65歳という年齢は再就職で一番の壁になる。自分の年齢を意識させない魅力を相手先にアピールできないと話も聞いてくれない。書類審査を通らない。
60歳で定年し65歳まで再雇用される今は、65歳までの5年間をどのように使うかで65歳からの再就職活動が上手くいくかどうかが決まる。他社への就職は自分をどのようにアピールするかである。書類審査を通るか通らないかがそれで決まる。
私を含め履歴者には過去の実績を中心にアピールする。それが一番相手に刺さると思っている。現実は全然刺さらない。彼らが求めるのはあなたという65歳の人材が売上をもたらしてくれるかどうかである。相手先の65歳の社員以上に会社に貢献できる魅力を持っているかどうかを探る。
過去よりも今、未来のビジネスで貢献できる「もの」を履歴車でアピールできないと意味がない。
過去の実績に囚われると書類審査と面接で落ちる
どの会社も次代のニーズを満たす人材を探している。2022年はDX人材が求められている。
DX(Digital Transformation / デジタルトランスフォーメーション)人材とは、デジタル技術を用いて、製品やサービス、ビジネスモデルや組織を変革し、競争優位性を確立するための取り組みが出来る人材。
65歳という年齢の壁を越すには新しい時代の流れの中で泳げる知識とスキルを学んでおかないと年齢の壁を越すことが出来ない。
過去の実績は転職先の会社にとって意味がない
過去の実績は今の会社で意味がある。他社ではその価値が認められ難いのでどんなにアピールしても意味がない。年齢の壁を超えた人材を採用するにはそれなりの理由がないと成り立たない。再就職先の会社にない経験とスキルがあり、新しい提案が出来きることである。
書類審査を通るには過去の実績に囚われないで新しい提案で面接まで持っていく方法が上手くいく。その会社にないビジネスの種を自分が持っていて、それをビジネス化できる環境が再就職先の会社にあるとアピールすることである。
書類審査でビジネスの提案をして、その提案に魅力を感じさせれば、面接までたどり着ける。過去よりも未来志向で自分という人材をアピールするのがポイントになる。
時代のニーズを満たす提案力
65歳のシニア人材はどうしても過去の実績とキャリアで再就職先の会社で働こうとする。どの企業も時代のニーズを満たす人材を探している。当然、シニアよりも若い人のほうが有利に働く。そのギャップをどうのように埋められるかである。
自分の専門分野で尖っている知識と提案力があれば、若い人材に対抗が出来る。専門分野のエキスパートになるには時間がかかるからだ。ソニーのロボットエンジニアたちは時代の先端を研究、開発していた。ソニーがロボット事業を止めたとき、多くのエンジニアはホンダやトヨタに再就職した。年齢が60歳以上であってもそれが出来た。時代のニーズを満たす経験と知識があったからだ。
営業のキャリアが長いシニアならば、今まで接触してきた顧客を持っている。売る商品やサービスが違えば違うほど違った角度から販売チャンスが生まれてくる。どの会社も顧客開拓が出来る人材を求めている。若い営業マンよりも経験豊富な営業マンのほうが顔が広い。そこに提案力を追加できれば、再就職先の面接官も聞く耳を持つ。
65歳という年齢を相手先に意識させない
再就職先に送る応募書類に提案書も追加しておくと良い。その会社にプラスになるビジネス企画書である。その企画書に興味を持て頂ければ面接まで行ける。昔の実績だけに囚われていると新しいキャリアは生まれてこない。時代のニーズを満たすビジネス企画書が書けるよう準備しておくことである。
新しいビジネスの企画には年齢という壁がない。それを利用する。
結論:
自分の専門分野が生きる業界の会社に再就職するならば自分の実績を再就職時にアピールできる。問題は再就職先が65歳という年齢をどう考えているかである。年令に関係なく経験とスキルを優先する会社ならば過去の実績はアピールできる。
類似業界での再就職は最終的にアプローチする会社内に人脈があるかどうかで決まる。正攻法では書類審査で落ちる。人材不足の業界であれば、今の会社が再雇用する。他社からもアプローチがある。現実はどの会社も過去の実績を参考程度にしか考えない。
どんなに素晴らしい実績を会社で作ってもその実績はその会社だけに通用する実績である。他社では他社のものさしがあるので期待できない。
65歳過ぎての再就職で自分の学歴、実務歴、功績を当てにしてはいけない。むしろ、今何がその会社に貢献できるかを見えるようにすることである。どの会社も新しいお客を求めている、新しいビジネスの種を探している、会社に足りない技術を求めている。そんなニーズを自分が満たせるということを相手に説得できればチャンスは有る。