毎年お盆の3日間で50万人以上が集まる巨大イベント「コミックマーケット」は、一般人が行きにくい場所だ。違った世界に住む人たちが集まっている。

国内だけでなく海外からも東京のコミケを見に来ている。オタク文化の頂点にコミケがある。シニアの人たちにとって違和感があるかもしれないが、表現の自由と想像力を発信する場として年齢、性別、国籍を問わず独特の世界が出来上がっている。

コンビニに殺到するオタク人たち

“夏のコミケ”に燃えるコンビニエンスストアの人間模様が、放送100回を迎えた「72時間」の番組で描かれている。シニアの団体がこぞって行くような場所ではない。あまりにも混雑する人、人、人だ。サブカルチャーの祭典を毎年待ち焦がれている若者たちがいる。

その若者たちが夏のコミケに行く前に立ち寄る駅前のコンビニがある。普段の4倍の商品が販売されるという。コミケのために販売する商品も用意されている。色々な人がこの祭典で何かを求めていやってきている。ある人は、コミケ用に用意された商品の段ボール箱がほしくてコンビニやって来たという人もいる

猛暑の夏であったため、多くの人たちは飲料水を何本も購入していた。簡単にどこでも食事ができるおにぎりも飛ぶように売れている。一度、コミケの祭典場に入ったら気楽に出たり入ったりが出来ない。それほど人があふれている。

なぜ、こんなに人が集まるのか。それも若い人たちが。オタク文化がアニメという共通要素を通じて世界中に広がり、世界のオタクたちが東京の夏コミに集まってくる。今は、若者のオタクが中心だが、少子高齢化が進む日本ではシニアのオタク文化が生まれてきても不思議ではない。

シニアの文化は、シニアの人口が増えるに従って浮上するのではないか。平均寿命が80歳である現在、5年後、10年後には85歳になっているかもしれない。シニアという年齢層が厚くなるとシニアが新しい文化を創り出す原動力になる。社会もシニアの動向に注目し始める。

老人倶楽部や老人ホームだけがシニアを代表するキーワードではない。元気なシニアが若者たちと同じように水面下でシニアのオタク文化を作り始めている時代になろうとしている。