60歳、65歳で定年退職したシニアは、仕事を探すのだがいつまで立っても新しい仕事が見つからない現実の壁にぶつかる。誰もが同じ壁にぶつかるわけではない。すぐに仕事を見つけるシニアもいる。新しい仕事を見つける目の付け所と気構えが違う。世間一般的な仕事の探し方ではいつまで立っても新しい仕事はやってこない。
シニアは、新しいことに対して積極性に欠ける。分からないことには、関わりたくない。新しいことを受け入れて追求するという姿勢のシニアは少ない。
新しい仕事を見つけるには、人材登録会社などに頼らないことだ。自分で働きたいという会社を見つけて直接その会社の社長にアプローチすることである。それを可能にする方法を考えて準備する。それが出来るシニアは、時間の問題で新しい仕事を見つけられる。
自分がやりたい事、それが出来る会社を探しアプローチし続ける
60歳、65歳を過ぎれば自分の人生経験からどんな仕事をやりたいかの感覚があるはずである。私の知人は、60歳で定年退職して1年間かけて自分がやりたい仕事を探し続けた。人材登録会社にも登録したが、紹介してくれる会社や仕事が自分がやりたい仕事ではなかった。彼は、海外の工場で社長をしていたため、声をかける会社は彼に海外赴任の仕事を打診してくる。
彼が探している仕事は、国内で新製品を企画、開発する仕事であった。彼の海外経験が目立つため人材登録会社はどうしても海外での仕事しか紹介してくれなかった。
結局、彼は人材登録会社の手を借りずに新しい仕事場を自分の手で見つけた。彼はこんな事をやった。
会社のブランド、規模、給与、労働条件などを最初から無視して自分がやりたい仕事がある会社をリストアップし、直接その会社の社長に会って自分を売り込むアプローチを取った。当然、簡単に会社社長に面会できるはずがない。電話をしてアポイントを取ろうとしても受付で蹴られてしまう。
関心を持っている会社のホームページから中途採用の社員募集ページを見て対象外である年齢であっても応募したりした。手紙を書いて自分がその会社にとってプラスになる人材である理由を説明したりした。何度もアプローチできる方法でこちらの熱意を示し続けた。
最終的に人事部の担当者がその熱意に折れて面接を許してくれた。社長面接ではなく、人事部の担当者面接である。年齢でお断りの知らせが来たのだが、彼は諦めなかった。一度、社長に会わせて自分のアイデアを聞いてくれと頼み続けた。もし、それで駄目ならば諦めるという条件でアプローチ続けた。
先方の社長に人事部から彼のことが知らされて彼がどんな人物かを知るために一度会ってくれるという連絡が彼にあった。ここまで到達できるまで彼は、この会社に半年以上アプローチ続けたと言う。この会社が求めている人材は、30歳代の人材だけであったのだが60歳の彼はこの会社で採用された。
この会社は有名なベンチャーのメーカーである。通常では、雇用されない年齢の彼がなぜ雇用されたかは社長のみが知っている。