60歳代、70歳代で元気に働いている高齢者は「現状の生活を維持するにはどうすべきか?」を考えておく必要がある。体の衰えは確実にやってくる。余生を楽しむ時間は少なくなっている。余生を出来るだけ長く楽しみたければ、3つの駄目を克服する必要がある。
健康でないと駄目、体力が無いと駄目、お金が無いと駄目。この3つである。今の状態をチェックして改善することである。生活習慣病になりかけているならば、生活習慣を改善する。体力が落ちたと感じ始めたら、スポーツジムに通って筋トレを始める。貯蓄で不安を感じているならば、今からこずかい稼ぎのアルバイトをして全額貯蓄する。
普通の生活を送っていられるうちにこの3つの駄目対策をする。これをやらないとこれからの老後は楽しくなくなる。
老後の生活を楽しむための前提条件
老後の楽しみに旅行がある。旅行を夫婦で楽しむには二人とも健康で体力とお金がないと行けない。旅行を楽しむならば健康で体力がある60歳代が良いと言われる理由である。自分たちが貯めたお金を将来の不安解消のために残すのはつまらない。お金は使って楽しめるうちに使うべきである。
70歳代、80歳代で旅行に行こうとしても健康と体力上の理由で制約される可能性がある。体に負担が多い旅行はできない。老後の生活で健康と体力は何をする上でも必須条件になる。お金が少なくても健康と体力があれば、お金を使わないで時間を楽しむ方法がある。お金に少しでも余裕があるならば、お金を使って楽しむべきである。
普通の生活が出来る健康が無いと駄目
子供たちが成長して独立した後は夫婦二人だけの生活になる。普通の生活が死ぬまで続けば良いが、現実はそうではない。ある年齢で健康障害が発症する。免疫力が落ちて病気にかかりやすくなる。持病が一つや二つ生まれる。早いうちに治せる病気ならば、早期発見、早期治療で対処すべきである。
健康を害して寝込んだり、行動に制約が出来たりしたら普通の生活は維持できなくなる。健康を維持するためには何をすべきかを考えて自分の健康にプラスになる生活をすることである。意識する、しないで生活は変わる。
老化で今まで出来たことが出来なくなるという現象を体験する。改善できる方法があれば、今から意識して対処すべきである。
身の回りの世話を自分で出来る体力が無いと駄目
普通の生活とは自分たちだけで自活できる生活になる。体力が落ちると誰かの助けがいる生活になる。年齢が75歳以上になると歩行障害が起きて移動の制約が生まれる。炊事、洗濯、掃除などで体力が要求されると対応できなくなり誰かにやってもらう状況になる。
健康であっても体力がないと今までやれた事が自然と出来なくなる。筋肉量と筋力は年齢と共に失われて行く運命にある。老化で活動量が減ると筋肉を使う機会が少なくなる。体の筋肉は活動量に合わせて調整される。
その事実を直視して日頃の活動量を増やし、筋肉を使う生活をすることである。週に2回は近くのスポーツジムに通ってトレーナーの指導を受けながら筋トレをする。粗食を辞めてタンパク質の多い食事と栄養バランスの良い献立で体力をつける。
自活が出来るお金が無いと駄目
社会の弱者になるとお金が一般の人以上に必要になる。自分で出来ることが少なくなり、誰かにお金を支払ってやってもらうことになる。体力を消耗する草取り、掃除や荷物の片づけ、台所の掃除。自活を維持するための必要最低限のお金はどうしても必要である。
アルバイトやパートの仕事が出来る健康と体力があるうちにお金を稼いで貯めることである。稼いだお金を二分する。遊びに使うお金と生活支援に使うお金である。何歳になってもお金を稼げれば最高であるが、誰もが出来ることではない。
お金には賞味期限がある。お金は使って自分たちの欲求を満たすためにある。健康と体力が維持され、普通の生活が出来ているうちにお金を使う。老人ホームに入居すると自分でお金を使う自由が無くなる。お金を使わなくても生活が出来る場所が老人ホームである。
老後の生活を楽しんでいる人たち
来年に70歳になる私だが、同世代のシニアは2つのことを楽しんでいる。一つは旅行。2つ目は美味しい料理を外食すること。
旅行は非日常の生活を楽しめる。食事の準備も必要なく、ホテルで提供される料理を食べるだけ。温泉に入ったあとはラウンジで無料のナイトキャップを飲む。日頃自分たちがやっている作業をホテル側が代わりにやってくれる。
月に一度、美味しいと噂されるレストランで外食する。料理の値段は高いが、落ち着いた雰囲気でゆっくりと味わえる料理を楽しめる。自宅では味わえない料理である。お腹が空いて食べたいという本能は生きていく上で重要である。通常では価格が高くて食べられない料理を他界する前に味わいたいと思うのは自然である。
旅行も外食も健康で体力がないと楽しめない。当然、先立つものはお金になる。
結論:
健康、体力、お金は老後の生活を楽しむための前提条件になる。3つのうちの1つでも満たされなければ、老後の生活は苦痛になる。シニアにとって普通の生活が出来る、出来ないかで余生の楽しみ方が変わる。
お金が沢山あっても健康でなければお金を使う楽しみもなくなる。体力が落ちて自分で動き回ることが出来なくなれば、不自由さを味わう。健康と体力があってもお金が足りなければ、生活を楽しめない。この3つの要素は老後の生活を楽しむ上で互いに依存している。
人生100年と言っても健康寿命は72歳ぐらい。長生きをしても普通の生活が出来ない生活が長くなる。97歳の義父は老人ホームで介護士の世話を受けながら生活をしている。その生活は自分が求めた老後の生活ではないのだが体が弱くなり誰かの世話を受けないと生きて行けないからである。
60歳代、70歳代の健康なシニアは自分の老後の生活を楽しむために何をすべきかを知る必要がある。
- 健康を維持する生活習慣を身に付ける事
- 体力を維持する筋トレをする事
- お金の無駄遣いをせず、お金を増やす知的生産の仕事を見つける事
やり方は個人に依存する。人それぞれのやり方がある。