孤独と孤立は、人間と会って会話をする機会を失ったシニアたちが感じる現象ではないか。私は、もう、19年以上もノマドワーカーをカフェでやっている70歳のシニアである。一人社長のビジネスは、時々、人恋しさが生まれる。1日誰とも話をしないでパソコンとにらめっこしている。こんな状態が続く時は、自然と孤独を感じ始める。飽くまでも仕事環境での話であるが。

私が感じている孤独と孤立は、これからシニアがフリーランスや個人事業者として仕事をする上で避けられないかもしれない。特にシニアは、新しい知人や友達を作るのが難しい。仕事だけではリラックスした関係を築き難い。

起業や転職で新しい組織で働くにしても、自分で進んで新しい出会いを作り出す環境に自分を置かないと誰も寄ってこない。

loneliness 孤独と孤立

時々、カフェで一人、静かにコーヒーを飲みながら食事をしているシニア女性を見る。後ろ姿が寂しそうであった。シニア女性は男性よりも長生きをする。当然、男性以上に孤独と孤立を味わいやすい。

ただ、女性には男性にない本能的な能力がある。おしゃべりである。気楽に話しかけて何時間もお喋りができる能力は男性にはない。おしゃべりを通じて新しい知人を作れる。男性にはそれが難しい。それ故に孤独と孤立の世界に留まりやすい。

シニアが孤独と孤立に対処する方法

緩い人間関係を築き易いNPO団体に所属する事だ!

お金を稼ぐという目的ではなく、社会貢献とちょっとしたお小遣い稼ぎでNPO団体で働くという手段がある。自分のリソースを活かしたいと思っているシニアならば、近くのNPO団体、または、友人・知人が参加しているNPO団体に顔を出してみる。NPO団体を探すときは、活動が活発なNPO団体を優先して探す。

ビジネス環境に身を置きたい人向けNPO

世の中には色々なNPO団体が沢山ある。多くは名前だけで活動が止まっているNPO団体が多い。ちゃんとした活動をウエブで発信しているNPO団体であれば、そこに電話して問い合わせして見ることだ。社会とのつながりを失いたくないシニアで過去の経験や知識をビジネスに生かしたいならば、経営支援NPOクラブをお勧めする。

230名のメンバーが中小企業の営業活動を支援する仕事をグループ単位で行っている。平均年齢が72歳ぐらいだが、私のように定年退職後のシニアもメンバーになっている。私は経営支援NPOクラブに参加して9年ぐらいになる。自分の仕事があるので深くは関わっていないが、月例会には出来るだけ参加している。最低でも月2回は定例会に参加して色々な中小企業の最新情報を耳学している。

9年も継続してNPOクラブに参画していると自然と自分の顔や名前がメンバーの間で知られるようになる。先日もその結果でメンバーとばったり出会う事が有った。横浜にある弘明寺近くを流れる大岡川がさくらで有名であったので家内と一緒に桜見に出かけた。そこにNPOクラブで一緒のグループの方とばったり出会ったのだ。

お会いした方が私を見つけて呼び掛けてくれた。まさか、こんな場所で会うとは予想もしていなかったので非常に驚いた。彼はこの近くに住んでいるので桜を見学にやってきたという。NPOクラブでの活動での接点は、あまり深くないのだがお互いに顔だけは見慣れていた。予想外の場所で出会うと親しみを感じ始めるのが人間である。

これは一つの事例である。

65歳過ぎのシニアは、定職を持つ事が少ないので何か社会とつながる活動をする団体に所属すると団体経由で色々な出会いが生まれてくる。自宅で一人誰かが誘ってくれるのを待つのではなく、自分で足を動かしてドアを叩いてみる。これをしないと世の中はあなたをどんどん孤独と孤立の世界に引きずり込む。

同じ団体に継続的に顔を出すだけで孤独と孤立から逃れられる。定例会に毎回出るだけで誰かがあなたの存在を認識する。見慣れた顔になれば、知らないメンバーでも気楽に話しかけられる雰囲気が出来る。そんな環境に自分を置く事が一番良い方法だ。

スポーツジムに通うこと

70歳を過ぎると体力の衰えが肌で感じ始める。人間ドックを受けると必ず医者から定期的な運動をしていますかと聞かれる。医者はシニアがこれから直面するフレイルという病状を心配している。体力の低下で自分の体を自由に動かせなくなる。シニアは体を積極的に動かさないと体が錆びて動かなくなる。

健康寿命を伸ばしたい、若くありたいと願うシニアが多い。私のその一人である。私の場合、筋トレを長年やり続けている。筋トレが趣味になっている。定期的に週2回必ず近くのスポーツジムに通う。体力と筋力の低下は防げている。同年代のシニア男性よりも体力があり、体格も良い。

スポーツジムに通って体を積極的に動かすメリットだけでなく、スポーツジムが社交の場になるメリットも享受している。色々な年代の方が筋トレをやっている。時々、30歳代、50歳代、80歳代の方から話しかけられてちょっとした会話をする。筋トレという共通話題があるから違和感がない。定期的に通うことで同じ人達と顔を合わすことが多くなる。名前を知らなくても顔を知っていることだけでお互いに親和感を味わう。ちょっとした機会に気楽に話しかけられる空間が生まれる。

お互いに筋トレという共通の目的でスポーツジムにやってくるので筋トレという共通の話題で話ができる。スポーツジムに行けばまた顔見知りの方と出会えるという気持ちを持てる。それだけでも孤独や孤立を和らげられる。

暇な夜の時間を有効に使う

孤独や孤立感を味わいやすい時間帯は夜である。自宅で一人でいると一人で楽しめる趣味がないとつまらなくなる。それを回避するにはこんな方法がある。

  1. 夜間のアルバイトをする(スーパーマーケットのパート、ファストフード店のアルバイトなど)
  2. 蔦屋書店でカフェを飲みながら本を読む(人がいる環境に自分の身を置く)
  3. 図書館で読書
  4. 週1、2回近くのスーパー銭湯でお風呂を楽しみながらゆっくりする
  5. 将棋、碁のネット通信対戦を自宅で楽しむ

ポイントは受け身的な時間を過ごさないことである。自分の意志で何かをするという行動が孤独と孤立を遠ざける。

結論

  • 孤独と孤立は、人間と会って会話をする機会を失ったシニアたちが感じる現象である。
  • 起業や転職で新しい組織で働くにしても、自分で進んで新しい出会いを作り出す環境に自分を置かないと誰も寄ってこない。
  • 社会とのつながりを求めることで孤独と孤立から流れられる。