両親の介護が始まると息子、娘の人生が変わり始める。これは、両親を持つ誰もが経験することだ。私達夫婦も介護が必要な年齢や体になったら子どもの負担になる。これは避けようもない現実である。これを避けるには普通の生活が難しくなったら老人ホームに入居するしか無い。

有料介護付き老人ホームは、介護をする家族の負担を限りなくゼロにする。その代償は、お金である。両親が資産家であれば、有料介護付き老人ホームへの入居は子どもたちにとって負担がない。お金が少ない両親であると子どもたちがその負担をすることになる。

金融資産が少ない親が子どもたちに出来ることは、できるだけ健康寿命を伸ばし、普通の生活が出来る体を維持続けることだ。有料介護付き老人ホームに入居する期間を短くする年齢まで自宅で普通の生活をする。それが一番の子供孝行になる。

96歳の義父は昨年11月に介護付き有料老人ホームに入居している。私達が住む場所から自動車で20分以内の所にある老人ホームである。義母は老健施設でリハビリ中。要介護5認定から1に回復した。89歳になるが初期認知症の症状がある。出来れば義母も義父の同じ老人ホームに入居させたいのだが、月額の介護負担金額が60万円以上になる。

この負担は義両親の金融資産から支出することになる。金融資産がなくなったら、私達と義兄夫婦で負担することになる。自分たちの老後資金が親の介護負担で消えていくことになる。

介護をする側の負担と人生

介護が必要な両親を有料老人ホームに任せる事の本音は、自分たちの時間と自由を確保したいことにある。両親を介護し始める年齢は、50歳代から60歳代が多い。自分たちの子供が大人になり独立する年齢である。やっと、子育ての義務から開放されたのに次は介護である。老人ホームに介護を必要とする両親を入居させることで今まで負担がなくなる。

老人ホームに親を入居させても負担は残る

私達の自宅に近い老人ホームに入居した義父は老人ホームでの生活を楽しんでいる。98歳の友人もできておしゃべりを楽しんでいる。毎週末の朝に義父から電話がかかってくる。必要なものを買って届けてほしいという依頼である。介護負担がなくなった代わりに「買い物代行」の負担に変わった。

「買い物代行」の負担以外に月に1回程度の面会がある。さらに義両親の実家管理が有る。東京にある実家には月2回1泊2日の宿泊がある。ずっと空き家にすると空き巣に入られるからだ。誰かが住んでいるという雰囲気を周辺に発信しないとまずい。家内にとっては住み慣れた実家であるので負担がないが、私にとっては多少負担になる。

東京の実家を別荘として使って自分たちの生活に変化を産ませるしか無い。何事も有効活用をしないともったいない。

私達の老後生活と人生をどう楽しむべきか?

義両親の介護負担の殆どは老人ホームに任せる。そのための資金は義両親の金融資産と実家の売却になる。義父が96歳、100歳まで生きるとしてあと4年間は老人ホームへの支出が続く。義母は89歳。100歳まであと11年間ある。何歳まで生きるかは神のみぞ知るで、それまでお付き合いすることになる。

  1. 老人ホームへの支出、面会、買い物代行
  2. 実家の管理と売却

この2つ以外で私達の時間を取られることはないので空いた時間を自由に使える。コロナ禍がワクチン接種で日常生活面で問題が少なくなれば、国内旅行を夫婦で楽しめるようになる。海外旅行は当分難しい。

私達夫婦は健康寿命を伸ばすための生活習慣を実践している。二人の金融資産では二人分の老人ホーム入居は難しい。どちらかが先に他界するか、普通の生活をできるだけ長く維持するしか方法がない。

日々の生活を楽しむことが老後の生活を楽しむことになる。そのためには健康を維持する生活習慣を実践するしか無い。筋肉の損失を防ぐために定期的な運動をする。栄養バランスが取れた食事を心がける。自宅以外の場所に居場所を見つける。積極的に体を動かす。こんな当たり前のことが出来ていないのが現実である。

老化を楽しむ生活も選択肢としてある。無理をしないで自然に任せる。それで普通の生活が維持できれば介護されるときの金銭負担は少なくなる。

結論

  • 親の介護負担は介護付き有料老人ホームに任せることで済む。但し、お金がかかる。老人ホームに入居しても介護負担は残る。面会、買い物代行などである。親に金融資産がなければその負担は子供に来る。そうならないように実家の売却で老人ホーム負担を担うしか無い。
  • 私達の老後生活は健康寿命を伸ばすための生活になる。老人ホームに入居しないで自宅で普通の生活を送れる健康と体を維持する。十分な資金がなければ、健康維持にお金を投資するしか無い。