仕事から離れた元会社員は、スーツ姿で外出する事が少なくなる。特別なイベントでスーツ姿を要求しない限りジャンパーとジーパン姿ではないか。特別なイベントが稀なのが老後の生活になる。スーツを着ると会社員時代を思い出す。スーツを着て、ネクタイをつけて、革靴を履く。ビジネスマンの鎧姿になる。
会社を卒業したシニアは、スーツを着ることがなくなる。必要性がなくなるからだ。それは至って自然なのだが、スーツを着ることで色々なメリットがシニアに生まれてくる。
老後のスーツをどう見るか?
スーツ姿だからどうのこうのではなく、スーツ姿になることで気分を変える事に意味がある。仕事から離れた生活は、ダラダラしがちになる。気持ちが緩みっぱなしになる。その精神状態が生活に反映される。昨年は家内から、「折角スーツが沢山あるのだから、もっと着て下さいよ!あなたはスーツが似合う人なんですから…」と小言を言われた。
今日も濃紺のスーツとネクタイで仕事に出た。仕事では、別にスーツ姿になる必要が無い。人に会うわけでもなく一人でカフェでインターネットビジネスをするだけだ。他人から見えれば、スーツ姿の人はどこかの会社員と見受けられる。老人であってもカジュアルな姿とスーツ姿では他人の見方が違う。
シニアのスーツ姿で人の見方が変わる
70歳、80歳の老人がスーツ姿でカフェに来ていてスマホを見ているだけでも何らかの仕事をしている会社役員かなと見られる。一般的な70歳以上の老人は、スーツ姿でいる事が少ないからだ。私は、仕事場としてスターバックスを使っている。スーツとネクタイ姿の私とカジュアルな姿の私では、スタバの店員の表情が変わる。「あぁ、この方は仕事をしているシニアなんだあ!」というような表情と対応になる。
実際は仕事をしていなくても相手が良いように解釈してくれるならばそれで十分だ。それよりも自分の気持ちがいつもと違って張りが出ていればそれが一番良い。張りのある生活を維持することで生きがいも生まれてくる。気分が変われば、何か新しい事でもやってみようかという意気込みも生まれてくる。
老人になればなるほど見栄えを気にしたほうが良い。老人は年老いて来ると醜くなるからだ。その醜さにさらなる醜さを追加するのが服装だ。自分の姿を魅力的にする努力が服装に無いと醜さを隠せない。ただでさえ皮膚は老人の皮膚になり、しわやシミだらけだ。誰も老人なんか気にしていないと思われがちだが、人の目は絶えず注がれている。
妻からの強いリクエスト
「外と内の服装にメリハリをつけてほしい!」ということだ。女性は世間体を非常に気にする。自分の旦那がみすぼらしい格好で歩き回ってほしくないと思っている。
旦那がみすぼらしい格好で歩き回るとその奥さんの評価も下がると心配している。奥さんがしっかりしていないからあんなみすぼらしい老人になっているなんて思われる。
奥さんに余分な心配事を思わせないためにも外出時は、スーツとネクタイ姿が一番無難で気に張りが出る。スーツとネクタイ姿の老人は他人の目に好印象に映る。スーツとネクタイ姿は、社会の中にまだつながっているというサインだからだ。実際につながっていなくても繋がっているふりをするだけでもプラスだ。
私は、家内の心配事を無くすために暖かい気候になる4月まで毎日(特別な事情が無い限り)スーツとネクタイ姿で仕事に出ることにした。
スーツを着ると精神的に若返る
会社組織からしばらく離れて久しぶりにスーツを着て外出すると気分が変わる。会社員であった頃の自分の姿が頭に浮かび、引き締まる。スーツは会社員の制服である。スーツを着た人は仕事をしている人というイメージがある。私は毎日スーツを着て仕事に出かけることはないが、TPOでスーツを着ることにしている。時にはその日の気分でスーツを着る。
スーツを着るたびに気分が若返る。世間の目がスーツ姿のシニアに当てられると仕事を続けているシニアと見られる。良い、悪いの価値観ではなく、元気で仕事をしているシニアという感じである。スーツは気を引き締める効果がある。カジュアルな洋服で自宅でゴロゴロしている感覚とは違う。時にはスーツを着てみると良い。
月に3回ぐらいスーツを着て外出する日を作ると老後の生活に新しい刺激と変化を持たらす。刺激と変化は老人にとって精神的な栄養になる。認知症予防に刺激と変化は必須。
最後にスーツを着て外出した日を思い出してみる。もし、その日が会社を去る日であったならば、または、仕事を辞める日であったならば、明日にでもスーツを着て外出することである。気分転換を味わえる。
終活で処分する衣類の中でスーツが多い
自宅を出るちょっと前に妻から小言を言われた。あまり使っていないスーツが洋服掛けを占領しているので捨ててほしいと言われた。スーツは長持ちする。最近購入したスーツはすでに20年以上前になる。しかたなく、持っているスーツを品定めしてお気に入りのスーツだけを残し、残りのスーツを断舎離することにした。
今はスーツを毎日着ることがないのでお気に入りのスーツ一着があれば事が足りる。老後はスーツを着る機会が減ったので月に何回かスーツを着る日を作っている。着れる洋服はどんどん使う。ジャケットも多い。ジャケットは秋から冬に良く着る。ジャケットも断舎離する必要があるほど持っている。
最近購入した衣類はスポーツジムで使うスポーツウエアぐらいしかない。筋トレが趣味の私であるのでスポーツウエアは消耗する。洗濯をする回数が増えると自然と消耗するからだ。
多くのシニアは着なくなったスーツやジャケット類を断舎離しているのではないか。これからは冠婚葬祭のときに着るスーツ、昔の仲間と会食を取る時に着るジャケットぐらいで十分になる。多くの人は老後の節約でまだ着れる、履けると言って古い衣類を取っておく傾向が強い。
社会との接点が少なくなる老人は気を引き締めるためのスーツ一着とジャケットがあれば十分である。
結論
- スーツとネクタイ姿になると気が張り、気分がシャキッとする
- 醜い老人の姿をスーツとネクタイ姿でカモフラージュする
- スーツとネクタイ姿は、社会の中にまだつながっているというサイン