70歳を過ぎる頃になると年金生活中心になる。私の知人を見ると有り余った時間を好きなことに使っているのだが、時間を使い切れていない感じがする。時間の経過で知らないうちに社会の流れや変化に疎くなる。仕事をしている時は、ビジネス社会の環境と変化について行かねば仕事が成り立たないため、時代の変化に追いつこうと努力する。
仕事をやめると社会の変化に影響されない生活が出来てしまうため、自分たちの生活に社会の変化を取り入れる隙間がなくなる。交流する人たちが同じ年代のシニアであると共有する情報もライフスタイルも類似である。世代が違う人たちとの触れ合いが減少して仕事をしている人たちからの最新情報が耳に入って来なくなる。
世代間を越える社会での接点を失うと老人たちだけのコミュニティー活動になってしまう。67歳の私も大学生と交流する機会がほとんど無い。彼らの生活様式や価値観も想像が出来ない。30歳、40歳、50歳代の人たちとはビジネスの延長線で交流があるので彼らの生活様式や価値観は理解が出来る。
新しい時代は若者たちが作っている。それが30歳、40歳、50歳代に伝わって行く。シニアが時代に追いつくには若者たちと触れ合う機会をたくさん持って新し情報を仕入れる必要がある。
シニアが時代に追いつくための3つのチェックポイント
今の時代に追いついていない高齢者が多い。スマホを使えるか、使えないかで時代遅れを高齢者に感じる。情報端末を使って現実と仮想の世界を歩き回れないとニュースを聞いても何の事か理解できなくなるからだ。シニアが今の時代に追いついて生活をするには何が自分に欠けているかを点検する必要がある。
コロナ禍の時代が数年続いて社会や労働環境が変わった。今まで許されなかったことが推奨されている。そこでこんな言葉が当たり前のように耳にするようになった。
- リモートワーク
- ウエブ会議
- 在宅勤務
この3つに共通することは全てインターネット接続環境でないと成り立たないということである。パソコンとスマホを使えないと仕事ができない時代になっている。70歳を過ぎたシニアはこの3つの言葉を肌で理解できていない。経験がない事が起きているからだ。今の若者たちはこれが当たり前の世界で仕事をしている。
若い世代と接点がある生活をしているか?
現役でビジネスの世界に身を置いているシニアは社会の変化に気がついている。新しい情報も飛び込んできたり、取りに行ったりしている。そのため若い人との会話が成り立ちやすい。70歳を越えて社会とのつながりが薄くなると若い人たちの価値観や考え方、最新の社会情勢、ビジネスの変化にキャッチアップできなくなっている。時代を動かしているビジネスマンとの交流がなくなると世の中の動きが観察的で第三者的な情報の理解範囲にとどまる。
時代に追いつきたければ社会の一員として活動をする必要がある。どんな仕事でも良いから社会のネットワークの中に自分を投げ入れることである。社会とつながっていたいシニアは仕事を始めれば今の時代に追い付いていける切符をもらえる。働くことで若い人たちとの接点が増え、社会の変化を肌で感じ始める。若い人たちとの触れ合いが多く持てる環境であれば、若者たちから新しい情報を自然と得られる。
新しい社会を作り出しているのは若者たちである。若者たちと触れ合う場に身を置くことが時代に付いて行くための近道になる。具体的にどうすれば良いのかと戸惑うかもしれないが、一番簡単な事は若い者たちが働いている場所で仕事をすることである。ファストフード店舗でアルバイトをしてみれば、高校生や大学生スタッフとおしゃべりが出来る。そこから今の若者たちの考え方を学べる。
老人たちが集まる場所に身を沈めないことである。
自宅以外に行く場所がある生活か?
年金生活を始めると自宅で過ごす時間が増えてくる。知らないうちに人間と交流する機会が少なくなる。社会に存在しているが、周りの住民にはその存在感がない。そんな状態が老後の生活になる。孤独と孤立が徐々に生活の一部になって行く。
余生を楽しむには自宅以外に行く場所を探す必要がある。できれば、昔のように毎日通勤する生活環境を作り出すことだ。外に自分の居場所があると精神面、健康面でプラスに働く。自分が積極的に活動するとその活動に社会は応答してくれる。それが新しい情報となって現在の社会を教えてくれる。
私は67歳で自営業をしている。仕事で毎日仕事場に向かう。インターネットの仕事であるので場所はどこでも構わない。お好みの場所でいつも仕事をしている。タリーズコーヒーが今の仕事場になっている。私にとっての自宅以外の居場所はタリーズコーヒーである。カフェを仕事場所にすることで注文カウンターで若い女性スタッフと会話ができる。ちょっとしたおしゃべりから若者たちの感覚を学べる。
外に出て活動することで自分の存在を社会に知らせることができる。その結果、社会は色々な情報を教えてくれる。外に自分の居場所を作ることで他の人たちとの接点が生まれる。その接点から時代の変化を学べる。時代に追い付くには変化を理解して受け入れる必要がある。
時代にあった文明の利器を使えているか?
スマホが一般大衆の情報端末なる前はパソコンが文明の利器として脚光を浴びていた。スマホの機能が高度化してパソコンで出来ること以上のことがスマホで出来るようになってしまった。スマホは通信機能が標準装備されていて常にコミュニケーションが出来るのだが、パソコンには通信機能が標準装備されていない。
60歳代、70歳代、80歳代の老人はパソコンが何であるか理解しているが使い切れていない。スマホとインターネットが融合しているということさえも分からない。若者たちの生活はスマホ無しで日常生活が成り立たない状況になっている。情報の窓がスマホになっている。若者たちと話をする時にスマホの知識がないと話が通じない。
今の時代の文明の利器はすでに一般大衆化しているスマホである。それを自分なりに使えるようにすることがシニアにとって一番重要である。誰もが使っている文明の利器を使えないと話題についていけなくなる。スマホを使っていないシニアにLINEのグループラインでチャットしているとか、インスタグラムで写真をアップしてコメントを頂いているとか、Twitterで趣味の投稿をしているとか、SNSが理解していないとシニアは何が起きているのか分からない。
新しい事は若者に教えてもらうのが一番早く学べる。そのためには若者たちとの触れ合いを増やすしかない。その方法として若者たちと一緒に活動する「場」に身を置くことである。
結論:
社会とつながっていたいシニアは、新しい情報を取得して理解する必要がある。若い人たちと話をした時に会話が通じるようにする必要がある。社会の流れと流行、新しい価値観と言葉、新しい技術と製品などシニアなりに理解する努力が求められる。70歳代になると付き合いをする相手が同年代のシニアが多くなるため、入ってくる情報が古くなる。
若い世代の人間と接点があると自然と新しい情報が入ってくる。分からなければその場で教えてもらえる。同世代だけでの交流ではそんな機会がない。回りのシニアが時代について行っていないからだ。