を銀行に預けているのにシニアへのサービスを落としている。

ウエブ明細表示よりも紙の通帳

70歳以上のシニアがパソコンやスマホアプリを使ってウエブ明細を見ることができるか。パソコンやスマホアプリを理解して使い慣れていないとマイページへのログインも出来ない。初期設定でユーザーIDとパスワード設定をして自動記入ができるようにしてもセキュリティーの都合で二要素認証のワンタイムパスワードを求められる。

こんな面倒なことをするよりも紙の通帳を使えば、ATMで記帳アップデートができる。シニアにとって紙の通帳を使うことが最も簡単である。その利便性を銀行側は有料サービスにしてしまった。お金がない若者たちはウエブ明細書やスマホアプリを問題なく使える。シニアは出来ない人が多いから、そこからお金を頂くという道筋が見える。

みずほ銀行では、2021年1月18日以降に新たに開設された口座で紙の通帳を利用する場合、通帳発行・繰り越しごとに1冊1,100円の手数料がかかる(70歳以上の利用者は無料)。

三井住友銀行でも2021年4月1日以降に新たに開設された口座で紙の通帳を利用する場合、年間550円の手数料が引かれる(18歳未満または75歳以上は対象外)。

シニアが新しく銀行口座を開く上で通帳のスマホアプリ化は大きな障壁になる。 

現金の預け入れ、引き出し、振込はATMを使うシニアが多い

シニアは銀行の店舗に行くよりもATMがある場所に行く回数が多い。そのため、ATMで時間を費やしているシニアを多く見かける。現金の預け入れ、引き出し、振込などをATMで行うのだが、若者たちと違って手間を取っている。

取り扱い手数料が銀行の窓口よりもATMが安い。そのため、シニアは最寄りのATMに向かう。問題はATM台数がこの数年のうちにだいぶ減らせれてきているため列ができやすい。ATMを使うのに待たされるのが当たり前になりつつある。

最近分かったことは日常のお金の出し入れでセブン銀行が一番利便性の面で高いということである。セブンイレブンの店舗にセブン銀行のATMが置かれている。その数が銀行のATM数よりも多い。私は昨日セブン銀行の口座を作った。万が一、現金が直ぐに必要な時にセブンイレブンの店舗に飛び込めば原則24時間365日ご利用できる。ただし、週末・平日関係なく引き出し時間帯が朝7時から夜7時まで無料、それ以外は110円の手数料が発生する。
https://www.sevenbank.co.jp/personal/netbank/dealings/atm.html

キャッシュカードを忘れてもスマホにセブン銀行のアプリが入っていれば、そのアプリがキャッシュカードの代わりをしてくれる。

セブン銀行の口座開設
https://faqsearch.sevenbank.co.jp/faq_detail.html?id=10998

利用時間と手数料

私は自分のお金の出し入れに通帳とキャッシュカードを使ってATMを使う。そこで問題になるのが無料でお金の出し入れができる曜日と時間帯である。みずほ銀行の事例として使うとこんな感じである。

 

みずほ銀行ATMの利用時間帯と利用手数料

・みずほ銀行ATM

時間帯      手数料   利用可能
8:00~8:45   110円    可
8:45~18:00   無料     可
18:00~21:00  110円      可
21:00~24:00  利用不可    不可

・平日、土曜、日曜、祝日

上記時間帯は全て みずほ銀行ATM に適用される。

 

三菱UFJ銀行のATM設置場所では場所によって朝6時から24時まで、土曜、日曜、祝日関係なく無料でお金の出し入れができるATM店舗がある。そんなATM店舗を見つけたので利用している。お金の出し入れの時間帯と曜日を気にしないで利用できる銀行のATMを最寄りの場所に見つけると非常に助かる。

例えば、横浜駅前支店のATM 利用時間・ATM利用手数料 土曜、日曜、祝日関係なく無料でお金の出し入れができる時間帯 朝8時45分から夜21時まで

現金で生活をするシニアたち

クレジットカードを持っていても暗証番号を覚えていられないシニアが多い。そんな時はサインによることになる。最近はタッチ決済ができるクレジットカードが増えてきているが、支払金額が1万円以上であると暗証番号かサインになる。その仕組もシニアは知らないので問題が起こる。

現金であれば、使い方を知っているので何も問題は生まれない。それ故、シニアはお金の使い方が簡単で単純な現金決済を優先する。カードをたくさん持っていると銀行のキャッシュカードなのか、クレジットカードなのか識別がつかなくなる。カード決済は使い慣れると便利であるが、シニアにとっては壁が高い。

若者とシニアの違いはキャッシュレスか、現金かの違いである。現金は金額が少額であれば万能の決済手段になる。キャッシュレス決済は制約がある。使えるお店が限定される。スーパーでシニアがお買い物をしている時、現金払いをしていることがほとんどである。私も現金払いである。

結論:

デジタル化の波に乗り遅れているシニアは多い。クレジットカードや電子マネーなどお札でない見えないお金は使い慣れていない。日常生活で使うお金は現金。大きな額のお金の出し入れは銀行の窓口に行く。その中間にATMがあるが、制約が多いため苦労する。

私のようにデジタルの世界で仕事をしているシニアならば、キャッシュレスの世界でもやっていける。インターネットバンキングも利用できる。ただ、普通のシニアはそうはいかない。デジタルマネーの仕組みと使い方を理解できていないため、使い慣れた現金になる。現金は手で触れ目に見えるという安心感がある。

シニアにとって目に見えない、手で触れないデジタルマネーは怖い。知らないうちにお金が消えてしまっているかもしれないと思う。スマホの銀行アプリがなければ残高や利用明細もわからない。通帳であれば、直ぐに目に見える。

銀行の店舗やATMの数が減ってきてシニアは困っている。銀行窓口でもATMでも取扱手数料が高くなった。オレオレ詐欺の悪影響で50万円以上の送金も出来ない。ATMでのお金の出し入れはスマホのアプリよりも簡単であるのでシニアでも対応ができる。ただ、取り扱い金額と利用時間帯で制約がある。

最近、気がついたことだが三菱UFJ銀行のATMはお金の出し入れで利便性が高い。土日祝でも無料で使える。大手銀行は土日祝での利用で手数料を取る。自分にとって利便性が高い銀行サービスを見つけられれば老後の生活も問題が少なくなる。